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小学生のためのマーケティング寺子屋「価値のはなし」その1

小学生のみなさん。「価値」ってわかりますか?

「この絵には100万円の価値がある」とか「お前の価値なんて虫けら同然だ」とか、いろんな場面で使われていますね。デジタル大辞泉で調べてみるとこんなふうに書いてあります。

かち【価値】 
1 その事物がどのくらい役に立つかの度合い。値打ち。「読む価値のある本」「価値のある一勝」
2 経済学で、商品が持つ交換価値の本質とされるもの。
3 哲学で、あらゆる個人・社会を通じて常に承認されるべき絶対性をもった性質。真・善・美など。

すごく簡単に言うと、価値=役に立つかどうかのものさし、ですね。みなさんのまわりを見まわしてみると、価値のあるもの、ないもの、いろいろあるんじゃないでしょうか。お金、価値がありますね。プレステ5、めっちゃ価値ありますね。お宝カードなんかもものすごく価値があるでしょう。反対に価値のないものは?生ゴミ、0点のテストの紙、賞味期限の切れた食べ物。価値のあるものにくらべて価値のないものは少ないと思います。もし、おうちに価値のないものがたくさんあったら捨てないといけませんね。断捨離っていうやつです。

きょうみなさんと考えたいのはこの「価値」についてです。さっきは家にあるものを価値がある/価値がないで分けてみましたが、その分け方って絶対に変わらないでしょうか?価値があるものはいつでも価値がある。なにがあっても変わらない。本当にそうでしょうか?

想像してみてください。あなたが無人島に流されたとします。プレステ5に価値はあるでしょうか?電気がない場所では当然ゲームができません。眺めるしかないですね。眺めてるだけで楽しいという人もいるかもしれませんが、おうちでゲームをやっている時よりは確実に楽しくないです。ゲーム機なのに楽しくないということはつまり価値がないということです。

無人島での想像つづけます。島には食べられるものがなにもありません。あなたはお腹がぺこぺこで死にそうです。ふと、リュックサックに何かがあることに気がつきます。見てみるとそれは「賞味期限の切れたパン」でした。賞味期限が切れたのは昨日で、カビも生えていません。どうしますか?食べますよね。腹ペコのあなたはこのパンによって命拾いしました。おうちでは価値のなかった賞味期限切れの食べ物が、無人島では価値を持ったということです。

無人島にいる腹ペコ状態のあなたの前に「期限切れパン」と「電源の入らないプレステ5」があって、どちらかひとつを選びなさいと言われたら、ほとんどの人はパンを選ぶんじゃないでしょうか。おうちにいるときと無人島で、価値が逆転したのです。

 場所によって価値が変わるふしぎ
  おうちでは、 プレステ5 > 期限切れのパン  
  無人島では、 プレステ5 < 期限切れのパン

おうちと無人島では、ものの価値が変わります。そのものがある場所によって価値が変わるということです。

「でも無人島なんか行かないよ」という声が聞こえてきそうですね。いえいえ、現実的な場所でもこんなことがあります。コンビニで買うと140円くらいのコーラが、

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なんと500円で売ってます!高いですね。でもこの値段でも売れるのです。なぜか。

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ここが富士山の頂上だからです。重たいジュースを持って登るのは大変ですよね。誰かが運んでくれたのを買ったほうが楽です。だから高くても売れる。500円出しても飲みたいという人がいる。中身はまったく同じなのに富士山頂のコーラには500円の価値があるということです。

価値について、これだけまず覚えてください。

ものの「価値」はそれが「どこにあるか」によって、大きくもなるし小さくもなる。

プレステも、パンも、コーラも、その価値はまわりの環境によって変わります。そのモノとまわりの関係性が価値に影響するのです。


話は変わるようで変わりませんが、もしもあなたが「クラスのみんなとくらべて自分はダメだな」「人気もぜんぜんないし」「先生にも叱られてばかりだし」「自分なんて価値がないな」と思っていたら、このことを思い出してください。

場所によって価値が変わるのはモノだけじゃありません。人間だって同じです。とっても強いお相撲さんでも、Jリーグではぜんぜん活躍できないでしょう。反対に、スーパーで働くごくふつうの店員さんがYouTubeの世界では大活躍することもあります(ヒカキンさん)。たとえ学校ではさえなくたって、あなたの価値が輝く場所はきっとあります。

小学生では自分の居場所を変えるのは難しいかもしれないけれど、そのうちできるようになります。居場所を変えることができるということは、自分で自分の価値を変えることができるということです。

だから、いまの状況だけで自分の価値を決めつけないでください。それから、無理矢理でもいいから自分の価値を見つけてみてください。何もないなんてことは絶対にありません。まず、これを読んでいる時点であなたは生きている。それはものすごい価値です。奇跡のような価値です。歴史上のどんなにえらい人有名な人もみんな死んでます。彼らに聞いたらきっと「生きててうらやましいな」と言うことでしょう。そんなにすごい価値をふだん誰も気にしないのは、まわりもみんな生きているからです。でもほんとはすごい価値あることなんです。

話の脱線が止まらなくなりそうなのでこのへんで「価値のおはなしその1」をおわりにしたいと思います。






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