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Water off a duck's back=効果がない。[物語のある英語 Vol. 28]

直訳したら「アヒルの背中に水」なのだが、「効き目が無い」という意味になる。実はアヒルの毛繕いと関連が深いのだ。今日はこれを含めた、アヒル関連の表現を3選お届けする。


1.Water off a duck's back =効き目がないのは油のおかげ

アヒルはなぜ浮くか?その答えは毛繕いにある。アヒルは首の後ろから油が出るようになっており、その油を全身に塗ることで浮くことができるのだ。油は水に浮くというのを、どういうわけかアヒルは知っているらしい。

油が水に浮くのは、水を弾くことができるからだ。水辺で生活しているアヒルに、なおかつ全身を油でガードしているアヒルに、水をかけても効き目は無いのでWater off a duck's back で「効き目がない」という意味になる。

I've told him that he's heading for trouble, but he doesn't listen - it's just water off a duck's back.
(困ったことになるからやめておけと言ったのに彼は聞かなかった。まるでカエルの面に水だ)


2.Take to like a duck to water ができる=才能の発掘

できないと思っていたことに挑戦してみたら意外とできたということはないだろうか?例えば、自分には絵の才能がない...と思っていたけどいざ描いてみたら皆から褒められたなど。これがTake to like a duckだ。

Take toで~を身につけるという意味だ。like a duckでアヒルのように。アヒルの子は初めて水に入れてもすんなりと泳げる。生まれつきアヒルだからだ。

She took to dancing like a duck to water.
(彼女は踊りの才能を見つけた→初回から上手に踊れた)


3.Play ducks and drakes with = 無駄遣いする

Drakeはオスのカモのことだ。アヒルの様に遊ぶというこの表現はアヒルたちの呑気な様子から来ている。水遊びだ。人間の視点から見たら、水遊びしていてのんきな奴らだなと思うし、毛繕いは暇つぶしにも見える。彼らは時間を無駄に使っているように見えるのだ。そんなわけでPlay ducks and drakes withは無駄遣いするという意味になった。

I played ducks and drakes with his money.
(彼のお金で豪遊した)

のように、何のためにもならない無駄な消費をした時に使う。



毛繕いはアヒルからしたら死活問題だ。全身に油が回らなくなったら、その時が溺れ死ぬ時だ。しかし人間の視点から見ると、遊んでいるように見える。同じ習性から違う意味を持つ表現が生まれたのが興味深いと思う。

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。