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優先順位以上にペース配分。1日のサムシングをどう並べるか。

16年前に他界した父を
僕は敬愛している。
今でも心の大きな支え。

数学の教師だった父は、
学生の頃、サッカー選手だった。

父がよく話していたのは、
数学の試験のとき、
始まりのチャイムとともに
どの設問から解いていくか、
ということ。

まず落ち着いて全体を見る。
分量と難易度だ。
時間の配分を考えながら
出来る問題から
丁寧に手を着けること。
1問目から順番にではなく、
ましてや高配点のものからでなく。
これは自分ひとりで解くのだから
時間配分は自由だ。

要は優先順位だけでなく
時間配分を決めること。
選択と集中の方式。

サッカー好きだった父の思考法は
その試合運びに似ている。
中盤でボールをキープしたとき、
敵と味方の選手をみて、どう動くか。
パスの渡し方、受け取り方、
どう展開すればシュートに
辿り着けるか。

限られた時間と、
限られたスペース、
与えられた条件のなかで、
瞬時の判断が求められる。
その状況下、自分は何を為すべきか。

1日は24時間、7時間の睡眠は必要。
オフィスワークなら
1日せいぜい7時間〜8時間。
時間には限りがある。
仕事には緊急度、重要度、
影響度、難易度などの尺度がある。
だから、手帳などで、
時間とタスクの管理が肝要になる。

父は、優先順位だけでなく
時間配分を決めることが、
好きだったのかもしれない。
戦国武将の如く、戦略戦術を
練るのが得意だったのかも。

これは数学的な発想なのだろう。
足し算と引き算、特に引き算の法則で
無理無駄を割り切って排除し、
合理的に物事を当てはめ、
難解なパズルのピースをはめていく。

息子である僕は完全な文系だが、
言葉選びや論理の組み立ての作業は
実に、数学的だと言える。
論理的思考や文章作成は
足し算と引き算の法則が当てはまる。
まずはアイデアや要素を
出すだけ出して、合理的に削っていく。
限られたスペースにはめ込む。

勿論、仕事は自分だけで
成立するものではなく、
チームワーク等で人が絡むから、
ままならぬことが多々ある。
でも、それも織り込みながら
柔軟に変化させるということも
サッカーの如し。

父は気分転換が上手だった。
珈琲、落語、ラジオ、クルマ、
歴史・時代小説といった
大好きなことを
仕事の合間や休日に
バランス良く取り入れていた。

これもまた、選択と集中。
仕事ばかりしゃ駄目。
遊びばかりでも駄目。

なかなか父のように
僕は賢く立ち回れないけど、
きっと配分調整を気にかけていけば
何とかなるだろうと思う。

そのときどきに渡されたボールを
そのときどきの判断で、
懸命に集中して考えて、
次のパスにつなげるだけ。

ときに「遅い」と言われても良い。
ときに「もっと考えて」と言われても。
ときに呑気さも、気を抜くことも必要。
完璧を求めるとつかれてしまう。
90分間のサッカーの試合に
身体がついていけなくなる。

父から譲り受けた、
ペース配分という考え方。

時間だけでなく、気力も体力も、
ペース配分が大切ということ。
今、そんなことを感じています。

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