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フライフィッシング 歳事記

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釣りエッセイです。毎月1回その月の何かをテーマに、書いています。
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#渓流釣り

6月_ 梅雨の合間の深山の気配[フライフィッシング歳時記]

兄から「お前、フライフィッシングをやってみたら」と勧められたて始めたこの趣味。しばらくしてたまたま会社の後輩のK君が釣りキチだと知った。 彼は海釣りがメインだったが、半ば強引に渓流に誘い込んだ。 彼は餌釣り、僕はフライ。互いの釣法に向いたポイント(狙いどころ)を攻めながらあちこちの渓流をさまよった。 しかし彼とて川は素人。二人合わせてもつ抜けできない(一桁の意味)釣行だった。 そんな釣れない僕たちの事は職場でも知られる所となり、そのおかげでとんでもない渓流釣りのエキスパート

5月_鯉は渓では外道なのです [フライフィッシング歳時記]

5月は連休で始まる。 最近は不景気のせいもあって、家族サービスを近場で済ますお父さんが多いそうだ。 例にもれず我が家もそうした。 渋滞の時間をさけて、開園前に到着したのは山間部のファミリーパーク。 ここは広大な敷地の中に、各種遊具施設、巨大なジャングルジム砦、池などが在る。 公営なので料金が安く、子育て世代では言わずと知れた存在だ。 だから混む。 ゴーカートに乗るにも30分待たされる。 並ばされるのに疲れたところで、池のほとりにやって来た。 こう言う施設の池に必ず在るのが鯉

4月_オオクママダラカゲロウ [フライフィッシング歳時記]

かなり昔の事だけど、会社勤めしていた時 職場の同僚達としたお花見で、エライ騒ぎに巻き込まれた事がある。 いや、正しくは、巻き込まれたのでは無く、巻き込んだ?のだ。 事の張本人は僕。どうもアルコールが入ると気が大きくなってしまうフシがある。 大いに盛り上がってほろ酔い気分。夜間照明が落ちて、どこの宴会もお開き。僕たちも帰り支度を始めた頃、茂みの向こうで数人のグループのケンカが始まった。 初めは皆んな無視していたが、多勢に無勢の余りに一方的な状態がかなり深刻な事態に思えて、 「