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答えがないことも、いちど考えてみる

読んだ本と、自分の中で感じた思いと考え(思考)の衝突を忘れないための、外部記憶装置の記録ノートです。
本を読んで感じた脳内で衝突した思考をつらつらと書き起こそう。忘れないように。触れた知性への感謝と感じた喜びを。文字を言葉を紡いでいくだけの作業。
きっと、10年後にまた読んだら、違う感想になってしまうから。

今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、TV報道をはじめとする、各種メディアで死亡者数や著名人がなくなったなど、「死」について取り上げられることがものすごく増えたと思う。かくいう僕も、在宅時間が増えたことで、頭の端に寄せていたことについても考えてみようという気持ちになった。

ただ、自分の中で、「死」というものがうまく説明がつかず、知の先達たちがどんな風に考えてきたのだろうかと、ふらふらと書店の棚を眺めていると、ちょうど良さそうな本が。

『死の哲学入門』( 日本実業出版社)

入門の名のとおり、今の自分にはとってちょうどよい内容だった。

もちろん、著者の主観もあるが、身近な漫画、アニメ、映画に表現されている「死」というものと結びつけているところが非常にわかりやすく、導入から、「ちょっと、向き合ってみようかな」という気持ちにさせてもらえた。

また、哲学的な難しい表現を各作品とシーンと結びつけている(ココとココが同じ)ところも、日本語の現代文を使っている僕としては非常に読みやすかった。(もしかしたら、著者と同世代だからなのかもしれないので、そうかなぁ?と思う人も多分にいらっしゃると思う)

なかでも、各哲学者が考える「死」というものの捉え方に大きく関与しているのが、意外にも宗教というものが関わっているのには驚く。
僕自身のこれまでの勝手なイメージで、哲学者=無宗教・無神論者のような実存主義が色濃いと捉えていたが、決してそうではないし、とても学びになった。

「なーんだ、意外と人間臭さがあるんだ。」って。違いはあれど同じ人間なので、あたり前と言われればそのとおりですよね。

加えて、イエス・キリストや釈迦、空海・・・ほか、宗教的な教え(教義)における死生観についてもかかれている点も、触れられており、僕にはあまりなかった視点であり、一つ視座が広がった。宗教って奥が深いので、また色々と関連する


また、本書内で紹介されている哲学者の生涯を描いた作品や、代表作も読んでみたいと興味をそそられた。ダンテの『神曲』、キルケゴールの『死に至る病』、源信の『往生要集』etc...。

後日、少し探して見たのだけれども、名著と言われる古典は、複数冊あり翻訳されている。なぜだろう?と不思議に思うのだが、新しい解釈がどうこうというよりも、言葉というものは変化していて、認識が異なる。変に古い翻訳を読むよりも、間違った認識をしなくても済むのではないか?と思う。


古典自体を自分が学び、古典のまま楽しめるいう段階にステップアップできたらいいなと思うが、どうやら、自分にはまだ早そうだ。

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※2020.11.14:これを書いてる途中に偶然発見。スピンアウトらしい、読も。