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ありがとう。

朝、誰もいない教室に一人で座っている。

目の前の大きな黒板には、私が誰かに話したい出来事が書いてある。

しばらくじっと座って待っていると、教室の扉がガラッと開いて、友達がひとり、「おはよう」と言いながら入ってくる。

その友達はまっすぐ黒板の前に歩いて行き、そこに書かれた話をじっと読む。

全て読み終わると、振り返ってニコッと笑い「読んだよ」と言って、入ってきたドアからまた出て行く。

するとまた別の友達がやってきて「おはよう。」と挨拶をし、同じように黒板の文字を読む。

その人は「へー。そうなんだ。」と独り言をいいつつ頷いて、読み終わると私の席までやってくる。目の前に座って「なかなか君も大変だねぇ」などと話しかけてくれる。ひと言ふた言会話をして、その人も教室から出て行った。

数人の友達が同じようにやって来ては黒板を読んで、「読んだよ。」と知らせてくれては帰っていく。いつもお喋りしていく人はいつものように、私の席の前に座って感想を話す。

そして、みなが帰ってしまった後は、またしばらく教室は静かになった。

もう誰もこないのかな。

ぼんやり座っていると、初めて見る人が教室に入ってきた。

その人はキョロキョロと教室を見回し、黒板に書かれた文字をみつけると、ゆっくりと近寄って行く。

少し眺めていたようだったけれど、首をかしげながら何も言わずに出て行った。

しん、とした教室で私はひとり、黒板を眺める。

つまらなかったかな。もう少し上手に書けばよかったな。

そんなことを考えていたら、またひとり、知らない誰かがやってきた。

すすっと黒板の前に行き、熱心に読んでくれている。ふんふん、と頷きながら振り返り「なかなか、いいですねぇ!」と言ってくれた。

そして私の机までやってきて、名前の書かれた紙を差し出した。「よろしく。」と言うとその人は、扉の前まで歩いて行ってふと立ち止まり、「私も隣の教室の黒板に、お話を書いたんです。読みに来ませんか?」と誘ってきた。

***

これは最近の私のnoteのイメージ。

最初は誰も来なかった教室に、少しづつ来てくれる人が現れ、今は私が黒板に何か書くたびにいつも読みに来てくれるnote友達ができた。

誰か来てくれるだろうか、とドキドキしながら不安でいることは少なくなり、安心して好きなことを書けるようになった。こんなに嬉しいことはない。

***

ためになる話なんかひとつも無いのに、いつも読んでくれてありがとうございます。

ちゃんとお礼を言ったことがなかったので、書いてみたくなりました。

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