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『顧客起点マーケティング』を読んで、耳が痛いけど、納得した「意味がないジャーニー設計」

マーケティングで著名な西口さんの『顧客起点マーケティング』を読みました。

西口さんは、スマートニュースの執行役員で、もともとは、ロクシタンや肌ラボなどのマーケティングを担当されていた方です。


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とにかくこの本が面白くて、2回読みました!

アマゾンでも高いレビューを得ているようです。

【大前提】マーケティングの今、そして重要なこと

昨今のマーケティングの課題として、

デジタル施策をたくさん試すことが優先されていて、

「顧客が何を求めているか」を考えることが疎かになっていると嘆く筆者。

そんな中で、本当に重要なことは2つあると言っています。

①顧客起点で考えること:N1分析

②サービス(商品、アイディア)に独自性があること

この2つです。

N1分析とは、一人の顧客の購買行動を左右しているものを分析すること

そして、ここでの独自性とは、ポーターの「差別化」という意味ではなく、

とにかく、「オンリーワンユニークであること」です。

なぜN1が重要なのか?

N1から離れると思考が浅くなると筆者は言っています。

プレゼントをして、最も喜ばれるためには、

とにかく相手のことを知り尽くしている必要があります。

スティーブ・ジョブズの言葉を引用していたのが、

かっこよかったので、ここでも引用しておきます。

これが、N1分析と、独自性の両方の意味を兼ね備えた本質的な言葉だなあ、と思いました。(メモ、メモ)

美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男が薔薇の花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。

実在しない顧客のジャーニーやペルソナは無効

よくありがちなのが、

そういう人いるよね、というペルソナを設定して、

ジャーニーを設定することです。

そういったことを勧めている本もたくさん目にしましたが、

この本では、それを否定しています。

「そんなお客様はいないのです」

この言葉は耳が痛いけど、紛れもない正論だなと納得しました。

西口さんはこう言っています。

「本当にお客様の心を捉える商品企画やコミュニケーション提案は、具体的な名前をお持ちのN1起点、N1分析で進めることこそが絶対に重要です」

N1分析をするために重要なこと

著書の西口さんが大切にしていること。

それがインタビューです。

このN1分析のインタビュースキルが身につくと、マーケターとして飛躍的にパフォーマンスが上がると思います。

これは、前回書かせていただいた、

顧客体験の話とも共通する部分だなと感じました。

『顧客体験の教科書』を読んで知った、CXとCSの関係性

すべてはお客様の声から始まる。

それはペルソナやジャーニーについても、

全く同じなのかもしれません。

顧客起点のジャーニーの考え方からwhyを導く

西口さんが説かれているジャーニーの作り方にについても、

少しだけ引用させていただきます

N1のカスタマージャーニーを分析すると、具体的なコミュニケーション方法、情報接触ポイント、商品接触ポイント、購買接触ポイントが見えてきます。どういった状況で、どんなメッセージで訴えられたときに心が動いたのか、買おうという気持ちになったのか、ということです。
これが具体的な顧客のWhen、Where、Howの設定に繋がり、さらにそこで購買意思決定を左右している心理の動き、そして、その真理を形成しているインサイトがWhyとして見えてきます。

ここだけでも分かるのですが、

N1の分析→ジャーニー(when、where、how)から導く→whyを導き出す。

よくwhyが重要とか書かれていたりするけれど、

N1を起点に考えろというのは、この本で一貫して書いてあることです。

まとめ

とにかく、N1を起点に考えることが大事。

そのために、架空のペルソナではなく、

自分でインタビューをして、

N1の生の声を聞くことを推奨されています。

架空のペルソナ設定について、

違和感を感じていた人も意外と多いんじゃないかなと思うんですが、

それを見事に否定してくれたことは気持ちよくすらありました。笑

この本は、著書の西口さんの実体験をたくさん織り交ぜながら、

どうすればよりよいアイディアが生み出せるのかを書いてくださっています。

かなりトピックスも多く、一つ一つの内容が濃いため、

一度や二度では整理できませんでした。

ここに書いるのは、本当に、触りだけです。

気になった方はぜひ買って読んでみることをオススメします。

>>>『顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)』

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