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LOVE CINEMAS

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小説です(連載中)主にひょんなことから出会ったカタコトとぺらぺらの物語。
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第一話「書くよりは産むが易し」 これはペン太を信じた人間、もしくは知らなかった人間、そして信じてみようとした人間がもたらした神の啓示である。(改訂版) 男は言った。 何だか思いだしたように白鯨について考えていた。 映画の白鯨。 おおまかにわけて エイハブ、スターバック、その他。 このみっつ。 スターバックは白鯨を「鯨」だと受け入れた。 「鯨捕りが鯨を捕らないでどうする」 と、最も人間を人間足らしめる理由をもって白鯨に向かう。 これは信仰。 その他は白鯨

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第二話「ラズベリーケーキはいかが」 僕は病院にいる。 詳しく話さねばならない。 28日前 「書くよりは産むが易し」 本文 ending その後 --------------------------------------------- [ラズベリーケーキはいかが?] ---------------------------------------------- 「今の気持ちを誰に伝えたいですか?」 僕は緊張の中ぼやけた世界にいた。 授賞式だ。 僕が書

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第三話『沈黙は破られた』 わたしは大学のOBである諸先輩に会いにいった。いわゆる飲み会。そこで何を話したかと言うとわたしが高校時代、総合人間化と言う科目のフィールドワークで神父さんに「あなたは神様を信じていますか」と問いかけた時のことだ。 そこでガイコクジンである彼は笑いながら答えてくれた。力が強い人、頭が良い人、その上澄みを拾っていけば神様になるとの趣旨の話だった。Eagle Brotherという曲もある。鷹の目もいわば神様の与えた神の一部なのだろう。 そこで諸先輩方

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第四話『イルカに乗った少年』 「ふぅん、君が言いたいことは私のことが好きってことね。」 時はさかのぼる。 僕の名前は長田学。こんなことは誰にも言えないが好きな人が一人いる。 イルカの調教師さん。彼女目当てでどれだけ水族館に通ったろう‥‥。 以前、水族館近くの喫茶店で彼女を見かけた。 その雑談から聞こえたのだけれど、名前は鈴江さんと言うらしい。 ちなみに僕はストーカーじゃない。 多分。 年上でも背が小さくてかわいらしい人だ。 高校2年である僕は、成人女性に惚れた訳だ。