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【対談記事】「熱くなる大人がいてもいいじゃないか」豊かな海や心を護るために今、山を整える理由とは(今村直樹×むろき優理×兼丸昌也)


偶然の共通点と縁から対談が実現!教育から生き方、SDGsまで熱く語り合います!


こんにちは!SKY'S THE LIMIT(スカイズザリミット)広報部です。

今回はSDGsについての対談ということで、弊社代表である兼丸の大学の先輩である株式会社うみのほし代表の今村直樹さん、むろき優理さんにお話を伺いました。

今村さんはカヤック日本代表の経歴を持ち、現在は豊かな海を護るために山を整えることや、子供と大人が自然の中で学ぶ場を提供していらっしゃいます。

以前、弊社の社内研修で星山を利用させて貰ったところから今回の対談が実現し、今村さんが運営をする星山にあるゲル(モンゴルの移動式住居)の中でお話を聞かせて頂きました。

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【教育】熱中できるものを愚直にとことん、アホみたいにやる!

兼丸:
今村さんはレーシングカヤックで日本代表にまで登り詰めたところから、今は子供たちへの学童支援を行なっていると伺っていますが、どのような経緯で現在にいたるのでしょうか?

今村さん:
カヤックは高校生から始めました。当時はまだまだ競技人口が少なかったこともあり、熱中する間に日本のトップに入れるようになったんですよね。
そこから大学在学時にライフセービングと出会いました。ライフセービングで知識や経験を身につけて、人の役に立てるんじゃないかと思ったんです。


兼丸:
ちなみに、もともと人の役に立ちたい思いがあったんですか?


今村さん:
競技の世界に疲れちゃったんでしょうね。自分の力を生かせる、人のためになるようなことができたらいいなと思ったんです。それでライフセービングを始めたら、まず海の広さに感動したんですよ。
カヤックは川や限られた場所で行っていたので、改めて海の広さを体感しました。

あとライフセービングを通してリスクマネジメントの大切さも学びました。
これ以上行ったら危険だというのを海での経験から学んだんです。
今でも子供たちを連れて海に行くことがありますが、子供達には基本的に自由に動いてもらってます。
ここまでは安全で、ここから先は危険だっていうことを体験から学んでもらうんです。時には引くことも大事だよって。

大人になって、ここまできたら引けない、ということがあると思うけど、引くことも必要な勇気だということを子供の時から体験してもらっています。


むろきさん:
星山では、失敗することからも学んでもらっています。
火おこしを学ぶ際に、1回目で火を付けられた子も10回失敗をして11回目に成功した子も褒めているんですよ。今の日本は失敗しづらい風潮があるかと思いますが、失敗から学ぶことが多くあるということを体験してもらっています。

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(左から兼丸、今村さん、むろきさん)

今村さん:
学童に関わろうと思ったのは、海での体験が大人でも学ぶことが多いと私自身が体感したので、教育に生かしたいなと思って。さらに共通体験からこんな気づきがあったよねとか親子で話せたらいいなと思ったんです。

とは言いつつ、実際は「夏のお兄さん」から脱却したかったのが第一歩だったんですけどね。夏以外何してるんですか?って聞かれることも多かったので。

もともとは同じように海の仕事で生活をしていくと頑張っていた友人もいたんですけど、会社に就職したりして一人減り二人減り、今では一人になってしまいました。
海では食っていけないだろって言われることもありますが、それでも何とか食ってるよって言えるよう立ち上げの頃にはアホみたいに仕事をしていましたね。


兼丸:
海では食っていけないだろうと離れていった人たちと、現在も仕事にしている今村さんとの違いはなんだと思いますか?


今村さん:
ひとつのことを愚直に継続することだと思います。好きなことをとことんやったらいいじゃないって、経験から言えますね。
そういう大人がいてもいいと思うんですよね。海や山のことを熱く語っちゃうような。子供たちからしたら、このおじさんまた始まったよって。
パッションや生き様が乗った話ができる大人って良くないですか。


兼丸:
それとてもわかります。
これまでの人生で思い浮かんでくるのは、自分の軸をもっていて生き様を感じるような方ばかりです。そんな大人であふれていたら良いなって思います。

序盤から、第一線を走っているビジネスオーナー同士の会話が繰り広げられました。
想いを持ってやり続けることの大切さと、周りで誰もやらなくなっても「自分がやるんだ!」と努力し続けて結果を出されている仕事への姿勢が素敵です。

【SDGs】ずっと海で生きてきて、なぜ今、山を整えているのか

兼丸:
先ほどから海への想いを伺いましたが、「500年続く森を」と、今森を整えているのは何かきっかけがあったんですか?

今村さん:
きっかけは気仙沼のカキの養殖場です。現地の方が、山を大事にしないと海は死んでしまうんだ、とおっしゃっていたんですよね。
海のことを大切に思っているからこそ、山に目を向けてみようと思ったんです。
山を整えていけば、微力かもしれないれど海にも貢献できるんじゃないかなと。そして子供たちが大人になったときに、海や山を大切にする感覚を持っていて欲しいなって。
だから海だけど山なんです。


むろきさん:
500年であろうが100年であろうが、続いていくってところに心が動くと思うんですよね。
この星山も、30年以上手付かずだった藪を整備しながら場を拓いてきました。この場所を愛する人に心から楽しんでもらいながら、「また子どもも連れてきたいね」「こういう場をずっと残したいね」というみんなの想いがずっと続いてゆくと嬉しいなと思います。

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今村さん:  
星山には大イチョウが夫婦であって。毎年銀杏ができるんですけど、くさいわけですよ。
毎年毎年、子供たちが「くさい!」って鼻をつまみながら銀杏を拾っていたり、その隣で大人が銀杏をつまみに談笑しているような、そんな光景が500年続いたら面白いなって。すごく人間っぽいなって思うんですよね。
500年後どうなっているかなあ。


兼丸:
イチョウと周りにいる人たちの姿が、ありありと思い浮かびますね。
僕にもこうなったらいいな!というビジョンがあって、自分のお店を出したんですよ。
子供や孫の代まで豊かな地球が続いたらいいなと思ってエシカル消費にこだわった商品を扱っているんですが、今村さんはエシカルという観点から、何か感じていることはありますか?


今村さん:
先日ほうきが壊れたんですけど、竹を添え木にして直したんですよ。ほうきなんかもそうなんですけど、修理することを大切にしています。直すことでモノへの愛着も湧いてくるんですよね。


むろきさん:
最近は野菜も、わたしたちが作りましたって写真付きで売っていたりするじゃないですか。モノについて考えることも大切ですが、実は人とつながる事でもあると思うんです。作り手の顔が見えると、よりエシカル消費への意識が高まりますよね。


兼丸:
おふたりのように、モノから人との繋がりを感じられる人がいっぱい増えるといいですよね。

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本当に自分らしい生き方をとことんしていい!

兼丸:
最後にこの記事を読んでいる、これからの日本を担う方にメッセージをお願いします。

今村さん:
自分自身を大切にしてください。
自分を大切にすることが周りの人を大切にすることにつながると思っています。
自分に素直に、持っている力を大いに発揮できるような空間や社会ができたらいいなと思っています。


むろきさん:
この先苦しむことも当然あるかと思いますが、苦しいなって思ったときはチャンスです。
問題なくルンルン気分のときもいいと思うけど、苦しんでいる時こそ、自分の中の本当に大切なものに出会い直すチャンスだと思います。


今村さん:
星山で学べることの一つですが、自分の身は自分で護る。
社会の中で、自分の体も気持ちも、ちゃんと護ってくださいね。
そして、星山にもぜひ来てください!


おわりに

星山で経験ができる、一度失敗しても成功するまでやり続ける成功体験や、自然の中で危険を感じて身を護っていく経験は、子供のみならず大人であっても貴重であって、「海や山の課題に向き合い護っていくことと自分を大切にするということは繋がっている」と感じました。
弊社社員も普段の生活から海や山といった自然環境に配慮したものを使うなど行動から変えていこうと思います。

また今回の対談を通して、経営者の大事にしていることが「生き方、生き様」につながっていくことが印象的でした。
終始熱量が高く、「またやりましょう!」と取材現場は次回のコラボレーションへとお話が進んでいました。

今後もSKY'S THE LIMITでは対談記事など、続々と発信していきますので是非ご期待ください!


〇今村直樹
株式会社うみのほし代表、TIDE POOL代表、マリンエデュケーター

1977年 埼玉県出身 3歳から水泳を始め、全国大会にも出場。高校時代にレーシングカヤックの日本代表に。大学時代には、ライフセービングとの出会いにより海に魅せられ「この感動を多くの人に伝えたい!」と強く思うようになる。大学卒業後に渡豪。クイーンズランドの学校でスポーツ&レクリエーションを専門的に学ぶ。その後、グレートケッペル島でマリンガイドやキッズクラブのスタッフとして働きながらライフセービングの技術を習得。帰国後は葉山にある「NPO法人オーシャンファミリー」スタッフ、「BEACH 葉山アウトドアフィットネスクラブ」マネージャーを経て、 自然学校「TIDE POOL」を設立。
子どもたちに自然を通じた学びを届けている。

〇むろき優理
株式会社うみのほし プロデューサー&コーディネーター
都内中学・高等学校の英語教員を経て音楽活動を開始。2005年〜2006年、不思議なご縁を頂いてハワイ島・カウアイ島に住む。帰国後、自然療法サロン’ano’anoを立ち上げ、セラピストとして活動を開始。様々な手法を組み合わせた「心に触れるボディーワーク」と「暮らしと命がととのうカウンセリング」等を提供。2011年の東日本大震災が人生「3度目の転機」となり、「旅をする種♪」「ラジオ寺子屋」「鎌倉FMラヂオレター」他、各種ネットラジオ番組をプロデュースし、「意識のコミュニティラジオ」を目指し、人と場をつなぐラジオプロジェクトも手がける。2018年からは株式会社Human Potential Lab.のプロデューサー兼コミュニティマネージャーも兼任。自分とつながり、世界とつながる知恵やスキルを届けながら、日本各地で豊かなコミュニティが生まれ、つながることを願っている。

〇兼丸昌也
株式会社SKY'S THE LIMIT社長
1986年、長野県長野市出身。バスケットボールでは中学時代に県大会準優勝を経験。県内の強豪校へ進学しキャプテンとして、チームを牽引する。
大学時代はアメリカ史を専攻。 大学3年時に、シアトル・ワシントンDC・ボストン・NYへ、ゼミナールを通して文化研修をする。
卒業後は商社へ営業職として入社。 25歳で個人事業主として独立。 飲食経営、独立支援などを経て、2018年に法人設立。初年度年商1億円を達成し、 現在は港区を活動拠点として3つの事業の運営と独立支援を行う。SDGsへの関心から、自社のファッション事業をSDGsを主軸とした事業展開として行う。 事業拡張と合わせて持続可能な社会の実現に向け奮闘している。


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