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悪阻

私は最近2回目の出産を経験した。
妊娠・出産はその子どもによって全く違うのだと実感したのである。

1人目のときも悪阻はあったが、今回はもっと酷かった。
私は体質的に悪阻が重い方なのだと思う。
その為、1人目の時も仕事を制限する必要があり、あまり覚えてはいないのだがしばらく休んでずっと布団の上で日々が過ぎるのを待っていた。
だが、私は吐くことに恐怖心を持っている嘔吐恐怖症、というと少し大袈裟だが、とにかく吐くことが出来ないしとても恐怖を感じる。
吐きそうにはなるのだが、どうにか我慢をして1人目の時は嘔吐せずにやり過ごした。

2人目の時もやっぱり早い段階から悪阻はやってきてあっという間に水分まで受け付けなくなり、仕事も1ヶ月休んだ。
喉は乾くのだが、水でさえ飲み込めない。
水の味のない感じがもう気持ち悪いのだ。
だからと言ってお茶やジュースも気持ちが悪くて飲めない。
なので、喉が渇くと水でうがいをして口の中を湿らせやり過ごしていた。
もちろん食べ物もほとんど食べられず、1日に何口か固形物が口に出来れば良い方だった。
そう考えると、辛いのは辛いが2人目に比べれば1人目のときはまだ楽だったのではないかと思う。
1人目のときは常に気持ち悪さはあるが、まだ食べることも水分をとることも出来ていたからだ。 

1人目のときは体重も2キロくらいしか減らなかったのだが、2人目のときは5キロあっという間に減っていった。
悪阻のピーク時には脱水にもなっていたので点滴で身体に水分を入れていた。
本当に悪阻というのは壮絶だ。

悪阻時の私は布団と一体化し、携帯を触り気を紛らわすことしか出来なかった。
その時の私の検索履歴は
悪阻 いつ終わる
悪阻 辛い
悪阻 ましになる方法
などばかりで悪阻関連についての記事は全て見尽くしたのではないかという程だった。
悪阻に効果があるというビタミンB6や生姜の入ったゼリーを無理矢理食べたりなどしていたがそこまで改善されたりするもなく、悪阻には抗えないのだなと諦め時が経つのを待った。
悪阻の時の時間の経たなさは異常だと思う。
眠ることが出来れば良いが、そんなにずっとは寝られないし携帯も見るのが段々と辛くなってくる。
毎日毎日トツキトオカのアプリを開いては
まだ8週?あと1ヶ月くらいこれが続くのか、無理だ、などと泣いていた

悪阻は酷いほうだと思うが、悪阻の終わりは1人目の時も2人目の時もそんなに遅くはなかった。
大体12〜14週頃には徐々に終わっていってくれた。
1人目の時は、悪阻が終わるとそこまで気持ち悪くなることもなく妊娠前のようにとはいかないが、なかなか快適に過ごせるようになっていた。
2人目の時はピーク時のようにずっと寝込む程ではなくなったが、快適に過ごせることは出産後までなかった。
食欲が戻り、基本的に食べたり飲んだり出来るのだが食べ終わったりしたあとの後味が気持ち悪い。
とにかく何か口に入れてないと後味が気持ち悪くて唾も飲み込めないのだ。
1人目の時にはなかった症状が沢山あり、とても辛い思いをした。

におい悪阻ももちろんあり、元々ニオイに敏感なほうだったが更に敏感になった。
これも地味に辛かった。
特に食器用洗剤のニオイが駄目で、柑橘系だともうその場に居られないくらいだった。

妊娠するとこうも妊娠前と全てが変わり、常に体調不良と付き合わなければならないのかと落胆した。
お腹に1人の命を宿すというのは本当に大変なことだった。
でも、あの可愛い笑顔を見るとどんだけ辛くてもまたもう1人…と思わずには居られない。


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