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パーソナライズされた決済プラットフォーム構築支援と同時に、エンジニアチームのアジャイル化&スキルアップ支援

オーストラリアのBeem社は、Slalom Buildと共同で、AWSを利用した新しいクラウドネイティブの決済プラットフォームを構築しました。eftpos QR (eQR)と呼ばれるこのプラットフォームは、顧客が店頭で販売店独自のQRコードをスキャンして、選択したデジタルウォレットでの支払い、ギフトカードの交換、ポイント特典の適用、デジタルレシートの保存を可能にします。そして、それはほんの始まりに過ぎません。

本当の利便性って?

仕事の打合わせのためにコーヒーを買おうと思って…ん?待てよ、財布を忘れたか?いや、大丈夫。スマホでお店のQRコードを読み取ると「10杯目のコーヒーだから、お代はいらないよ」と表示されます。画面を数回タップすると、チップを追加して支払いを承認し、レシートをデジタルウォレットに保存して、後で人事部にメールして精算することができます。コーヒーを飲んで終わり。それがeQRのアイデアです。

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現代を生きる我々はデジタルに精通し多忙を極めています。日々の作業をより速く、より簡単にするテクノロジーを求めています。しかし、利便性とは、ユーザー名、パスワード、セキュリティ上の質問、さらにはプラスチックカードや領収書の印刷など、別の管理を意味する場合もあります。時には、「便利さ」が「より多くの仕事」に感じられることもあるのです。

eftpos社のBeemは、真の利便性を生み出すことに焦点を当てた企業です。同社のデジタル決済ソリューションは、すでにオーストラリアで100万人以上の顧客にサービスを提供していますが、さらに次のレベルのサービスを追加したいと考えていました。そこで考えたのが QRコードの利用をアプリやeコマースだけでなく、セルフサービスキオスク、店舗でのレジ、ATMでの現金引き出しなど、カード決済のあらゆる場面で拡大できないか?このソリューションは、Tap&Goや非接触型決済のための近距離無線通信(NFC)に取って代わるものではありませんが、新しい可能性を付加することができます。

具体的には、QRコードを利用することで、加盟店で顧客はSKUレベルのデータを交換し、1回限りの取引にとどまらず、長期的な関係へと発展させることができるのです。顧客は、ロイヤリティ・プログラム、ギフトカード、複数の支払いカードをウォレットに接続し、最終的には項目別のデジタル・レシートを保存して、後で保証サービス、返金、または配送に関する問題の解決に使用することができる。その結果、シームレスで安全、かつ緊密に統合されたエクスペリエンスが実現します。物理的な財布の中から複数のカードを探し出す代わりに、お客様が購入するために必要なものはすべてクラウド上に存在します。QRをスキャンするだけで、簡単に購入できます。また、小さなプラスチックカードを置き忘れることもなく、お買い得品やセールを見逃すこともありません。しかし、これを実現するために、Beem Itは、あらゆる販売店のPOSと統合できる高速で安全なプラットフォームを構築するための支援を必要としていました。

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“impossible” is "Possible" according to _build

それは、スケーラブルで弾力性があり、安全で、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に準拠したプラットフォームを提供し、ダブルでトランザクションを処理することでした。さらに、ftposが12週間で新プラットフォームを立ち上げる計画も持ち合わせていました。

Challenge accepted !!

AWSが提供する信頼性の高い柔軟性と拡張性を理解していたSlalom Buildは、クラウドネイティブアプローチを採用し、他社が「不可能」と言ったスケジュールを「可能」に変えることができる自信がありました。また、Slalom Buildは我々独自のプロダクトエンジニアリング手法(PEM)を導入しました。これは、最新のアジャイル開発に対するカスタムアプローチで、最高の品質と速度で効果的な製品を生み出すための反復可能なフレームワークを提供するものです。しかし、私たちの目標は、単にゴールまで競争することではありませんでした。むしろ、2022年以降の長期的なビジョンと成長に対応できるようなものをBeemで作ることを目指しました。

このプロジェクトを通じて、Slalom Buildは単に開発支援を行うだけではなく、Beemチームに対して最新テクノロジーを活用したスキルアップと、アジャイルトランスフォーメーションを通したワークスタイル変革を支援しました。

Slalom Buildは自分達の経験と技術を我々にスキルトランスファーし、アジャイルデリバリーチームとして我々をより良くするためにスタッフを教育してくれました。

Dave Campbell, Director at Beem

Beemのエンジニアリングチームと共に、私たちはAWSサーバーレススタック上に、高可用性と拡張性を備えた環境で、加盟店と消費者のための安全なPCI DSS準拠の取引メカニズムを持つアプリケーションを構築し、運用コストを抑えながら成功させました。

2021年7月にeQRプラットフォームを立ち上げた際、ビームは、1秒あたりのトランザクション数(TPS)500、lambda P95 応答速度60msで、年間推定数十億トランザクションを達成し、かつ、使用ベースの総所有コスト(TCO)が増加することを発見しました。一言で言えば、「素晴らしい!」です。さらに良いことに、最新のマイクロサービスベースのアーキテクチャにより、Beemは拡張、保守、運用が容易なプラットフォームで、将来の特徴や機能を真の反復方式でより速く展開することが可能になりました。

これは、銀行口座にリンクされた別のアプリをはるかに超えるものです。業界のパートナーシップと統合による最新のエコシステムを構築することで、Beemはオーストラリアの人々にリッチでパーソナライズされたショッピング体験を提供することができます。実際、現在いくつかの企業がこのプラットフォームを試用しています。

そして、仕事はそれだけにとどまりません。Beemは、AWSの能力とコストだけでなく、Slalom Buildのデリバリーと協力的なアプローチに満足しています。eQRプラットフォームの開発をきっかけに、すべてのチームが相互信頼に基づいた関係を築き、今後さらにエキサイティングな機会を生み出していくことでしょう。

End.

Scope & Technology

SCOPE
Modern Application Development, Cloud Architecture, AWS Serverless Implementation, High-Performing Orchestration Engine, Cloud Development, Solution Ownership, Capability Development, Quality Engineering

TECHNOLOGY
AWS Lambda, AWS Step Functions, Amazon DynamoDB, Amazon Simple Queue Service (SQS), AWS Landing Zone, AWS Control Tower

本記事はSlalom Buildグローバルサイトからの意訳版になります。

参考コンテンツ

AWS Summit 2022 - How eftpos, Slalom and AWS are changing the payments ecosystem in Australia through Innovation?

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Slalom Buildは、データ・AI/ML・自動化・デザインを組み合わせたプロダクト開発、そして、それを実行できる「Build as a Service」オペレーションモデルを通して、本記事のような個社別にカスタマイズした「Intelligent Products」開発によるビジネス変革を提供しています。
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