薬を飲んだら明らかに自分の様子がおかしくなる ~とあるOLの乳がん日記【63】
63.
精神腫瘍科の診察が終わったので会社に戻った。
先生が言っていた、私の「心が乖離している」状態は気になったけれど、かといって「悲しい気持ちに寄り沿う方法」もわからなかったので、どうもしようがなかった。
薬を飲むようにとも言われたけれど、昔、友達が精神科の薬を飲んだら、もうずっと薬漬けになる的なことを言っていたのを覚えていて、それが引っ掛かっていたので、なかなか飲もうという気にならなかった。
まあでも、今は元気だし、今度また辛い気持ちになったときに飲めばいいかと思った。
仕事を終えて家に帰って、家族に精神腫瘍科の先生に言われたことを伝えた。
家族も私の状態を見ているので、ピンときてない感じだった。
精神腫瘍科には、次にいつ来るようにとか、そういうふうに通院しているわけではなかったので、またしんどくなったら行こうと思ってることを告げた。
寝るときになって、もらった薬を見たけど、やっぱり友達の言っていたことが気になったので、飲まなくていいかなと思った。
そうしていたら、何となく心がざわざわしてきたので、やっぱり、1回飲んでみよう!と1粒飲んだ。
すぐに何か劇的な変化があるわけではないので、そのまま寝た。
朝方ゆっくり覚醒していって、夢から覚める直前、いつもみたいにいろんな考えが頭の中を巡った。私はよく夢を見るし、そこから掬い上げられる瞬間には、いろんな言葉が頭の中を飛び交った。
今回もいつもと同じようだったけれど、でも少し違くて、説明が難しいけれど、なんというか、突然「今までないがしろにしてた自分」というものが、一気に自分を襲ってきて、それで頭がわーっとなって目がパチっと覚めた。
何だか、取り返しのつかないことをしてきたような絶望感というか、喪失感があって、動悸もすごくて、頭の後ろがすーすーして、いつもだったらしばらくすると落ち着くのに、いつまでたっても落ち着かなかった。
明らかに自分の様子がいつもとおかしくて、動悸と、胸が詰まるような感じがして、どうしようと思った。
部屋を出てダイニングに行くと、家族が朝ごはんを食べていて、私に挨拶をした。
でも私は、なんかちょっとおかしいんだけど、と言って椅子に座った。
なんか、変で、胸もいっぱいで苦しくて、ご飯なんて食べられそうになかった。
自分の中で何が起きてるのかわからなくて、私の様子がおかしいので、姉が、こういうときは日光を浴びたらどうだろうと言うので、窓側に座って日の光を浴びた。
そうしたら、今まで感じたことがないくらい、日の光が気持ちよかった。
少しずつマシになってきて、5分も浴びると、いつもどおりになってきたので、これなら会社に行けそうだと思った。