【推し活】内緒話の帰り道
推しから予告があった。インスタライブをやるよと。
インスタをセッティングして、やってくれるのを待ち続けていた。
オンラインファンクラブ限定のアカウントで発信されてるインスタライブだから、詳細はあえて言わないけど練習が終わってからの帰りらしい。
他愛もない話をしていているけど、彼から話されたことは全て内緒の内容になっている。日曜の午後も練習していて、セミがなきつづけているこの時間になってようやく帰れるらしい。
自宅で誰もいないけど、イヤフォンで聞いていた。推しの声が聞こえる。近況を話してくれて、そして思ってることも話してくれる。それだけでも十分だった。
ほんの数十分だけど、この時間も好きだったりする。あまりコメントはしないけど、聞いてるだけで満足しちゃう。
でも、突然始めちゃうからアワアワしちゃって、タイミングを逃してしまう。今日はどこも行かないで過ごしてたからそんなことはなかったけど。
でも、平日にやっちゃうとうっかり忘れてしまう。突然始めちゃうから。
『お仕事ですかー?』
そんなことを言うけど、多分日本中の大半はそうなんだろうね。
休職しているけど、会社には顔を出す予定なので平日のインスタライブを聞き逃しちゃうこともある。
それもしゃあないなーと思ってしまう。インスタライブの良さは、その人の都合で始められるから(告知→通知できたらもっといいんだけどね)
彼が発する話はほんの数名しか聞かない、いわば内緒話。
オンライン交流会のときとは違って、また別の姿を見ることができる。インスタライブは一方通行だから(コメントを拾えばどうにかなるけど)、見てるのかわからないこともあるけどね。
なんか、内緒話をこっそり聞いている感じがいいのかもしれない。
『もうすぐ着くからね』
そういって、インスタライブが終わろうとする。帰り道に思ってることを話してくれて、嬉しかったよ。
また内緒話を聞かせてね。
画面の表示が『ライブが終了しました』とでると、真っ黒になった。
『アーカイブ残します』というから、もう1度聞き直した。
ほんの少しの時間を使った内緒話をこっそり聞けたから、なんかドキドキする。
彼の考えていることが少しでもわかれば十分かなって。
話してくれたことは内緒にしておきますよ。
こっそりコメントしたことも内緒にしておいてね。
そんなことを思いながら、インスタを閉じた。