東日本大震災はエンタメの材料になれるほど既に概念化したのか
設定・世界観こそ魅力あるけど、世に出る時期を誤った感がある。
作家・京極夏彦は『遠巷説百物語』の刊行にあたって、「お化けというのは、災害や戦争、疫病のさなかには、出番がないんです。しゃれにならないですからね。(中略)東日本大震災から10年、まだまともに復興もしてないわけですよ。そこに今回の疫禍です。」と述べている。
被災者にとってはまだ10年。もう10年ではない。ところがこの映画では、まだ出番のないはずの「お化け」を登場させ、あの震災をエンタメ化してしまっている。
私は、