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キャンサーヨガに行ってみる ~とあるOLの乳がん日記【99】

99.

数日後、キャンサーヨガの日になったけど、朝から全然やる気が出なくて、何もしたくない気分だった。
お腹は空かないどころか、ご飯を食べたくない気分で、でも食べないと免疫力が上がらなくて、また抗がん剤が延期になってしまうと思ったので、無理やり食べたりした。

午後になってから、動く気がしなかったのを無理やり動いて、なんとかキャンサーヨガに向かった。
キャンサーヨガは、あまり行ったことのない駅の近くで、時間に余裕をもって行ったから、早く着いてしまって、誰もいなかったから、近くをウロウロしたりして時間を潰した。

開始時間近くになると、女の人たちがどんどん集まってきたので、やっぱりここであっててよかったと思った。
けれど、みんな知り合い同士ばかりだったので、私は少し浮いてしまって、私も混ざってお話したいなと思った。

そうしたら、この間の、乳がん患者さんの大規模な集まりのときの帰り道で一緒になった女の人がいたので、おお、という気持ちで声をかけた。

間違いなくその人だったけれど、でも、ごめんなさいね、私、あまり覚えてなくて、と言われたので、たしかにこういう集まりにたくさん出ていると、色んな人とも会うようになるし、そうだよなと思った。
それからよく見たら、この間の小規模の集まりのときにいた女の人もいて、ちょっと挨拶ができて、よかったと思った。

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ヨガの先生が前に出てきて、始まる時間になったので、そういえばと思って、ウィッグをつけたままでも大丈夫かどうか質問をしてみた。
そうしたら、先生は、色んな動きをするので外したほうがいいと言ったので、急いでウィッグをとって帽子を被った。
ここはキャンサーヨガだったけれど、ウィッグを被っていたのは私だけみたいだった。

ヨガは昔、1回だけ会社の福利厚生でやったことがあったけど、それ以来で、そのときと違うのは、マントラというお祈りの言葉みたいなのをみんなで言うことだった。
一緒に声に出してみると、なんだか気分が軽くなった気がしたので、ヨガすごい!と思った。

ヨガが終わったあとは、みんなで輪になって座って、お茶を飲みながらお菓子を食べた。
ヨガの先生が色んな話をしてくれて、それから、今回初めての人が何人かいるからと、初めての人だけ自己紹介の時間になった。
緊張したけれど、少し話を聞いてもらえて、それだけでなんだか嬉しかった。

帰るときは、来るときより元気になった気がして、家でもヨガをやろうと、その先生が動画サイトで公開しているURLを教えてもらって、感謝の気持ちを伝えて帰った。
その日の夜は、夕ご飯も普通に食べることができて、まあまあ普通に眠れることもできて、嬉しかった。

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