slys2206

ずっと物語を描いてみたかったのでnoteでもやってみたいと思います♡ 眠れない夜、ベッ…

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ずっと物語を描いてみたかったのでnoteでもやってみたいと思います♡ 眠れない夜、ベットサイドに物語の宇宙があったら、いいな。

マガジン

  • Untold | 短編集

    短編小説 | 夜ごと紡がれるモノガタリは語られることはない。ある夜拾ったのは、迷子の猫みたいな女。時たま現れては、何もせずに帰っていく、ただそれだけの関係だったはずなのだが。眠れない夜に気ままに更新。ややオトナ向け。

  • 恋の名前 - 季節の短編小説 - 冬

    「オレ、恋愛アレルギーなんです」 恋を諦めたワタシが、恋ができないキミと、あの夜に約束したこと。 今日も頑張るワタシとあなたのためのベッドサイドストーリー

  • 【完結】雨の名前 - 季節の短編小説 - 夏

    短編小説|あの時あの季節の中で感じていた事。今のあなたの一部。 徒然なるままに日暮らし雨に名をつけ遊ぶなどすれど 音大受験を控えたユンギは、楽曲制作の恩師であるジュンに勉強も見てもらうことになっている。先生の研究室兼アトリエには、時折り年上の女性、アミが遊びに来るのだが… 18歳の夏。二度とは来ない季節に二人が織りなす恋。 今日もがんばるあなたと私のための ベッドサイドストーリー

  • Beside-あなたと私のためのベットサイドストーリー

    ルームメイトとチームメイト。 アナタならどちらの恋を選ぶ? 社会人7年目。忙しくも満たされない日々を過ごしていたアミ。今年の仕事始めも週末を迎え、いつものようにホソクの店でビールを飲み干していた。そこに偶然居合わせた青年を一晩家に泊めることになり… ほんの些細な出来事が、私の人生を変えていく。 日常に疲れたあなたとわたしのためのベットサイドストーリー #働き盛りで悩めるワタシとアナタへ #眠る前に少しだけ #少しずつ更新 #眠れない夜に

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雨の名前|Ep.1 雨恋|アマゴイ

あらすじ 18歳の夏。音大受験生のユンギは楽曲制作の先生に勉強も見てもらうことになっている。先生の研究室兼アトリエには、時折り年上の女性が遊びに来るのだが…。二度とは来ない季節に二人が織りなす音楽。今日もがんばるあなたと私のための、ベッドサイドストーリー。 Prologue 暑い、ただひたすらに、暑い夏 歴代最高記録を塗り替えるためだけに照り続けているような太陽 各所のラジエーターが性能限界を突破し 発生確率1%未満だった歴史的不具合を引き起こす 画面越しに映る、偉いヒ

    • Untold | #9 オニキスの嘘

      深夜の来訪者なんて碌なものじゃない。 「悪いな、ジミン」 「ヒョン…イマ何時だと思ってるんですか」 「お前はいつも起きてる時間だと思ってな。ここが1番近かったんだ。すまんな、ちょっと部屋貸せ。」 めずらしく余裕のない長兄が、女の人を抱えている。パートナーのレイラさんかな。ぐったりして、肩で息をしている。こんな真冬にホテルのバスローブで、急な発熱?そんなわけないか。 仕方がない。 追い返すわけにもいかない。 「靴脱いでくださいよ?」 「わかってる」 何があったのか聞

      • ゆめうつつ、そのどちらでもないもの|#1 ジンベイザメ

        「準備はいい」 「あぁ」 「急いでね」 「…本当に、残るのか」 「えぇ、それがワタシの役割」 「そうか」 彼女の黒曜石のような瞳が揺らぐ。 揺らいだように見えた。 揺らいでいたらいいな、という希望的幻想だったかもしれない。 海中基地の潜水艇ポートには、一体の、いや、一匹の大きなジンベイザメが姿を見せていた。 最新のホログラム技術を搭載した潜水艦は、海の中であろうと、擬態する対象を忠実に投影できる。 海中の戦車であろうと、美しく優雅で、ゆったりと水中を泳ぐ巨大なジンベイ

        • ゆめうつつ、そのどちらでもないもの | #0 ゆらぎ

          “見たことがある夢”というものをいくつか覚えている 夢は記憶の軽量化処理の過程で見えるエラーのようなものだという。脳は寝ている間、今日起きている時に五感が拾ったすべてのログを、重要なものと、そうでないものへ仕分けているのだとか。 だとしたら繰り返し見る夢があるのは不思議だ。 一度処理したものをもう一度処理しているのだろうか。何のために。 それとも全く同じエラーが起きるような事象の組み合わせに偶然にも遭遇しているのだろうか。 そもそも、夢を覚えているということ自体、記憶処

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        雨の名前|Ep.1 雨恋|アマゴイ

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        • Untold | 短編集
          9本
        • 恋の名前 - 季節の短編小説 - 冬
          2本
        • 【完結】雨の名前 - 季節の短編小説 - 夏
          12本
        • Beside-あなたと私のためのベットサイドストーリー
          17本

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          Untold | #8. 裏切りの果実

          「遅かったですね、社長。時間、ギリギリですよ。」 「あぁ、すまない。」 今夜の会場へ向かう車へ乗り込む。 秘書室長然とした装いの麗蘭には、まったくといっていいほど隙がない。 「今夜も完璧か?」 「ハイ、準備は問題ありません。あとは、先方が何を企んでるか次第ですね。」 「違う、僕の顔」 「…。」 怪訝そうに綺麗な柳眉を寄せる仕草さえ、いつみても完璧だ。 (それを崩せるのは僕だけだっていうのに。ねぇ?) 「何かコメントして。」 「…何か心配事でも?あちらにはわからない

          Untold | #8. 裏切りの果実

          ヒトリガタリ| #3

          今日もまたひどく散文的で少し気に入ったものが浮かんだので、これは忘れてしまいそうだからと書き留めようとしたが、あいにく記録媒体を持っておらず、忘れまいとココロに誓ったことばたちを忘れてしまった。 このところこの繰り返しだ。 メモリーが絶賛別のことに割り当て中であるゆえ仕方ないが、今のワタクシは何事も勿体無いし生産性が低い状態で甚だ遺憾である。 じゃない時に湧かしはじめるコトバ造幣局 折角の湧水を見す見す捨てる記憶管理局。 仕方がないので曖昧に紡いでおく。 残し始めれば思

          ヒトリガタリ| #3

          ヒトリガタリ | #2

          布団から出した手が驚いて戻る 宛ら二枚貝の触手 自分の顔は死ビトの様に冷たい トイレに向かう廊下 傘を持つ濡れた手袋 いっそ雪になってくれれば良いものを 睦月の雨の朝に吐くため息は重い 24/7-365 不特定多数の感情が沸いては消える “我輩ハ不安デアル” 小さな時からずっと側に居るな キミがいなかった時が思い出せないくらい ふとした夜 ふとした朝 幸せを感じた夜 幸せになりたい朝 何かにつけて存在感を示してくる キミはいったい誰なの “我輩ハ不安デアル” 自

          ヒトリガタリ | #2

          Untold | #7. 共感覚

          「ねぇ、ジンヒョン、落ち着いてよ…。」 「わかってる!でもなんであいつはいつまでも輪醒しないんだ!」 「まぁまぁ。たまたま、そういうエピックなのかもしれないし、ね?」 スラリとした背丈の二人組。 その身長をさらに強調するかのように、小さく整った顔立ち。 夕闇のスタンドバーで何事か話し込んでいる様子は、側から見れば神々しいほど絵になるが、その表情は険しい。 「でもこのままだとアミが…。」 「そうねぇ。だいたいが、初めて番う頃には輪醒するんだけど。」 「くそっ。だいたい

          Untold | #7. 共感覚

          恋の名前 | #2. 夏炉冬扇| カロトウセン

          足元に転がる無数の切っ掛け 当たりなしの紙縒籤 引いた紙縒の先が赤く染めてあったとしてもそれは 決して恋の端にはなり得ない ただ、それだけのこと *** 「さむっ」 慣れないマンションのエントランスを出て首を竦める。見上げた灰色には氷の粒がちらついていた。 寒くて仄暗い、師走の朝。 どうせ会社を遅刻するなら、もう少し寝てればよかったか。 昨晩の事を少しだけ逡巡しながら、ユンギは足を進める。 —思ったよりも面白いひとだった。 それに、他人の家で寝た割には、疲れが取れ

          恋の名前 | #2. 夏炉冬扇| カロトウセン

          Untold | #6. 甘毒

          —また ここに何度達したかは知らない。 熱は引くばかりかますます溜まるばかり。 ここじゃないもっと奥で、燻り、昂り、まるでアミを内側から焦がすように苦しめている。

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          Untold | #6. 甘毒

          Untold | #5.月光

          日が沈むのが早い— 繰り返されるこの星の巡り。 昨日とさして変わらない、些細な角度の変化。 それを、いつもより極端に感じる日の暮がある。 慣らされていたはずなのに— 弱く脆い生き物たちへ、この星からの慈愛。 無意識下で対応できるほどの変容を、気が遠くなる時間をかけ、与え、慣らしていく。 何故、急にどうして不安になる— 足下に少しだけ冷たい風が吹きぬけただけで。 いつもの木立の影が長いだけで。 秋の終わり、冬の訪れ、一年の終わり。 最も安堵すべき、この星の正確な周回を

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          Untold | #5.月光

          Untold | #4. ケモノの食事

          「ユンギさん、なんだか顔色良くなりましたね」 「ん?そうです?」 「ハイ、前回の打ち合わせで、今にも倒れそうだから、みんな心配してたんですよ。」 ははは、と終始和やかに打ち合わせが終わるのも そういえば久しぶりかもしれない。 体調が良いのは、単に眠れる時間が増えたから。 それはつまり、このプロジェクトも山場を越えたと言っていい。 「やっと一息つけそうですね」 「そうだな…」 体力的に限界を感じていたのは、どれくらい前だったか。 さっき倒れそうだったと言われた打ち合わ

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          Untold | #3.甘い疑念

          「アミ…いったい、いつからだ…?」 窓の薄明かりに浮かぶ シーツに溶けた汗ばんだ軟肌 幾度となく達した快感で 乱された浅い呼吸は、こちらを容赦なく煽ってくる

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          Untold | #2.蜜夜

          「は…んっ…」 「…甘い」 口の中に広がる甘美な感触。 粘膜同士の絡みつくそれは、何かのスイッチを切りながら、本質的な感覚を極端に呼び覚ましていく。 息ができないほど、深いところに堕ちていく感覚。 深くに繋がる場所を目指しながら、熱いものを交換していく。

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          Untold | #2.蜜夜

          Untold | #1.生存確認

          「なぁ、おまえさ」 「…なに?」 「なんでここにいんの」 「なんでって、何が聞きたいの」 「そういうの、めんどくさい」 「じゃあ聞かなきゃいいのに」 「そうじゃなくて…」 「なに」 「あぁ、めんどくせえ」 「ふっ」 「何笑ってんだよ」 「べつに、笑ってなんかない」 「今日、帰んの?」 「帰るよ」 「じゃぁ、何しにきたんだよ」 「べつに、何も」 「だったら…なんでここにいんだよ」 「さっきも聞かれた」 「ほんっとっおまえは…!」 「めんどくさい?」 「…。嬉

          Untold | #1.生存確認

          恋の名前 | #1. 恋の端 | コイノツマ

          pi pi pi pi pi 鳴っている。 生まれてから今まで、ほぼ毎朝聞いているだろう電子音。 こんなにも気持ちのいい場所から、強制的に、どこか遠い所へ連れ戻される儀式。 そこで目を開けるのは、あまりに苦しい動作であることを、夢の中の自分とて知っている。 あぁ、もう行かなくてはいけない。 どうしてだっけ。そんなに苦しいのに、なんで目を開けるんだっけ。 伸ばした手が寒い。危険だ、暖かいところにいるべきだ。 pi pi pi pi pi 条件反射的に伸ばされる手は、これ

          恋の名前 | #1. 恋の端 | コイノツマ