ぬかるみ派について

 加速主義や反出生主義など現在よく語られている現代思想について、批判的な言説はありふれているが、実際参照されている文献の飜訳はあまり進んでいない。そのため、それらの文献にアクセスできる一部の知識人の批判的言説が現代の論壇を席巻しており実際の思想的な本質は不透明なままになっている。我々はこのような状況を不当であると判断し、万人がアクセスできる言論空間を志向する。現代思想の論壇が新たな思想を安易に退け、単なるコンテンツとしてそれらを消費していくのだとすれば、我々は現在ある思想を整理し開かれた言論空間を整理する方向に動こう。加速する世界では新しいものが無限に興亡し、我々は〈今〉を観ずに〈先〉を眺めている。だが今本当に必要なのは現在というぬかるみに浸かり、立ち止まって考えることではないだろうか。我々は現在というぬかるみに積極的に浸かりこみ、現代思想ではなく現在思想のために加速する世界にぬかるみ(スラッジ)を打ち込む。そのためのぬかるみ派である。

 翻訳は随時noteに挙げていくので応援よろしくお願いします。

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