見出し画像

大転職時代の処世術~世渡りの殺生は釈迦も許す~

昨年秋から始めた自伝マガジン「転職の魔女になるまで」も残すところあと3回で終了する予定です。就職氷河期世代として社会人になったひとりとして、これまでの軌跡を振り返り、好き勝手に自分物語を綴ってまいりました。

稚拙な文章のため、読みにくいところも多々あったかと思いますが、これまで多くの方にスキ、フォローをいただけたことを励みにして、いままで続けることができました。読者の皆様には、本当に感謝しております。

さて、今回は、転職をした後、会社で評価されるための処世術についてお話したいと思います。転職の成功は、希望する会社から内定書を受け取ったときに決まるのではありません。実は、本当に転職の成功が決まるのは、もっと後のことなのです。

+++++++

ここ最近では、どの年代においても転職すること自体が特別なことではなくなってきました。この流れでいけば、将来的には新卒で入社した会社に定年まで勤務する人の方が珍しいタイプになる可能性もあります?!

このことから日本においては、もはや終身雇用制度は完全に崩壊したといえるのではないでしょうか。そうなると次に気になるのが、今後の人事制度がどのように変わるのかということです。

現在では、ほとんどの会社が従来の年功序列をスライドさせて導入した目標管理制度(MBO)の人事評価制度を導入しています。(人事制度にそれほど詳しいわけではないので、間違っていたらご指摘お願いします)

この目標管理制度は、実は重大な欠陥があります。もうすでにこの人事制度のどこに欠陥があるのかがわかっていれば、あなたは会社で立派な地位にいる方だと思います。

ちょっと質問の仕方を変えますね。
あなたはどうしたら会社で出世(昇進・昇格)ができるか知っていますか?

✅一生懸命に、目標やノルマを達成したら出世できると漠然と考えていませんか?

✅自己研鑽してマネジメントやリーダーシップについて学べばいいと考えていませんか?

✅専門知識を習得するために、資格取得すればライバルに差をつけられると考えていませんか?

✅自分の実力はこんなものじゃないのに!なぜ社内で評価されないんだろう?と思ったことはありませんか?

残念なことに、会社員として真面目に一生懸命に仕事をしたとしても、正当に評価されるとは限らないのです。職場で理不尽なことは度々起こります。

あなたが会社員として評価され、出世を目指すのであれば、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

もし会社員として出世を目指していない人、つまり「求められる以上の仕事はするつもりはない」と思っている方は、これ以上先を読み進める必要はないと思います。私はあなたの生き様を尊重しますので、このページをしゃっと閉じてください。

+++++++

それでは、具体的に会社員として生き抜く処世術についてお話したいと思います。

本題にある~世渡りの殺生は釈迦も許す~ということわざをご存じでしょうか。ことわざの意味は以下の通りです。

仏教では殺生を禁じているが、暮らしを立てるための殺生であればお釈迦様でも許してくれるというわけで、生活のために必要ならば、多少あくどくなったり、過失を犯したりするのは仕方がないということのたとえ。

ちょっと過激なことわざですが、会社組織において殺生は、人事評価に置き換えることができます。目標管理制度を導入している会社であれば、業績評価に加えて、個人別の評価によって総合的に評価が決まる仕組みですが、その個人別の評価は公平で適正に行われていると思いますか?

もしもあなたが、「うちの会社では公平で適正に人事評価が行われている」と信じているのであれば、失礼ながらかなりおめでたい人です。まだまだ仕事に夢中になれる20代、30代なら話は別ですが、40代以降になっても会社の評価が公平であると信じていられるのは稀有な存在です。

会社への忠誠心があるのはわかりますが、さらに賢く世渡り上手を目指した方が、出世への階段は一足飛びに上がります。

では、賢く世渡りするにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、会社での人間関係の構築の仕方につきます。

ところで、新卒入社の時のことを思い出してみてください。あなたは会社のみんなから歓迎され、ビジネスマナーから仕事のやり方まで、先輩が手取り足取り教えてくれたのではないでしょうか。そして仕事に慣れてくれば、取引先の接待に加えて、仕事終わりに先輩や同僚との飲み会など職場での付き合いがあったと思います。

新卒の時は、社会人生活とはこんなものと疑わなかったとしても、遅かれ早かれ時が経過してくると、なんだか自分が思っていたのと違うかも?と思い始めるでしょう。

それが社会人としての自我の目覚めです。新卒で配属された部署が当初から自分が希望していた職種ではなかったり、仕事に適性を感じられなかったりすれば、今のご時世なら転職しようかな、と思うかもしれません。

もちろん転職することは働く人の自由ですし、第二新卒として募集している企業はたくさんあります。まだ何者でもない若者は、潜在的な可能性を秘めています。会社をいつでも飛び出せると思いながら、日々仕事に邁進しつつ、転職先を探していれば自然と気持ちが落ち着いてきます。

また、転職は現職での年収を上げるチャンスでもあります。そのためにも現職で輝かしい実績を上げれば、それを自己アピールに使うことにより、交渉を有利に進めることができます。

ただ、希望通りに転職ができたとしても、喜ぶのは早計です。その転職が成功したかどうか、本当にわかるのは数年後なのです。要するに、転職した先の会社組織になじみ、さらに出世できた時に転職が成功したといえるのです。

転職してから数年たてば、その会社の文化、上司や同僚たちの人間性などがだんだんわかってきます。特に上司との相性は極めて重要です。

納得いかなくても、会社員としての生命線は、あなたの上司が握っているということを念頭において行動してください。もっとシンプルに言えば、上司のことをお客様と思って接することです。

ミドルエイジ(40代以降)で中間管理職として転職した人は、職場での良好な人間関係の構築、会社への忠誠心は、プロパー社員と同化するレベルを保つようにしておくとよいと思います。

転職したら前の職場と比べてしまうのは当然ですが、それを転職先では一切口に出してはいけません。ずっと前から社員だったかのようにふるまい、その会社に溶け込むのです。完全には無理でも、その役割を演じればいいと割り切りましょう。

そのうえで仕事で成果をどんどん出していきます。そうすれば、あなたの評価が上がらないわけがありません。会社にとっても、あなたにとってもハッピーです。

本書のタイトルにあったことわざに話を戻すと、会社組織は下剋上の戦場です。上司は神様ではありませんので、自分の地位が危ないと思えば、あなたをいけにえに差し出すことも厭わないかもしれません。

世渡りの殺生は釈迦も許すとは、本意ではありませんが、自分が賢く生き残るための教訓なのです。

多くの会社が導入する目標管理制度(MBO)に潜むある欠陥とは、人が人を評価するという曖昧な部分です。先ほどいったように評価する上司は神様ではありませんので、好き嫌いや損得勘定で部下を評価しています。残念ながら、これは間違いない事実であり、会社員の宿命として受け入れるしかないのです。

もし私の言うことがどうしても信じられない場合は、次の書籍を読めば納得できるのではないかと思います。著者は作家であり、noteのクリエーターさんでもあります。

2021年1月27日初版
著者 中山 てつや氏
レコメンド⭐⭐⭐⭐⭐

本書の内容
キャリアコンサルタントの著者は、自身の体験をもとに、会社で生きていくためにはまずは上司の「好き・嫌い」に左右されないことが鉄則だと説く。
そんなことで人事を決められたり評価されたくはないが、この本を読み進めていくと、なぜ上司の「好き・嫌い」という個人的な感情が、仕事に影響するのか頷ける(自分のまわりにも仕事はそこそこなのに出世がはやい同僚、いつの間にか自分を追い抜いていく後輩がいるではないか……)。
会社でうまく生きていくためには、上司の癖を見抜き、方針の変換には柔軟に応じる。見ていないところで人を褒める、人事権は誰の手にあるか常に確認しておく。
もっとはやく知っていれば、自分の会社員生活は格段に居心地のいいものだったに違いない……、と思わせてくれる。
そしてまたこの本には会社員後のキャリアに役立つノウハウが多く詰まっている。第二の人生に向けて側に置いておきたい一冊。

+++++++

大転職時代が到来して、生き方が多様になりました。選択肢が増えると迷いも増えます。豊かで輝ける人生を歩むためにも、あなたの10年先、20年先のキャリアプランを思い描いてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
スキ、フォローいただけると、とても励みになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?