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〖本紹介〗傲慢と善良

こんにちは。15回目の投稿です。
2ヶ月ぶりの投稿となってしまいました🥲

就活やらなんやらで忙しい日々が続いていますが、大学も春休みに入ったので、また投稿を続けていけたらと思っています😌

最近とってもかわいいブックカバーを購入しまして。(アイコンにしてみました🕊)お気に入りのブックカバーを本につけると読書がより一層楽しくなる気がします☺️

今回紹介するのは、そんなお気に入りのブックカバーをつけて読み進めた、ずっと気になっていた辻村深月さんのこの本!



〖傲慢と善良〗
辻村深月

【あらすじ】

裏表紙より



【おすすめポイント】

①読者の感情をぐぢゃぐちゃにする物語の展開!

1冊読み終わった後に率直に思ったことは、この1冊で、何個の感情を使ったのだろうということでした。
喜怒哀楽はもちろん、この世の全ての感情を使いながら読んだ気がして、充実感がとんでもなかったです!

1冊読んだ後に、これは何小説ですか?って聞いたら、人によって全然違う答えが返ってくるんじゃないかなーと思います。
大きく見たら恋愛小説なのかもしれませんが、恋愛小説という言葉だけでこの本を表すのは難しい気がします。

500ページの中で、こんなにたくさんの展開を作れるのは本当にすごくて、辻村深月さんらしさ全開の1冊だなと思いました!

感情を揺さぶられながら読み進めてほしいです!


②心情の解像度がすごい!

私は辻村深月さんの本を読む度に、なんでこんなに人間の心情がリアルに描けるのだろうと思います。
言葉のチョイスが巧みで、楽しいとか悲しいとかいう言葉を使わなくても、その感情、あるいはそれ以上の感情がダイレクトに伝わってくるのが辻村さんの本の魅力のひとつだと思います😌

辻村さんの作品は今までにもたくさん読んできましたが、この本は特に心情の解像度が高いです!
リアル過ぎるというか、誰もがこういった感情を心に秘めているんだろうなと。共感できすぎで辛くなるシーンもありました😂

現実世界では、自分の心情だけしか分からないから、相手の本当の心情は分かるはずなくて。心の声なんて聞こえてこないし、聞こえたらたぶん困るんだと思います笑。

でも、本だとそれぞれの登場人物の心情をきめ細やかに描いてくれるので、お互いの胸の内を理解しながら物語を追っていくことができて。そこが面白いなといつも思います。

この本の中でも、同じシーンを別の人物視点で描いているシーンがあって。このときこっちの人はこんな感情でこの行動をとっていたんだなと分かった時に、同じシーンが全く違う見え方になります。
そういう意味ではどんでん返しがあるといってもいいのかなと!

登場人物の心情に注目しながら読んで欲しいと思います!


③傲慢と善良とは何なのか。

タイトルにもなっている「傲慢と善良」。

傲慢とは、高ぶって人をあなどり見くだす態度であること。
善良とは、素直で性質がいいこと。

辞書で調べるとこんな意味ででてきます。

この意味だけ見ると、誰もが善良でありたいと思うはずです。私も善良でありたいし、傲慢な態度なんてとっているわけないと思っていました。

でもこの本を1冊読み終えて感じたことは、自分が善良だと思いながらとった行動が、相手からしたら傲慢に見えることもあるんだなと。

それは逆も然りで、自分が傲慢だと思っていた行動が、実は相手には善良に見えていたりすることもあって。

傲慢と善良という言葉がこの本で登場する度に、傲慢とはなにか、善良とはないかを考えさせられます!

個人的に、この本のキーワードになっている言葉は「ビビっと」だと思っていて。
よく付き合う相手とか、一目ぼれしたモノとかに「なんかビビっときたんだよね!」って言うじゃないですか。
その「ビビっと」という言葉について辻村さんは深く書いていて。「ビビっと」と感じるのは何でなのか、相手や自分を点数化してるんじゃないか、自分に見合うかどうかで人を見ているんじゃないだろうか、そのこと自体が傲慢で善良なんじゃないかと。

今自分の周りにいる人は、いい意味でも悪い意味でも、自分の傲慢と善良の行動のもと集まった人なんじゃないかなと感じてしまいました。

まあそんなこと考えながら友人関係や恋愛関係を築くのは重すぎるし、やばい人だし笑。これから先も傲慢と善良を意識しながら生きることなんてないと思いますけどね笑。
でも色んなことをあらためて考えさせられる内容だっだなと思います!

あと、主人公である「真実(まみ)」と「架(かける)」という名前にも意味があると個人的には感じます。
名前を意識しながらこの物語を読んでいくと、また違った見方ができて楽しいのかなと!


とにかく!ここでは書き切る事のできないほどたくさんの魅力が詰まった1冊となっています!
500ページ程という、小説としては少し多めな分量ですが、あっという間に読み切ってしまいました!

ヘビーな内容ではありますが、終わり方はハッピーエンドに近い?ような気がするので(この終わり方についても色々語りたいところではありますが笑)、ぜひ真実と架の行方を見守ってみてください!

結婚相手や友達、就職先など、何かを「選択する」という状況に置かれている方にはぜひ読んで欲しい1冊となっています!

以上!【傲慢と善良】の紹介でした🙌

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