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80年代の"裏"ハリソン・フォードの記録



Harrison Ford, 1942.7.13 -

 今回は、80年代に青春を過ごした私たち世代にとって、間違いなくトップスターだったハリソン・フォードについて "note" します。

 アカデミー賞なんかには無縁な俳優さんなんですが、そのニヒルな笑顔とともに、数々の映画で印象的な役を演じてきました。


 近年でも、2015年の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で

30年ぶりにハン・ソロ役


 2017年の『ブレードランナー 2049』では

35年ぶりにリック・デッカード役


 そして今年2023年の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では

15年ぶりにインディ・ジョーンズ役


 と、なんかスゴクないですか?

 ハン・ソロやインディ・ジョーンズ、そしてデッカードまで、老人となった姿で登場するんですよね~
 その賛否は置いておくとして、シリーズの続編とはいえ、ヒーローの老人となった姿を描くって、あんまり見かけなかったと思うんですよね。
 多分、ハリソンありきの見納め企画なんでしょうが、これだけ続くと、やっぱりハリソン・フォード(そして演じたキャラ)は愛されてるな~って、改めて感じるのです。


 1977年の『スター・ウォーズ/新たなる希望』以降、大人気だったハリソン・フォード
 毎年のように出演作が公開されたんですが、あの80年代、『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』以外、どんな作品に出ていたか記憶してますか?
    エンタメ大作に比べると、存在は地味なんですが、けっこういろんな作品に出てるんです。

【80年代のハリソン・フォード出演作】
1980『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』
1981『レイダース/失われたアーク』
1982『ブレードランナー』
1983『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』
1984『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
1985『刑事ジョン・ブック/目撃者』
1986『モスキート・コースト』
1988『フランティック』
        『ワーキング・ガール』

1989『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』

 ハリソン・フォードが80年代に出演した映画は10作品、シリーズものではない太字作品の4作は、あんまり見直される機会がないかもと思うので、80年代の "裏" ハリソン・フォード作品 として紹介していきたいと思います。(コンプリートに活用ください!)


+  +  +  +  +  +


『刑事ジョン・ブック/目撃者』1985

 監督:ピーター・ウィアー
 出演:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス

殺人事件を目撃した親子は現代文明を拒絶して生きるアーミッシュの出身だった。犯人から銃撃された担当刑事ジョン・ブックはふたりを守ろうとするが……。

    最初に紹介するのは、1985年に公開された『刑事ジョン・ブック/目撃者』。
    "ハリソン・フォードの刑事アクション物だ!" と思って観にいったら、銃撃戦みたいなアクションは少なめで、ちょっと肩透かしを食らった作品でした。
    ちょっと大人の作品なんですよね。
    ピーター・ウィアー監督は、後に『いまをいきる』や『グリーンカード』など、"いい映画" を撮る方なんです。
    この映画の中では、"アーミッシュ" と呼ばれる、昔ながらの生活を大切にしている共同体が出て来て、そこにやってきたハリソン・フォード演じる刑事との文化的対立や交流が主題のひとつなんです。
    後で考えると、ホントいい映画で、刑事役だけど、ヒーローとは違ったハリソン・フォードの一面が見れるんですよね。(唯一、ハリソン・フォードがアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされてます。)
    もちろん、トレーラーに出てくる女性との、文化やしきたりを越えたロマンスも描かれるのですが、その相手役のケリー・マクギリスが『トップガン』に出てきた時は、その印象の違いにビックリしました!

清楚な未亡人役だったケリー・マクギリス
『トップガン』ではこんな感じでした!



『モスキート・コースト』1986

 監督:ピーター・ウィアー
 出演:ハリソン・フォード、ヘレン・ミレン

管理された社会を嫌うアリー・フォックスは、5人の家族を連れ中央アフリカでの大自然に包まれた生活を始める。そんなある日、突然彼らの前に現れた武装した男たち…。嵐の如く彼らに襲いかかるさまざまな出来事の中で、アリーの信念、家族の愛が試される。

    さて、続けてピーター・ウィアー監督と組んだ1986年公開の『モスキート・コースト』…
    こちらでは、見た目も含めて、さらにヒーローっぽくないハリソン・フォードが登場します。
 この作品はハリソン・フォード演じる父親と家族を描いたドラマなんですが、ここで特筆すべきなのは、息子をリバー・フェニックスが演じてるんですよね。

『スタンド・バイ・ミー』の後ぐらいですね。

 後日、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』で、若き頃のインディを演じることになるんですが、その縁となったのがこの作品なのです。



『フランティック』1988

 監督: ロマン・ポランスキー
 出演:ハリソン・フォード、エマニュエル・セニエ

アメリカ人医師のリチャードは、妻サンドラとともにパリを訪れたが、ホテルに到着して間もなく、空港でスーツケースを誰かのものと取り違えてしまったことに気づく。そしてリチャードがシャワーを浴びている間に、妻が何者かに連れ去られてしまう…

 なんと、 ロマン・ポランスキー監督作品です。
 映画ファンの自分の中で、独特のポジションにいたポランスキー監督とハリソン・フォードの組み合わせが、なんとも奇妙に感じたのですが、意外と面白かったです。
 ハリソン・フォード演じる主人公が ”ダメダメ” なんです。
 ポランスキー監督らしい性的な表現に賛否はあるんですが、個人的には、異世界に思えるパリの暗部が主役の映画だったと思ってます。
 蛇足ですが、主人公と行動を共にする女性が魅力的だったんですよね~、エマニュエル・セニエというフランスの女優さんで、この作品の後、ロマン・ポランスキー監督と結婚します!

赤い服が似合いすぎでした。



『ワーキング・ガール』1988

 監督: マイク・ニコルズ
 出演:メラニー・グリフィス、ハリソン・フォード

上昇志向のテスは意欲は満々なのだが学歴が災いして秘書止まり。新たに上司になった女性重役キャサリンの才媛ぶりに憧れをいだいていた。ところが彼女は陰でテスの企画をこっそり盗んでいたことを知り……。

 最後に紹介するのは、『フランティック』と同じく1988年に公開された『ワーキング・ガール』…
 ただ、『フランティック』とは正反対で、明るく元気になれるサクセスストーリーなんです。
 この映画の主人公はメラニー・グリフィスで、ハリソン・フォードは主人公とタッグを組むイケメン社員の役です!
 ハリソン・フォードって、こんな役も出来るんだと、ちょっと意外な感じでした。
 まあ、アメリカンな展開なんで、あまり印象に残ってないんですが、カーリー・サイモンの歌う主題歌の方が憶えてるかも…


カーリー・サイモン「Let the River Run」


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 ということで、80年代の "裏" ハリソン・フォード作品 を紹介しましたが、90年代でも、『パトリオット・ゲーム』や『逃亡者』、『エアフォース・ワン』などのアクション作の間に、『心の旅』のような地味なドラマや、『サブリナ』などのロマンティック・コメディに出演したりしていて、けっこう、いろんな役を演じています。

 冒頭にも書きましたが、ハリソン・フォードは賞には無縁だったのですが、記憶に残る俳優だったことは間違いないんですよね。

 高齢になった今も、引退するつもりはないと語ってるハリソン・フォードなので、いつまでも元気な姿を見せて欲しいものです!



(俳優さん関係 "note" )

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