【small design】塔の家|東孝光
渋谷区の外苑西通り(通称キラー通り)の坂道を登ったあたりに、コンクリートの塔のような住宅がある
1966年に建築家の東孝光氏によって設計された自邸である
わずか6坪の敷地に地下を含む6層の床が積まれている
内部は壁から突き出た階段を介してほぼ間仕切りのないワンルームのような構成である
あまりの狭さに階段も含めて生活の居場所であったと聞く
極限まで無駄を省いてミリ単位での設計は文字通り私の目指すsmall designそのものである
階段や吹き抜けを通して光や風を循環させることで都会のど真ん中に小さくとも住み着くという意地のようなものを感じ得ない建築である
竣工当時は、当たりは低層の住居ばかりでこの建築は塔のような建築だったようだが今では周囲に高い建物が林立している
しかし、道路に面して角度を振った大きな窓が都市に対して開かれており都市に住み豊かさを感じられる住宅たらしめているようである
キラー通りを挟んで向いにはワタリウム美術館がある
落ち着いた雰囲気の街並みを楽しむ散歩ついでにぜひ訪れてもらいたい
ちなみに、この家で育った東孝光氏の長女さんの東利恵は設計事務所を引き継ぎ今でも建築家として活躍されている
間仕切りのないワンルームのような一風変わった住宅でも立派に子どもは育つのだろう
いや個性があるから立派に育つのかもしれない
写真はHPより引用しました
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