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2019-2020年の生田斗真さん出演作への思いを語る。~後編・ゲキシネ「偽義経冥界歌」に寄せて~

生田斗真担として、斗真担史上印象に残る年になること間違いなしの2019年。
その2019年から今年にかけて上演された「偽義経冥界歌」。
後編では、ゲキシネで拝見したこちらの作品についての思いを書かせて語らせていただきます。

★★トピックス★★

★「偽義経冥界歌」について
○この作品を見た私はこうなりました。
○この作品の何が私を泣かせたのか?

★★★★★★

★「偽義経冥界歌」について

○この作品を見た私はこうなりました。

つい先日、映画館で「偽義経~」を拝見したのですが、観終わった私はTwitterにこのような感想を投稿していました。

自分でもビックリしました。映画館でそんなに泣くなんて。(しかもよく見たら誤字がありますね……。「込もって」じゃなくて「籠って」ですね……。)

○この作品の何が私を泣かせたのか?

この作品を「生田斗真へエールを送ってる作品」と拡大解釈した理由について書いていこうと思います。尚、盛大にネタバレしています。また、あくまでも私の勝手な解釈であり、脚本家である中島さんの思いに則ったものではありません。私の妄想も多大に入っていることをご理解いただいた上で、次からの文章を読んでいただけたらと思います。

2幕後半、冥界に行くも蘇り、そこで生まれて初めて悩んだ末に、静歌(藤原さくらさん)と次郎(中山優馬くん)の歌に導かれ、自分自身を取り戻して、死人を斬れる剣を手に入れた義経(斗真さん)。
その義経が、死人の支配する世界をつくろうとする地獄の軍団と対峙した時の台詞で、私はハッとしました。

〜〜〜〜〜〜

「俺は誰でもねえ。空っぽの偽物だ。生きてねえし死んでもねえ。」

「相手によって呼び名が変わる。〜省略〜そう、俺は鏡だ。あんた達を映し出す鏡なんだよ!」

〜〜〜〜〜〜

「空っぽ」という台詞。これに見覚えがありました。斗真さんは、過去に雑誌で何度か「素の自分は空っぽ」というような発言をしていました。

私からすれば、「生田斗真」という人は空っぽなんかではありません。綺麗なダンスを踊り、真っ直ぐな歌声を持ち、役作りのためなら見た目をガラッと変えることも、内面を追い込むことも厭わない。ファンへの気遣いもしてくれるし、作品へのコメントには彼自身の思いが込められてる。本当に素敵で魅力的な人なんです。

「生きてねえし死んでもねえ」。
これは、事務所における彼自身の立ち位置を表しているように聞こえました。「生きて」はCDデビューすること。斗真さんはCDデビューできなかったから「生きて」はいないけれど、だからといって事務所から弾かれる=「死んで」いるわけではない。

「相手によって呼び名が変わる」は、作品によって様々な役になる、という斗真さん自身のことと重なりました。
ジャニーズのアイドルであれば、個人の名前やグループの名前を全面に出すけれど、斗真さんは俳優業中心だから、役の名前がまず全面に出ます。

「俺は鏡だ。あんたたちを映し出す鏡なんだよ!」
ここも、斗真さんの俳優としての役割、在り方を表しているように思いました。
義経は、死人を斬りながら、その死人に与えたのと同じダメージを自身も受けていきます。
斗真さんは、自称「空っぽ」の自分を「鏡」にして、その「鏡」に沢山の役を投影し、演じています。
でも、「演じる」ということは、体力的・精神的な負担がかかります。特に斗真さんは、殺陣の多い新感線のような体力的にハードな役や、社会問題をテーマにしたり有名文学作品を映像化したりした精神的にハードな役を幾つもこなしてきました。
沢山の「傷」を負いながらも、「鏡」として生きていく覚悟をした斗真さん自身のことを、義経に投影しているように私には思えたのです。

以前、斗真さんが風間俊介くんと対談した時に、風ポンが「斗真はfeel don't thinkの人」と言っていました。
考えるより感じたままに動く、それも義経と重なります。
そして、弁慶が言う台詞「お前は素直すぎるんだよ」「ああいう性格だから、迷う時も迷いなく思いっきり迷うだろうなあ」 「本当に素直な男だな」これも、斗真さんと重なりました。
頭の中でそうした考えがぐるりと巡った結果、この作品は、義経を通して、実は生田斗真のことを肯定して、彼自身の生き方に背中を押す裏メッセージがあるのでは……そんな拡大解釈をしてしまったのです。

劇団☆新感線さんは、斗真さんの「大事な人生のポイント」を作ってくださいました。
今の在り方を志すきっかけを「スサノオ〜神の剣の物語〜」出演時に貰い、その後「準劇団員」と呼ばれるほどに新感線の舞台へと足しげく通うことにもなりました。
「Cat in the boots」では舞台初主演の機会に加え、それをきっかけに「花より男子2」に出演することになるという、知名度を上げていくターニングポイントの元になりました。
この2作は、まだ斗真さんが俳優としての立場を確立しきれていない時のものであり、特に「Cat〜」に関しては、そんな時に手を差しのべてくださった新感線の皆さんの優しさを私は感じていました。
そしてまた、「偽義経〜」でも、その優しさを拡大解釈によって勝手に感じてしまったのです。

この拡大解釈が合っているかは分かりません。
ただ、「39(サンキュー)公演」と銘打たれたこの作品で、斗真さんを主演として起用し、彼に重なるような主人公を設定してくださったことに、こちらの方が感謝の気持ちでいっぱいになりました。

だから、できることなら劇場で直接、斗真さんにも、新感線メンバーはじめこの舞台に関わる皆さんにも、拍手という形で感謝を届けたかったなという思いが強く迫りました。
映画館の画面に映る、東京の劇場でスタンディングオベーションをする客席を観ながら、それが自分にはできなかった悔しさに、 胸がいっぱいになりました。

改めて、この場を借りて、劇団☆新感線関係者の皆様に感謝申し上げます。
斗真さんを主演に据えて「偽義経冥界歌」を製作してくださり、本当にありがとうございました!!

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