見出し画像

『異世界でも本屋のバイトだが、アマゾネスのせいで潰れそうだ』第12回

言っちゃぁなんだが、俺の筋肉センサーは驚くほど敏感だ。まあ、昨晩抱いたエルフの女ほどじゃあないにしても。

この世界で生き残っている奴には、大概何かしら特殊な能力が備わっている。それは武力でも知力でも美貌でも良かった。危険を感知する筋肉センサーと圧倒的武力、これが俺が生き延びている理由だ。とにかく普通じゃ生き残れないのは確かだ。そういうカラクリなんだから仕方がない。

ヤマダはそのことをえらく気にしていた。自分には何も特殊能力が無いってな。

俺に言わせれば「本屋の経験がある」ってのが充分特殊能力だって思うんだが、それでも奴は納得しなかった。

劣等感ってやつか、それがアイツのエネルギーとなってダンジョンの知識を物凄い勢いで蓄えていった。幸いにしてここは本屋だ。勉強するのにこれ以上の場所は無いってもんだ。

エロ本を読み続けたら女が抱きたくなるみたいなもんで、ヤマダは俺に言い出した。「僕もダンジョンに行ってみたい」と。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?