見出し画像

バンプの新曲が良すぎる

いま、日本の人口は1億2500万人強。そのうち、藤原基央と細美武士に憧れてギターを始めた20代男子は3億人いると言われている。(20代女子はYUIとチャットのえっちゃん、3億人いる。)

僕もそんなマジョリティのひとり。特に、BUMP OF CHIKEN藤原基央は僕の貞操に多大な影響を与えた。

小学生のとき、ちょっとませた友達に「THE LIVING DEAD」というアルバムを貸してもらった。ぶち抜かれた。今の彼らと比べたら、それはそれはへたくそな演奏。升、ちゃんと叩け。増川、弾け。といった感じ。それでも、多感で幼稚なガキの脳みそをぶち抜く謎のエネルギーに満ちていた。

それ以来、BUMPのアルバムは全部MDにダビングして、学校に行くときも、部活に行くときも、初めて出来た彼女と立川でティムバートンのつまんねえ映画を観た帰り道も、ずっと聴いていた。ギターが上達したのも、BUMPの弾き語り譜のおかげ。今でも、曲を作る時、D→DonCなどの藤原進行を無意識にパクっている。とにかく、僕は藤くんみたいになりたかった。(髪型で挫折した、僕の髪質については下記参照)

 

教室には、僕とおなじような子が5000人いたので、「誰が最初にバンプを知った」とか「いや、おれはあんなの聴かないね」(ほんとは聴いてる)といった、音楽アイデンティティの玉突き事故も多発していた。この手の事故は大人になってからもよく目にする。聴いてる音楽でマウントをとる人たち。教室に戻りなさい。

しかし、本格的に音楽をやるようになって、だんだん興味が薄れていった。他に聴きたいものが沢山あったからだ。耳は二つしかない。最後にしっかり聴いたアルバムは「orbital period」か。何年前だ。

weezerからモー娘。まで、音楽の大海で溺れ続けて26歳になったわけだが、ふと、先週発表されたバンプの新曲”新世界”を聴いて、15年ぶりにやられた。

なんだこれ。最高か。

”ベイビーアイラブユーだぜ”

って。黒猫を殺したり、望遠鏡担いだり、初音ミクと遊んだりしていたひとたちが、ベイビーアイラブユーに到達してしまった。一大事だ。

そして、”だぜ”もいい。これは、スピッツの草野さんの歌を聴いてても思うんだけど、根暗で繊細な男の”だぜ”や”俺”は強い。急な男の子。そりゃ惚れるわ。僕が女ならもっと人生狂ってたところだ。

頭良くないけれど天才なのかもしれないよ 世界がなんでこんなにも美しいのかわかったから

なんだよこの歌詞。みずみずしすぎる。藤くんってもう40だろ?40になってこんな言葉書ける?やっぱり創作に歳は関係ないんだな。ありがとう、元気でた。

曲も問答無用に良い。藤原節が残りつつも、過剰じゃない。シンプルなポップ。メロの最後にちょくちょく放り込まれる2連のクラップもズルい。ララランドの冒頭みたいな感じだ。ワクワクするに決まってる。

で、アニメである。アニメの前に僕はあまりに無力。なにこの、ラブ全肯定の映像。暴力だ。僕はアホなので、実写だが、同じ手口の”恋するフォーチュンクッキー”のMVにもやられた。”君の名は”で泣いたのもそう。この際ストーリーとかもういいんだよ。疲れてんだよこっちは。

この動画はロッテの商品のCMだ。タイアップ。あからさまな商業案件。なのにだ。僕ら売れないミュージシャンが怯える大人の世界で、こんな、血の通った曲を作られてしまったらもうお手上げだ。カムバック童心。頑張りたくもなる。

僕と同じようにずっと聴いてなかった人も、ぜひ聴いてみてください。バイバイ。

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。