見出し画像

小学校受験を「検討」したことはありますか?

単願の小学校受験もあっさり落ちて、早3ヶ月。
就学前検診も終えて、長男も近所の公立小学校を「僕の小学校」と呼ぶようになりました。

未就学児がどんなに努力しても、「合格」「不合格」がある厳しい小学校受験は大変な日々で、何も考えずに公立に進む方が心は穏やかです。

それでも、どうして私立小学校を受験しようと思ったのか?
就学前の今、改めて振り返ろうと思います。

小学校受験を「検討してる人」も「考えた事がない」という人にも、何か参考になることがあれば幸いです。

因みに私は高校まで公立、私立の短大を卒業した後に二十歳で就職しています。
そういう意味で高学歴な人間ではないので、あくまでも個人の所感です。

1.小学校で学ぶ事が一番重要だと思うから

自分が学生の頃から感じていましたが、小学校で習う事が大人になってからも一番使いませんか?(笑)

生活するだけなら、足し算、引き算、掛け算、割り算で、大体足ります。
中学以降で習う数学も、高校受験や大学受験に必要なだけで、私生活で使う場面はほぼないのでは?と思ったりします。

むしろ、教科としてないがしろにされがちな「家庭科」とか、すごく大事です。
たまに一人暮らしをしてる男性で「ボタン付けができない」と言う人や、「きんぴらごぼうって、どうやってあの細さに切るのか分からない」と言う人がいます。きんぴらはさておき、ボタン付け位できなきゃ困りますよね💦

2.読書習慣を身につけてほしかったから

今、本を読む人はどんどん減っています。
大人でも電車の中でスマホゲームしたり、動画見たりしてる人ばかり。
それが悪いとは思いませんが、ネットに溢れる嘘か本当か分からない情報よりは信憑性が高く、体系化された情報源として、読書は大切だと思います。
私も二十歳前後に読書の面白さに目覚め、出産後に「子供への読み聞かせの重要性」を説いた本を読み漁っては、毎日30分以上読みきかせをしたり、とにかく読書好きになってほしいと願い、気づけば自宅にある絵本や児童書は300冊前後になりました。

あるキッカケで約2年間テレビもつけず、スマホで動画を見せる…という事も殆どない事も影響しているのか、年長の長男、年少の次男共に、暇さえあれば絵本、図鑑などをパラパラめくっています。

それでも小学生となれば、お友達とTVやゲーム、YouTubeの話題は必ず出るだろうし、特に3年生以降のなれば、放課後に「近所の公園でゲームをする」という子が多くなると思います。

その時に「読書」が友達、先生、そして親子の共通言語として存在して、「あの本面白いよね」と会話ができる環境は素敵だと思うのです。
特に高学年ともなれば、大人が読む本と同等レベルの本が読める子もいますし、そうやって視野を広げてほしいと思います。

3.カリキュラムが充実してるから

志望校の文化祭に2回足を運びました。
その時に展示されていた図工の作品、家庭科の作品、そして「観察文」や「旅行記」などの作文。どれも物凄くレベルの高い内容でした。
昨年は「SDGsについて」というテーマで書かれていました。
小学生がそのテーマで何十枚も作文を書けること
自体がとんでもないスキルです。

また、英語やICT教育についても、昨日今日始まった事ではなく、何年も前から取り組んできていて、公立との差を歴然と感じます。

特にICTについては、社会に出てから最も必要とするスキルだし、ネット上でのルールやモラル、プライバシーについて考える事は大切です。
今は小学生でもTikTokに動画を投稿する子も多く、情報が広まるスピードが昔とは比べ物にならないので機器の使い方は勿論、ネットリテラシーを身につけてほしいです。

4.専科制

志望校は担任の先生も含めて、全て「専科の先生」に習うスタイルでした。

教員免許を取ってるとは言え、先生にも得意不得意、好き嫌いはあると思うし、先生も自分の教科の準備だけをするのでゆとりが違うと感じました。

一方で公立だと担任の先生が、国語・算数・理科・社会だけではなく、体育や家庭科、道徳、保健体育まで教えます。

私は自分が子供の頃、特に最後の2年の担任の先生は苦手で、教室内で少し問題行動の多かった児童に暴行をしたり、真夏の暑い日に掃除をしている子供を前に、氷入りの麦茶を飲みながら担任の先生が入ってきた時、心の底から大嫌いになりました(笑)

それでも、「担任」である限り逃げることはできないし、何か悩みがあっても他の先生に話せるような状況ではありません。

保護者としても、色々な先生から客観的な意見を頂けるのはメリットが大きいと感じています。

5.友達や先生とのつながり

私立小学校の先生は「異動」がないので、基本的には同じ学校で数十年勤務します。
志望校も、四半世紀同じ小学校で指導を続けてきた先生がいらっしゃいました。

説明会や広報の動画では、何人もの卒業生可愛い登場し、卒業後も小学校へ遊びに行ったり、進路に迷った時に母校の先生に相談に乗ってもらったと話していました。

担任という形ではなくても、在学中6年間をずっと見てくれる先生が沢山いる事は心強いです。

6.全員が「進路選択」をする

我が家の志望校は、県内でも有数の「中学受験を前提とした私立小学校」でした。
附属は女子のみで、更に女子でも附属への進学は少なく、ほぼ全員が中学受験をします。

正直、私は今の「中学受験業界」には心の底から疑問を感じていて、お弁当を持って夜遅くまで和塾通いする事に嫌悪感すらあります。

その一方で、「受験」という選択には賛成です。

小学校でも同じですが、「学区」という住所だけで、1日の大半を過ごす学校が自動的に決められてしまう事に疑問を感じます。

保育園は抽選ですが、幼稚園であれば
・遊びが中心
・先取り教育
・モンテッソーリ教育
・芸術に力を入れる教育

など、色々な特色がある中から親が選択します。

それなのに、なぜ小学校と中学校は多くの人が「学区」で分断されてしまうのか?

「こんなふうに育てたい」とか
「こんな事が得意」とか
色々な個性があるはずなのに、全国一律で同じ教育をしようとする。

そして、幼稚園や幼児教室で先取りしていた子供には退屈で、「話を聞く練習」をしてこなかった子には辛い「座ってる時間の長い一斉授業」を毎日数時間も受ける。

それって、めちゃくちゃ辛いです。

志望校は全員が中学受験をするので、中には就学前から中学受験を意識した塾に通う子も多数いると後から聞きました。

それについても確かに疑問です。

だけど、その都度
ベストは見つからなくても、ベターを探す過程は大事だと思うのです。

地域柄、中学受験率は非常に低く

しかも治安もあまり良くないので(笑)

もし公立に行ったら、周りが殆ど無意識に地元の公立へ進学する中、本人を奮い立たせることは並大抵のことではないと思います。

遊んでる方が楽しい

子供は遊ぶ時間が大切

それはごもっともだけど

あっという間に大人になってしまい
あっという間に「就職活動しろ」と言われる

今まで自分の好き嫌いを振り返ったり、何かを選択してこなかった人が突然「仕事」を選択するのって正直、すごい難しいと思います。

私自身もこれと言って選択肢のない中から選択しましたし、「何をしたいのか分からない」は結構大人の中でも多い悩みの一つではないでしょうか。

勿論、「東大に合格すること」を一番の幸せかのように子供を誘導したり、偏差値が少しでも高いところに行く事が幸せという事は違うと思いますが。

何年かごとに「選択する」という転機があることは良い経験だと思います。

7.教育理念と校訓

私立小学校には建学の精神という、揺るぎない指針があります。
「こういう子供を育てたい」という確固たる信念です。
志望校は自律と周りへの優しさを大切にする学校でした。

将来どんな仕事に就いても、自律している事と、周りを助けること、周りの人が何に困っているのか察知する能力は、人付き合いにも、仕事にも良い影響を及ぼすと思います。

とにかく挙げたらキリがないほど、私は志望校に対して物凄く熱い気持ちをもっていました。

でも本当にそれだけです。

その小学校は県内有数の優秀な中学へ多数の合格者を出していますが、私は決してそんなことは期待していませんでした。

ただ、その小学校で過ごす時間を大切にして、習ったことを家でゆっくり咀嚼して、親子で学び合う穏やかな時間を過ごしたかったのです。

という訳で?
途中で色々中断しながらも、思いを吐き出してみました。


小学校受験なんて全く考えていないという方も、一度検討してみると良いのではないかと思います。
コストは勿論かかりますが、色んな学校を見る事でどんな子育てがしたいか?を考えたり、自分の生い立ちや今の仕事に辿り着いた過程を振り返る事ができて、とても有意義でした。


頂いたサポートは書籍や体験に使わせて頂き、またnoteでお返しいたします!