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初めて子供と一緒に告別式へ参列してきた。

昨日、子供達と初めて告別式に参列をしてきた。

幸いな事に、ここ10年位親族の間に訃報はあったものの物理的に遠いとかコロナ禍等の理由で葬儀に参列する機会がなかった。

つまり、子供達にとっては「初めての葬儀」だった。

子供から見ると「大叔母」の告別式。
でも夫の実家のすぐ近くに住んでいたので、それなりに思い出のある存在だった。


私は10年以上前に自分の祖父の葬儀に参列した時。

「空気を読まずに泣き出す赤ちゃんがいたら、どんなに良いだろう」と思った。

祖母は終始しくしく泣いているだけだった。
父と母が全てを取り仕切り、家族全員シーンとしていた。


それから10年。

子供達は「空気を読まずに泣き出す赤ちゃん」ではなくなっていた。


告別式の間。

次男は意味不明なお経に不安感を覚えたのか、耳を塞いだり、私の顔を覗き込んでみたり、耐え難い様子だった。

それでも何とか最後まで喋ったり歩き出したりすることなく参列できた。

一方で長男は告別式の間はジーっと前を見つめていた。
学校の授業中には到底見られない集中した表情で、逆に驚いてしまった。

お別れの準備は、2人とも張り切ってお花を入れていた。


出棺の時、奥へ棺が運ばれていき扉がしまる様子を長男は一番前に出ていってジーっと見つめていた。

そして扉がしまると驚いた様子で「あそこで何をするの?」と聞いていた。


事前に火葬から収骨については事前に話していたけれど、実際に見て驚いたようだ。

棺の中にお菓子を入れたので「あのお菓子どうするの?燃えちゃうの?勿体ないね。食べちゃえば良かったね」と残念そうにしていて笑ってしまった。

収骨の時も、長男は説明を真剣に聞いていた。


斎場では8組位の葬儀が行われていた。

ロビーや階段では、うちの子と大して変わらない年齢の子供達が、走り回ったり鬼ごっこをしたり大はしゃぎだった。

私達の葬儀は、子供の参列者がうちの子だけだった。
2人とも待ち時間も騒ぎ出す事も、走る事もなく、大人しかった。

子供達は、この日初めて会う親族も多く沢山の人に「何歳?」とか「お利口にしていたね」等と話しかけられて嬉しそうだった。

大叔母は80代後半だったので、皆それぞれに寂しい思いはあるものの終始和やかな雰囲気だった。

それでも、この場所に「子供」という存在がいて良かったと思えた。


突飛な話ではあるけれど、あと10年もすれば子供達は戦力になる。

自分の祖父の告別式で出棺の時に「男性の方で運んでください」と言われた際、私と妹の夫がまだ2~30代でとても心強く思えたのだ。

それ以外は父も含めて60代以上だった。


今回の葬儀だって、成人している参列者の中では40代の私が一番若かった。

今後、どんどん親族も高齢化して「若い人」が少なくなる。

その中で、「子供」という存在は希望の象徴に思えた。

葬儀という場所で、子供が相応しい振舞いができた事に私は驚き、頼もしさを感じた。

<あとがき>
隣の会場はロックミュージシャンの葬儀だった様で、こちらがお経をあげている間に、ずっとロックが流れていてちょっと変な空気でした(笑)
参列してる人の一部に派手な色のTシャツを着てる方がいたり、葬儀も本当に多種多様になっているな…と感じずにはいられませんでした。

今日もありがとうございました。




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