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書くことと仕事について考える

2003年にコーチとして起業してから、16年になります。

お陰様で、こんなに長く続けさせていただいていて、今後もお役にたてる機会が増える予感がしています。

最近は、同じくらいの年齢の方や年下の方から、「起業したばかりのころ、最初の仕事はどうやって獲得したんですか?」
という質問をなかなかの頻度で尋ねられるようになりました。

みなさん、今は会社員をしているけれど、社会的に副業をしないといけない風潮だったり、会社にしがみつかず自分を売りださなければいけない、みたいな風潮になってるけど、そもそも自分が好きなことやできることで起業した時に最初のお客様はどうやって獲得するのか?ということが切実に知りたい、ということのようです。

あまりにも最近その質問が頻繁なので、あらためて16年前の起業時を思い起こし、果たして私は一体なぜ仕事を得ることができたのだろう?と考えたのでした。

よくよく思い起こしてみると、私は起業してからというもの自分の仕事を直接営業しに行ったことが無いということに気づきました。

でも営業活動はしていた。

もうすぐ起業しよう、と思っていた段階で、知り合いがいないながらもどうにか知り合ったディレクターさん経由で名刺も頼んで作ったし、なんならレターパッドと封筒までロゴ入れて作ったりした。(レターパッドと封筒はロットが大きかったことと、しばらくして屋号を変更したので大量に余らせてしまったけれど…)

今考えてみると、個人事業でやっていた自分にロゴを作るなんていうのは見当違いだったわけで、自分の名前と本人の信頼感の方が大事じゃん、って、今になってみればわかるけど、まったく何もわからないまま言われるままに(そそのかされて?)ディレクターさんの言う通り作ってみたけど、なんかピンと来なくって。

16年前はまだコーチングという手法や、コーチ人口は圧倒的に少なくて、
「なにか悩みはありませんか?」「こんな悩みや困りごとありますよね?」っていかにも胡散臭いので、自分から営業しに行くのはなんだかおかしいし怪しい。

やっぱり自分ってどんな人物なのか?っていうのがわからないと、こんな怪しそうな仕事は引かれるだけだよな〜と思ったのだよな。

そこで、自分でできそうなことは片っ端からやってみようー!ってことで、まずは自分の紹介を世界に向けて行うことにした(笑)。

世界っていっても日本語だから日本人向けって感じですけど。

私は1971年生まれで、90年の大学に入学したくらいの時はたしかパーソナルコンピューター(PCのこと)はまだ高価で、私は卒論などに使うからと最初に自分で買ったのが富士通のOASISっていうワードプロセッサ(PCではない、ワープロ機能しかついていないけどプリンタまでついた文書作成のみに特化したマシン)で、キーボードに触るのはとても好きだった。

大学ではインターネットに繋がる世界がすでにそこまで来ている、ということは知っていたので、就職してすぐMicrosoftのWindows3.1の入ったパソコンを買ったのはよく覚えています。

だって、ワンルームの部屋にはテレビは無いのにパソコンはある。(そしてわりと大きめ)インターネット回線を引くのも高かったので、ニフティのパソコン通信に加入してダイヤルアップで通信していたのも懐かしい思い出です。
その時、全然知らない見たこともない、遠くの人と共通の趣味だけで繋がりができて、普通にチャット(通信?)しているのがリアルなんだけどバーチャル空間にいるようで、なんだかとても興味深い体験だったんですよね。

仕事も忙しくて寝るだけしか帰ってこれない部屋だったけど、PCは新しいのが出るたびになぜか欲しくて買い替えていて、飲食業で働いていたわりには意外と先端で詳しい方だったような気がします。

Windows95になってからはインターネットが急速に加速して、パソコン通信じゃなくてMicrosoftの付属ソフトのOutlookでメールを使うようになって、Windows98からはSo-netに加入して、PostPetを使うようになったりしました。

だんだん外の世界と繋がる方法も多くなってきて、相変わらずテレビは無いけど、ネットはある、みたいな生活だったので、退職して起業後もネット環境はあったから、なにかを発信するにはインターネットにしようと気軽に思えたのかもしれません。

当時、ブログという概念すらなかった中、ちょうど楽天広場という楽天が運営しているサイトに日記(ブログ)機能がついたページやホームページを個人で運営できるということを知り、これだ!まずはここでなにか自分がやっていることを発信してみよう!

と思って、「コーチングについて」とか「自分のライフスタイルについて」とかを発信することにしました。

特にライフスタイルについては今までの業界が、利益と効率を追求しまくる実力主義のfast業界だったので、それはそれでコツを掴んで成績も残せたけれど、永続可能なものには思えなかったので、反動で福岡の田舎に移り住み、自然環境を楽しんだり、畑仕事に没頭するようになりました。

前職を辞めてから起業するまでの1年間は、いろんな習い事に行ってみて勉強しまくりたいと考えていたので、わりと計画的に退職しました。

全国転々と転勤する仕事だったので、当時は知り合いがほとんどいなくて、様々な習い事をする中で知り合いができたり、本当は好きじゃないけど異業種交流会みたいなものにも2回くらいいったかな?

似た境遇の方(起業したばかりの個人事業主)からお試しみたいな依頼を受けたり、その方からの紹介でカルチャースクールの講師をしてみたり軽く仕事はしていたんだけど、とにかく前職が忙しすぎたので、

これからは、slowに人生の一瞬一瞬を味わって善く生きていきたいと思ったのでslowplus.という屋号にしたし、発信することも身のまわりのことしかなかったので、

畑やアウトドアの「ライフスタイル」と「コーチング」について、楽天ブログに発信するようにしました。

実はそこから次々とコメントや問い合わせが来るようになり、初めてのパーソナルコーチングの顧客は楽天ブログのメッセージ経由でしたし、NHKの取材も来ましたしそのやりとりもメッセージ経由でした。

最初のクライアントは経営者でしたが、「福岡 コーチング コーチ」とかで検索したら、当時はコーチの数は少なかった中、何人かコーチが出てきたけれど、みなさん似たようなスーツ姿と堅苦しい先生然とした内容の中、私だけはとっても異質だったとか。。。

私の「経歴」と「ライフスタイル」が他のコーチとは明らかに際立って興味深かったので、せっかくだったらおもしろいコーチに依頼したいと思ってくださったそうな。。

そこに書いた「経歴」は
大学で何を学んだか?
それはなぜか?
そこからなぜ前職に就職を決めたのか?
その後なぜコーチになろうと思ったか?
を書いていたのだけれど、そこに1本筋が通って見えたということのようだったし、

「ライフスタイル」は
畑仕事してたり(ワイルド)
近所の海に入っていたり(わんぱく)
おしゃれな野菜の料理をアップしている(意外とちゃんとしてる感)
がおもしろい!と思ってくれたようで、地に足のついた個人として仲良くなりたい人、と思ってくれたんだそう。

楽天広場(その後楽天ブログに名称変更)では、コーチングに興味のある方が意外といてやり取りはできたんだけど、なんか私の時間やノウハウを搾取したいだけのような人も多くて、自己都合の質問ばかりしてこられる虫がいい人たちとのやりとりも面倒になってくるようになります。
(申し訳ないけど私は人の話を聴くのを仕事にしているので、無料相談ではないぞと思ってしまった)

その時、ふと感じたのはネットでの関係の面倒さよりも、この素人っぽいデザインが(それが親しみやすさ優先の楽天の戦略だとはわかりましたが)、このように安っぽい関係を作っているんだということでした。

当時はブログできるのがそこしかなくて、便利に使えていたけど(しかも無料で!文句つけてごめんなさい)もっとページデザインが素敵なイケてるところにブログを移転すればなにか違う展開になるかな?と思って次のところに移動しました。

そうすると、同じ内容を書いてもなんでもキレイに見えてブログを書くのがますます楽しくなりました。

そうしていく中、やはりブログ経由で学研の家庭菜園の雑誌から取材の申込みが来たり、畑仕事のライターの依頼がきたり、コーチという仕事をしている女子も農業してる、っていうのが面白かったようでテレビの取材もきました。

考えてみるとどれも全部、ブログで発信していたことに由来する依頼され方です。

どちらにしても文章や写真で表現するのはもともと好きで苦にならないので、発信することに対してのハードルが低かったので、Twitterが始まるとすぐiPhoneに変えてTwitterしていたし、Instagramが出たときもすぐ写真の記録用に発信。

8年前に畑を持ち主さんに返却しなければならないことになり、畑仕事をやめることになった時には、ライフスタイルよりも仕事をしっかりしようかな!と考えました。

依頼の幅を増やそうと思ったときにはFacebookが役立ちました。
私の場合、仕事柄、名刺交換する相手はほとんど経営者なので、みなさん普通にFacebookのアカウントはお持ちなので、すぐに友達申請をすることができます。

私の名刺を見てもいったいなんの仕事をしているかわからないでしょうけど、相変わらずライフスタイルを多めに発信する私の投稿が目につくところに入ってくれば、悪い人じゃなさそうだと思ってくれたり、発信内容によってはマジメなところもあるんだな、とご理解いただいたり、へえ、そんな仕事もありなんだ?と思うような仕事のことも書いていたりすると、だんだん私のことをわかってくれる人も増えて、ご依頼はすべてご紹介になりました。

なにかご縁があって、名刺交換をして、私の発信するものを見ているうちに、自分のまわりの人がなにか組織づくりのことや今後の方向性などで悩んでいて、誰に頼んでいいかわからない!ってことになったら、ふと、「あ、いい人知ってるよ、忙しそうだから受けてくれるかわからないけど紹介しようか?」ということになり、メッセンジャー経由でこんな人がいて紹介したいんだけど…、とご依頼がくる。

いつも思うのは、多分どんな仕事にもある程度需要があるんだけど、それを探している人は、提供してくれる人を探すことができない、っていうマーケティングに関するミスマッチがあるんじゃないかな、ってことで。

フリーランスでなおかつサービス内容が「あなたに来てほしい」というタレント的なビジネスモデルなので、ご紹介が一番お互いに都合がいいわけですが、そこに行くまでに、私がとっていた戦略は思い返してみれば常に最初から最後まで「文章を書いて発信する」ということのみだったな、ということにはっとしました。

私のFacebookは「いいね」を押しにくい戦略をとっていてとても排他的です。
見たい人は見ればいいし、見たくない人はブロックすればいい。
ネガティブなことは書かないけど出てくる文は長いし、自分の気付きなんかをちょいちょい投稿している。

そんなのはTwitterで書けばいいんだけど、私が届けたい人達(経営者)はあれこれチェックする時間がないことがほとんどなので、クリエティブなお仕事の方以外はTwitterはあまり開けてないみたい。

そのかわりFacebookは取引先の関係上、やりとりがあるのでよく見てる。

でも、タイムラインで流れて行くような情報じゃ足りなかったり、前に戻ろうにも探しようがなかったりする。

名刺を交換した時にあら、なんかいい感じ、と思えたリアル情報をさらに調べるためにみなさんWEBサイトを見て、ブログやその他、長文で発信されていることを読み込む。

興味の無い方には、めんどくさすぎて読まないことでも当事者だったり興味のある人のだったら、文章は長く書いてあればあるほどその人の本音や考えがわかるので、思わず読み込んでしまって、今後どのような付き合いにしようか、と考えてくれる。

だから私にとっては拙い文章だったとしてもコーチだから「気づき」や「行動」「チャレンジ」を投稿し続けることで、リアルの私がイメージできて依頼したい人にとって信頼に足る人なのか?合うのか合わないのか?を相手にジャッジしてもらえる、とても大事な生命線のような気もするのです。

だから、このnoteを見つけてすごく嬉しくて、WEBサイトについてるブログの代わりにここに発信していこう、と最近思った次第なのです。

ヒカル





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