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【創作】ラーメン味戦争

イエケイ連邦政府、シオ・ラーメン解放戦線の勇敢なる戦士達に告ぐ。
我々はシオ・ラーメン解放戦線!
味戦争と呼ばれた、かの大戦から三年の時が流れようとしている。

あれより辛酸を嘗め続けてきたこの日々、我々は戦いの目的を見失ったことは一時として無かった。
同様にシオ・ラーメン派の自治独立を信じ、還らなかった者達の遺志を、そして今また敢えてその火中に飛び入らんとする若者の意志を、我々は未来永劫、忘れることは無いだろう!


イエケイ政府大統領としてのし上がった、かの邪智暴虐なるカタメ・コイメ=オオメの手による非道は、断じて許されるものでは無い!
終戦間際に落とされた新型背脂爆弾の事実をもってしても、イエケイ政府の根幹に蔓延る悪意を否定することが出来るだろうか!いや、それは決してありえない!


もはや既に我が陣営に躊躇いを持つものはない!

今、丼に注がれた琥珀色の透き通ったスープを我が血肉として、ここに我々は改めてイエケイ政府に対し、宣戦を布告するものである!

思い出せ!
何故、味戦争が勃発したのか!
何故、未来ある若人が散らなねばならなかったのか!
何故、我々はシオ・ラーメンと共にあるのか!

我々は再び、自由のために立ち上がるのだ!
これは圧政や弾圧から逃れるためではなく、ラーメンの味の自由をかけた戦いである!

今日という日はラーメンの断固たる意思を示した日として人々に記憶されるだろう。

繰り返し心に聞こえてくる、シオ・ラーメンの舌鼓の為に……


シーオ・ラーメン!!


―シオ・ラーメン解放戦線司令官 キリンジ・メンショー中佐


(※この物語はフィクションです。実在する人物や団体などとは一切関係がありませんし、僕はこってりした家系ラーメンもあっさりした塩ラーメンもどちらも好きです)

 


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