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Worth salt、塩の価値がある=人在[物語のある英語 Vol. 27]

塩は人間の生命に欠かせない物質だが、なぜWorth salt (塩の価値がある)で「平均点の人材」なのか。砂糖なら良いのだろうか??


1.Worth salt = 給料分の働きはある=人在

昔、塩は給料として支払われていた。給料分の仕事をすれば当然給料分の塩はもらえる。故にWorth saltとは給料分は働ける人という意味で使われる。


We decided that you are worth your salt, and you can stay on as office clerk.
(あなたは支払う給料分の仕事ができる人だと思うので、事務員として採用します)  
You're not worth your salt. Pack up!
(あなたは給料分の働きをしない。荷物を詰めなさい! =クビ)

worth saltは「有能な人」として約される事が多いが、SLOVARは平均的な人材という解釈をする。よく4つの人材という言葉を聞くと思う

1.人財:もらう給料の何倍もの価値を生み出す人
2.人材:もらう給料分の価値は生み出せる+今後成長が期待できる人
3.人在:もらう給料分の価値は生み出せるが、成長が期待できない人
4.人罪:もらう給料分の価値すら生み出せない人

ネットが発達する前の時代なら、「人在」でも大いに良かった。一度仕事を覚えてしまえば安定だったからだ。「人在」は平均点だ。みんな平均点で良かった時代が会った。しかし現在は変化が激しすぎる。常に学び直しが求められているため、「人在」の席に居座り安定することは容易に「人罪」に転落することを意味する。2019年においては、worth saltくらいの「人在」は平均点を下回っているのだ。

ちなみに「人罪」は何と言うのか?

2.Not worth a fig (いちじくの価値すらない)
 =人罪

Give a f***という表現がある。これは「気にかけない・1秒でも気にする価値もない・どうでもいい」という意味だ。日本語でも英語でも汚い表現は避ける傾向があり、それゆえ精神的ダメージの大きい表現は婉曲される。F***は英語で一番汚い単語なので、Fから始まる他の単語、例えばイチジク(Fig)なんかに置き換えられたりする。

ということで、not worth a fig は「1秒でも気にする価値もない」という意味になり、少々辛口な言い方になるが、4つのジンザイで当てはめたら、「人罪」に値すると言えるだろう。


3.Take ...a grain of salt  (塩1粒分)を取る =人罪の扱い

それゆえ、「人罪」は周りから良い待遇を受けない。例えばTake a grain of salt (塩一粒分の扱い)を受けるハメになる。

日本語でも相手を罵倒する時「カス」「アリ」「米粒一つの価値もない」など、非常に小さいものに例えて言う。英語ならSaltだ。なぜか?Saltが給料だったことを思い出すと、その1粒分は1円未満に相当するのだろう。

I’ve seen the article, which I take with a grain of salt.
(マジでどうでもいい記事を見た。)


以上が塩と物の価値に関する英語表現だ。塩が給料だったことから来ており、歴史の長さを感じることができる表現たちだ。

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。