プロコーチがおすすめ!美術館に行くときは、事前に「問い」を立てていくと10倍楽しい
美術館に行くとき、どんなルーティーンがありますか?そのままフラッと入りますか?事前にWEBサイトでどんな展示か熟読して臨みますか?
いろんな楽しみ方がありますが、5時間かけて美術館を味わい尽くす鑑賞方法はいかがでしょう?
私は、「わたしは何を大切に生きているのか?」という抽象度の高い話を聴くのが仕事で、趣味が美術館めぐりなコーチ歴5年プロコーチの視点で、「絵画から悩みの答えを導く」という方法をまとめてみました。
絵画を見るまえに「問い」を立てる
9人の友人で、2024年4月7日まで東京都美術館にで開催している【印象派モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵】という展示会に行ってきました。
9人で並んでぞろぞろと絵画を見たわけではなく、「アートピクニック」と称したワークショップです。
まず、ポイントはいきなり展示会場に行かないことです。
カフェで立ち止まり、【印象派の巨匠たちから何を感じ取るか?】という「問いを立てる」という個人ワークをします。
「右と左、どっちがいい?」という2択の問いではなく、できるだけ抽象度が高くて、すぐ答えが出ないような問いがいいです。
簡単に答えが出たいような質問を目の前にして、「モネがヒントをくれるとしたらなんだろう?」と、巨匠にアドバイスをもらうつもりで、受け取りたいテーマを思い巡らせてみましょう。
まとまったら、いざ美術館の展示の世界に向かいます。
手荷物は、コインロッカーに預けよう
絵画に向き合うとき身軽でいたいという方におすすめは、コインロッカーに荷物を預けることです。
展示は屋内なので、厚手のコートは脱いでおくといいし、バッグもサブバックも手放して、手ぶらで絵に集中したいときにコインロッカーはとてもいいです。
スッキリした状態で絵画を見たい方は、ぜひ入場口の手前にあるコインロッカーに荷物を入れましょう。
100円入れて、あとで戻ってくるタイプのロッカーが多く、ここに荷物を詰め込んで、スマホと財布と、必要ならバインダーに挟んだコピー用紙を1枚持ってでかけましょう。
1点注意があって、荷物を預けるとき、財布は持っておいたほうがいいです。
展示を出たあと、オリジナルグッズの販売コーナーがありす。これは、展示を見た人しか買えない限定品ばかりで、めちゃくちゃ力が入っていて素敵なものが売られています。
限定図録も会場内のみの販売なので、お金は必須なのです。
ちなみに今日のモネの展示で、私は財布をロッカーに預けて、スマホだけ持っていい、限定商品を1万円近く買おうとかごに入れてレジに並ぶと、QRコード決済ができない端末で買えませんでした…。
運悪くスマホのSuicaも残金がなく、チャージしたくても電波が悪くてうまくいかず、財布がないのでクレジットカードも現金もなくて、全部売り場に戻す羽目になりました。
財布か、せめてカードは持って行ったほうがいいです。
絵画初心者は音声ガイドの利用をおすすめ
私は音声ガイドをつける派です。
もちろん絵に集中したい、絵から受け取るメッセージだけがいい!という方もいらっしゃるでしょうね。もちろんそれもよし!
正解はないのだけど、音声ガイドは短い時間にギュッと展示の趣旨と時代背景と絵画の説明をしてくれます。
大体500円から700円前後で、絵画の知っているから受け取れる絵画の魅力があります。
さらに声の主は、人気俳優さんや声優さんなどこだわっているケースが多いです。意外な人がナビゲーターとして1時間ほどの鑑賞のナビをしてくれるので、絵画に詳しくない人ほど利用することを強く推したい便利アイテムです。
もちろん私も今日使ってみた。そこで知った知識によって、「印象派」の歴史的背景がわかり、鑑賞前に立てた問いのヒントになったものもたくさんある。
展示会場にボールペンは持ち込めないので、鉛筆を借りよう
バインダーにコピー用紙を挟んで、気がついたことや感じたことをメモすることをおすすめしたいのですが、会場内にボールペンやシャープペンシルは持ち込めません。
あまり知られていないですが、基本NGです。
理由はおそらく、芯が折れて飛びやすいことや、金属の先端が当たって絵画の表面を傷つけたり、インクが付着して汚したりするということを防ぐためだとおもいます。
認められているのは、普通の鉛筆。家から持ってくると良いですが、忘れた場合は、受付の方か会場内にいるスタッフの方(学芸員さん)に「鉛筆貸してください」というと、貸し出してくれる場合もあります。
大きい美術館ならほぼ用意があると思うので、お借りしょう。
大事なことなので2回いいますね。
会場内でボールペンとシャープペンシルは使えません。
絵画は並んで一つずつ順番に見なくていい
展示会場は、入り口が一番混んでいます。
みんな1つ目の絵から順番に見るために、並んでいることがよくあります。
よく耳を澄ましてみると、学芸員さんが「並ばなくてだいじょうぶですよ、自由に見てください」みたいなことを言っています。
そうなのです。1つ目から順番に、全部をちゃんと並んで見なくてもいいんです。
特に入り口は混み合うので、スッと避けて、遠目から見て、じっくり見たかったら戻って見たらいいし、特に心が響かなければ次の空いているポイントにいけばいいんです。
展示されている説明やキャプションも全部丁寧に読まなくてもいいです。
気になるものだけ、じっくり見て選んでオッケー!律儀に順番に並んで、目の前にくるまで待つというルールは特になく、順番は気にせず、見たい絵から(私は空いている絵から)見ていいです。
ただ、並んでいるところに順番抜かしはいけないので、そのあたりはちゃんと周りの人に気を遣いましょう。
全部見なくてOK!気になるものだけじっくり見る
ざーっとフロアの一角を見渡して、これ見たい!と心が動いたものをいろんな方向から見るといいです。
作品リストの1番目から順番に見なければいけないというルールもありません。
気になったものをゆっくり丁寧にあらゆる角度から見るのが好きな人もいれば、ざーっと一回駆け足で全部の展示を見た上で、もう一度戻ってきて、2周目に気になる絵をじっくり厳選してみてもいいでしょう。
大切なことは、「見たい!」と思う絵をじっくり見ることだ。
日々の仕事で「感性のバルブ」を閉じている方は、「これが見たい!」という心の反応が起きにくいかもしれません。どれを見てもビビッとこないかもしれません。まぁ、それもまた一つの反応なので、それもよしとしながら、気になったものをいろんな角度からみてみるといいです。
筆の使い方、色の混ざり方…
本物が観れるのが、美術館の素晴らしいところ。
筆の動きやディテールをよく観察して、想像して、100年前、200年前を確かに生きた画家がどんな思いでこの絵を描いたのか想像しながら見ると、心にグッと迫るものがあるでしょう。
写真OKスポットかをよく確認しよう
企画展によっては、まれに全部フラッシュNGだけど撮影OK!という場合もあります。SNSで拡散されることを期待している展示なんかは特にそう。
でも大体は全部NGが多い。
撮影OKか、NGかは、入り口で確認するのがいいですね。
仮にOKの場合も、案外撮ることに夢中になって絵を見ることを忘れることがありす。私もよくやっちゃいます。
ただ、あとで見返した絵より、そのとき本物を見ているほうが美しさも感動も圧倒的で、あらためて写真で見ると大したことないと感じることが多くあります。写真OKの場合も撮る方に夢中になるより、適度に記録として残しつつ、心の響きを感じながらみるといいです。
好きだと思った絵画はポストカードを1〜2枚買う
展示会が終わると、そこには名画をモチーフとした様々なグッズが売られています。さっき見たばかりの素晴らしい絵が百花繚乱!よだれがでるほど全て欲しくなる禁断の売り場が展示のすぐ後に広がっています。
ぜひそこで、ポストカードを買うことをおすすめです。
好きだと思った絵のポストカードに、あとで感想を添えておくとあとで見返したときとても良いですね。
つい買ってしまうミュージアムショップのおすすめグッズ3選
ポストカードに加えて余剰資金があれば、おすすめしたい3選!
1:図録
2:限定ウエア(Tシャツや靴下)
3:限定コラボ
どれも私の好みですか、なんだから毎回これを買ってしまいます。
図録もTシャツや靴下のウエア系は3000円から5000円するので、商品の中では高額ですが、まさにここでしか売ってないから、つい買いたくなります。
図録は見返すと勉強になるし、最近の会場内で売られているTシャツや靴下は結構有名ブランドとコラボしていることもあるんですよね。
限定グッズは当たり外れが多いけれど、お菓子系がおおく、缶がかわいいです。
戻ってきたら「絵画からもらったアドバイス」は何か?と探究しよう
さて、たっぷり堪能したあとはもう一度、椅子とテーブルがある場所で、入る前に立てた問いの答えを自分の中からうみだしましょう。ここが肝です。
私たちは「質問」されると「答えたくなる」という性質があります。自分でつくった質問の答えは何だろう?と自問自答すると、絵画を見ることで何かしら感じていて受け取っているので、何かヒントとなる「解」が生まれてきます。
自分の中で答えがなんとなく生まれたら、次はいよいよ「誰かとの対話」です。
他の人と感じたことをシェアする
映画を観たあと、考察を誰かとした経験はないでしょうか?
このやりとりが好き!という方、少なくないと思います。とても楽しい。ぜひこれを「アフター美術館」でもやってみると面白い発見がありますよ。
自分の言葉で話してみると、話しながら気づくこともあるし、相手の話を聞くことで新しい発見があることもとてもよくあります。
同じ絵画を見ても、感じ方が十人十色であることにも改めて気づくだろうし、似た感想ながら、微妙に視点が異なるという面白い発見もあるかもしれません。
アイデアや技術は、既存の知恵と伝統と新たな発想の融合からしか生まれない
今回、印象派の画家が描いた絵から、私はこんなメッセージを受け取りました。
これほど壮大なメッセージを受け取れたのは、事前に「自分の強みや武器とはどうやって見つかるのか?」という問いを私がたてたからです。
美術館をハイカロリーに楽しむ秘訣は「問いをたてること」
毎回、こんなじっくりと時間をかけた鑑賞をする必要はないですね。
ただ見たいから、みる。
興味があるから、ふらっといく。
惹かれたから、好きな絵だけ見て幸せになって帰る。
それもめちゃくちゃおすすめです。
何も全てから学ぶ必要はないとおもってます。ただアートに触れて幸せになる。
贅沢な時間と使い方だとおもっています。
もし、1人では答えが出ないような壮大な悩みごとがあったら、こんなふうに人の力と絵画の力を借りて答え探しも良いと思います。
美術館の楽しみ方のひとつとして、おすすめしたい「プロコーチがおすすめする、美術館に行くときは、事前に「問い」を立てていくと10倍楽しい」という過ごし方でした。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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国際コーチング連盟PCC
CTI認定CPCC®︎
坂口佳世