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自傷他害ではない、支援という可能性 -精神障害者の第3ルート-

下記内容は、あくまでイチ精神障害者の考えなので、これが全てとは思わないでください。僕は愚者なので、主に実体験からしか、何かを考え、伝えることができません。精神障害者の多くは、人生の中で不幸なことが起きた結果、心を病むのだと思います。そして、心を病んだ人の多くは程度問題はありますが、自傷か他害に向かっていきます。

数年前に父が急死しました。たまたま父が亡くなったことで、僕自身に少し余裕ができました。下記ブログに書いているように、僕はホームレスに関心を持った、人生の中での3つのことがありました。僕自身に少し余裕ができたので、ホームレス支援をしようと思い、思い立ったが吉日で直ぐに始めました。

参加当初は「支援という可能性」を意図していた訳ではないのですが、炊き出しなどでおじちゃん達と接する中、心を病んだ人が自傷や他害で自滅していくルートではなく、支援で自身が救済されていくルートもあるのではと気づいたのです。別理由により昨年に入ってから、ほぼ向精神薬を飲んでいない状態だったのですが、僕にとって、おじちゃん達と接することが精神安定に繋がったのか、健康維持できていました。その後、元主治医に相談し、正直に現主治医に、ほぼ向精神薬を飲んでいない状態を伝え、相談し、以前の半分の量を飲み続けています。結果、この4年半くらいで、薬が半減したのは、おじちゃん効果だと思っていて、本人達にも伝えています。笑

自傷に向かっていく人は、肉体的に精神的に自身を追い詰めていきます。一番最悪の形が自殺だと思います。他害に向かっていく人は、肉体的に精神的に他者を追い詰めていきます。一番最悪の形が事件や事故だと思います。僕の親代わりの片方は医療関係者なのですが、その人の持論なのですけれど、「自傷に向かっていく人は、優しい人が多いのかも」と言っていました。

別のnote(支援される側の勝ち組と負け組)に出てくるQさんは、精神障害者ではないですけれど、炊き出しなどで支援を受けていた当事者です。支援する側も人間なので、支援される側の他害度合いが強いと、支援の手からこぼれ落ちてしまいます。触法障害者という言葉があるように、触法してしまった精神障害者は刑務所や精神病院へ入ることになります。精神障害者の多くは、誰かや何かの支援なしでは生きていけません。なので、他害度合いが強いと、支援の手からこぼれ落ちてしまい、更に大変な状況に追い込まれてしまいます。

炊き出しなどで当事者と接する中、僕はスタッフよりも当事者に近い人生を歩んできている為か、当事者に感覚が近いことがわかってきました。感覚が近いので話が噛み合うことが多く、相手も同様に感じているのか、どんどん話しかけてくる当事者が増え始めます。今では、炊き出し公園で適当にフラフラしているだけで、誰かが何かを訴えてくるので勝手に情報が集まり、更に当事者への解像度が高まる好循環になってきました。理想を言えば、そういう情報が、他スタッフにも共有されていくと良いなと思っています。

度々、炊き出しなどで当事者の一部から「働ける場所があるならば、働きたい」と伝えられてきました。ある炊き出しで、連携団体の配布物を配る際に、カートを押す係になりました。空の段ボールができたので潰そうとしたら、少し傾斜のある場所なので、手を離すとカートが動き出してしまいます。たまたま、近くに知っているおじちゃんが居たので、「段ボールを潰したいから、カートを抑えていて欲しい」とお願いしました。そうしたら、近くに別の面識のあるおじちゃん達が何人か居て、僕が潰そうとしていた段ボールを潰そうとしてきました。なので、そのおじちゃん達に段ボールは任せ、「有難うございます。潰したら後から持ってきてください」と伝え、先へ進みました。

その時「炊き出し当事者も、精神障害者も、何かの役に立ちたい、誰かに必要とされたい、そういう気持ちがあるのではないか」と、明確に気づきました。それは「何かや誰かの支援を通して、得られるのではないか」と思ったのです。そして「何かの役に立てた、誰かに必要とされた実感が、僕自身の精神安定に繋がり、健康維持できた理由ではないか」と思ったのです。それ以来、当事者が炊き出し協力してくれたりしたら、今迄よりもハッキリと「有難うございます」と伝えるようになりました。

精神障害者も程度問題がありますので、全員に当て嵌まる訳ではないですが、少し余裕があるならば、何かのお手伝いや、誰かの手助けを通して支援を経験し、結果、自身が救済されるきっかけになるかもしれません。また、支援される側の経験しかない精神障害者も、支援する側を経験することで、両方の視点から見ることができるようになり、自分を支援してくれる人達とのやり取りに、活かせることになると思います。支援してくれる人達が、当たり前にしてくれることの多くは、当たり前でない努力などで、提供されていることが多いと思います。たまたまですが、僕はおじちゃん効果で薬が半減して、本当に良かったです。笑

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