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ゆめうつつ、そのどちらでもないもの | #0 ゆらぎ

“見たことがある夢”というものをいくつか覚えている

夢は記憶の軽量化処理の過程で見えるエラーのようなものだという。脳は寝ている間、今日起きている時に五感が拾ったすべてのログを、重要なものと、そうでないものへ仕分けているのだとか。

だとしたら繰り返し見る夢があるのは不思議だ。
一度処理したものをもう一度処理しているのだろうか。何のために。
それとも全く同じエラーが起きるような事象の組み合わせに偶然にも遭遇しているのだろうか。

そもそも、夢を覚えているということ自体、記憶処理の過程で新な記憶処理を生んでいるということになる。そのおかげで夢を見ながら「あぁ、これは夢だよな」と気づけるわけだけど。

「なんだか効率が悪すぎるOSだね」
彼は笑っている

「記憶処理のゆらぎ。これこそ機械に再現できない人ゆえのロマンだよ」
彼女も笑っている

そんな夢を見たんだ。
たぶん、見たような気がする。


結末がわかっている夢

•夢故に、「結末」とはどこで目が覚めるのか?というブレイキングポイントを指すのであって、夢のオチそのものではない。そもそもワタシの場合、オチまで見せてくれる夢は少ない気がするのだが、皆さんはどうだろうか。
•このタイプの夢を見ている時に「あー、この夢ね、ここで終わるんだよね」と思いながら見ている感覚を覚えていて(夢を見ながら抱く感想は果たして感覚と呼んでいいものなのか?)その実、どんな夢だったのかは今は思い出せない。夢に見ている時は、その夢を「覚えている」と思うというのに。不思議である。
次にこのタイプの夢をみたら必ず物語として残したいので朝に執筆しなければ。決意だけは固い、けど実際に文字に起こせるかは自信がない。

共通する現象が起こる夢

•場面設定は都度変わるが、夢の中の自身に起こるイベントが共通しているタイプ。何種類か覚えているが、もしかしたらもっとあるかもしれない。次に見たら忘れずに追加する。

1.全速力で走ってるのにちっとも進むことができなくて苦しい設定
何かに追われてるか、何かに追いつかねばならないのに、というシーンでこの設定はかなりキツイ。最近は夢の中で「はいはい、この設定ね、早く切り上げよう、後がつらいやつだから」とがんばって目覚めることができることもある。ワタシも進化したものだ。

2.高いところを重力無視で飛びうつれる設定
ただしこの場合、いつもより高すぎるところから降りてしまって加速度的に後悔し、浮遊感(ジェットコースターの最初のアレ)から逃げ出すように目が覚めるオチがつく。

3.歯が大きく膨らんで話したいのにうまく話せない設定
口腔内の感覚などが異常にリアル。歯が次々と全部抜けてしまうバージョンもあった。何故この設定が度々起こるのかは未だに不思議。

4.話したいことがあるのに声がうまく出せなくて伝えられない設定
声を目一杯出してるのに音にならない、といったほうが近いかもしれない。なにかこう、空気がなくて振動しないから音が鳴らない、といったような感じで苦しい。でも誰かを助けたり呼び止めたりしたいわけではなく、自分に言いたい事があるのに、という設定なのがなんだかワタシらしくて恥ずかしい。

5.家族の誰かが私の言うことに全く聞く耳を持たない設定
悪事を開き直る、やってはいけないことを平然とする、陰で裏切っている、などのパターンが多い。現実にも起きうる最も最悪なパターン(現実では起きないと信じているが、いざ起きてしまったら立ち直れないライン)で攻めてくるところが悪どい夢である。

•これらはいずれも心疲労が大きい時に見ることが多く、見てしまうと目覚めた後にも身体的な疲労や痛みが残っていてツラい。(呼吸が浅くなってる、歯がすり減っている、など。)見てしまった朝は、疲れてんだな、と思うようになった。

目覚めた後、実際に体に起きることが共通している夢

•たとえば、高熱が出る夜に必ず見る夢など。
ワタシの場合それは「滑り終わらない蒸し暑いチューブ型の滑り台」か「おもちゃのゴミ捨て場のようなところで何かに追いかけられる」か「スケボーで夜のハイウェイのトンネルと廃ビルの階段を疾走する」である。いずれも「あ、これ嫌なやつじゃん」と見ていて思っている記憶がある。子供の頃は、このあと怖くなる、ピンチになるのがわかっていても、目覚める方法を知らなかったので、みすみす怖いシーンまで見続けてしまっていた。今は怖いところが来る前に起きることができる。夢の中でも自分の経験則を参照して、危機回避として起きれるようになるのだろうか。

夢タイプ

•ワタシの夢はフルカラー&フルサウンドタイプである。他にもモノクロだったり無声映画のようなタイプの人もいるというから興味深い。血液型をオープンにした会話が日本人にとってはポピュラーなように、夢タイプももっとオープンに話せたら面白いだろうに。友達や家族やパートナーとも、自分の見る夢の話をすることは少ない。

•見え方というのも様々あるとか。没入タイプ(まるでVRゴーグルをつけているかのような見え方)や、観客タイプ(自分が出演している映画を見ているような見え方)などなど。私は没入と観客が半々くらいかなぁと思っていたが、そういえば、俯瞰タイプ(幽体離脱してる位置から場面を見ている)であることが多い気もしてきた。いつか記録にして集計したいものだ。
みんなはどんなタイプなんだろう。

なんて、それっぽい書き方してみたけど、要するによく見る夢っていうのがありますよね、というのと、反面、けっこうよくできた設定で立派に物語が展開されるのに、そういう夢に限って続きは2度と見れないし、すぐ忘れてしまったりして、勿体無くて悔しい夢もあるよねと。

ワタシが考えたのではなく、ワタシの夢が創っていた物語は、一体誰が作者なのか。

夢小説への好奇心を少しばかり残しておきたいがための手記。

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