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【きっかけ】文通から生まれる、プラトニック(に見せかけた)ラブストーリー

SNSが普及し当たり前となった現代、文通にはレトロ(懐古趣味)な付加価値がついたと思う。
時代が様々な視点から、利便性を磨くために努力した結果なのだろう。
 
社会に出て、学生の頃とはまた違う自由を手に入れた私にとって、手紙を書くことは更にレアな行為となった。
複数人で創作活動をしていなかったら、私が最後に手紙書いたのは高校生の頃だ。10年程前である。
 
手紙には、贈る相手へかけた様々なものが一枚の便箋にぎゅっと凝縮されている。
それは、相手への想いであったり、共有したい物事であったり、書くための労力や時間であったり、その人だけの味であったり。
便箋一つ選ぶにもその人らしさが窺える。
インクの染みや、筆圧、少しよれてしまった質感、そんなところからもその人らしさを感じるのだ。

以前、公演が終わった後に渡す大入袋の裏側に、手紙を書いていたことがあるのだが、何回か飴玉社に参加してくれた俳優さんの一人が、公演終わりに、過去に渡した手紙付きの大入袋を全部財布に入れて持っていてくれたことを教えてくれた。
とても恥ずかしかったが、とても嬉しかった。
自分がその子に向けて思いを込めて書いた手紙が、その子の心に感動として残り、大切にしてもらえていたということに、私は再度感動をもらったのだ。
 

作品とは小さな感動の連続から生まれるものだ。
 

私は、この感覚を作品で堀り起こすため、『恋文ランデブー~旅する僕と、待つ私~』(以下、恋ラン)を書きおろした。
恋ランは、小さな小さな感動が星の砂のように積もり、そこに埋もれている宝箱やタイムカプセルを掘り起こすような感覚を覚える作品にしたいと思う。
登場人物は二人、海沿いの町で小説を書きながら暮らす輔さんと、東京で小さな雑貨店をやっている保乃香ちゃん。
遠く離れた地で暮らす二人は、文通を通して、何を見つけ、見つめ、知り、感じるのだろう。
二人が交わした手紙と、その数か月から生まれる一瞬一瞬の小さなドラマを見つめてもらえたら幸いです。


加藤


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【試演公演・LIVE配信情報】
空降る飴玉社の試演会with配信
『恋文ランデブー〜旅する僕と、待つ私』

脚本・演出:加藤 薫

《日時》2020年9月5日(土)18:30
《会場》京都市東山青少年活動センター 創造活動室

《料金》
観劇 無料
LIVE配信 300円
アーカイブ配信 500円

《観劇》
https://www.quartet-online.net/ticket/koibumirendez-vous
《LIVE配信チケット購入》
https://twitcasting.tv/c:skycandydrop/shopcart/18803

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