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[バリュー]マックスバリュー、よく見るけど、どういう意味?(ハートに刺さるカタカナ英語解説 Vol.3)

日本で北海道から沖縄まで全国展開しているスーパーマケットは唯一「マックスバリュー」だけであり、723店舗もあるそうだ。よく見るお店の名前でも、意味までは知らないことが多い。例えば、MaxValueの「Value」など。今回はValueという単語を入り口に英語の理解を深めていこう。

目次

1.日本語に言い直したら「価値」+MaxValueのロゴのVが跳ねている理由
2.元はフランス語で更にその前はラテン語だった
3.英語の「Value」の使い方
4.値と価(價)の違い (SLOVAR的解釈)
5.Valueと価値の違い (SLOVAR的解釈)

*本記事は「シルバー記事」です。記事等級についてはコチラから。
https://note.mu/slovar/n/nd175096a55aa

*本プロジェクト詳細はコチラから
https://note.mu/slovar/n/nc5faf988afa4


1.日本語に言い直したら「価値」+MaxValueのロゴのVが跳ねている理由

Max ValueはMax (最大化)+Value(価値)なので、「価値を最大化する」という意味合いになる。

あのVがはねているロゴには、「期待を超える新しい価値をお客様に提供し続ける姿勢」が反映されているらしく、ValueのVが枠からはみ出ている感で価値の最大化を表現していると言えるだろう。明日使える豆知識として覚えておくのも良いかも知れない。


2.元はフランス語で更にその前はラテン語だった

Valueという単語はフランス語の「value」という単語から来た。見ての通りスペルは同じなので、英語はこの単語を丸パクリしたと言えるだろう。

更に足跡をたどっていくと、「良い」「強大な」を意味するラテン語の「valere」が元であったことに行き着く。なるほど、確かに価値というものは基本的には良いものだし、強大であれば有るほど良いと言えるだろう。ということで納得がいく。

3.英語の「Value」の使い方

英語でも日本語と同じように「価値」の意味で使用する。

The value of the painting has been put at £1 million.
(その絵画の価値は百万ポンドとされた)

日本語の価値とそっくりそのまま一緒だ。英語の言い回しとして、Valueとput (置く) at (に)の相性はよく、組み合わせれば、価値を置く=価値を見出す的な意味で使用できる。


そうすれば、「put a price on=値段をつける」となるのもうなずける。

You can’t put a price on happiness.
(幸福には値段がつけられない)


また、Core(=核心)と一緒に使われることで、「価値観」も意味する。

The logo reflects the core values of the supermarket.
(そのロゴはそのスーパーマーケットの価値観を反映している)


更に、動詞としても使え、この場合「大事にする」という意味になる。

Shelley values the sportsmanship .
(シェリーは公正にスポーツをすることに重きを置いている)


面白いことに、形容詞として使われたら、「安くて満足感が高い」という意味になる。言い換えたら、「お値段以上」にもなるだろう。

The lunch special is really good value.
(このランチスペシャルは本当にお値段以上だ)

最近家電量販店では「バリュー商品」という言葉をよく聞くようになったが、まさにバリューがこの意味で使われている良い例だ。

4.値と価(價)の違い (SLOVAR的解釈)

漢字を解釈していく。

価の旧字体は價で、漢字に貝が含まれている。貝は昔貨幣として使われていたので、「物がどれくらい役に立つかを金銭的な量で示したもの」と説明できるだろう。

値は「直線」に見られるように真っ直ぐさを示す「直」という字が含まれている。つまり、長さ→量と繋がる。

さて、値も價もどちらも、「量」という点で共通しているが、價の方は「特に金銭的な量」という意味合いがある。よって、「價」は「値」の一部であると言えるだろう。この部分の説明は頭が混乱しそうになるが、それを分かりやすく説明した内包関係の図を見てもらいたい。「價」は「値」に含まれるのだ。

4.Valueと価値の違い (SLOVAR的解釈)

そう考えると、日本語で言う価値という言葉は金銭以外の価値も幅広く含みながらも、主眼は金銭的な価値にあるように思える。

一方で、Valueは「良い」「強大な」がベースになっているので、お金の要素が薄そうに見える。つまり、英語のValueほうがより守備範囲が広いと言えるだろう。

日本語では、その人が大事にしている考え方を表す時に「価値観」と言うが、「価値」ではなく、わざわざ「観」という漢字を足さないといけない。決して「私の価値は友人関係です」とは言えないだろう。一方英語では、Coreを足すことも有るが、別にCoreという単語無しでも「価値観」の意味合いで使える。「I put my value on friendship」のように。

ということから、日本語の「価値」という言葉には精神的な価値の意味合いが元から弱かったのではないのかとSLOVARは推測している。


まとめ

ということで、「価値」と「バリュー」の超微妙なニュアンスの使い分けにこだわってみてはいかがだろうか。

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。