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【後悔と懺悔】

おじいちゃんが末期の癌と分かる一年ちょっと前のことの話。

私はおじいちゃんの家に行き、一緒に楽しい時間を過ごしていた。そして私は突然、玄関の前を通るある影を見た。

それはよくお盆の時期に見る人影だった。黒いロングコートを着た男性。

私はその人を見た瞬間「死神だ!」と思った。そして「部屋に入ってくるな!帰れ!!」と強く思い追い払った。

その人は家に入ってくることなく目の前を素通りした。「よかった」と安心していたが、あれは始まりだったのかもしれない。

私はあの人がおじいちゃんの癌の始まりを知らせてくれたのではないかと思う。

もしあの時おじいちゃんを検査を勧めていたら、もう少し長生きしてくれていたのかもしれない。

これは偶然かもしれないし、勘違いかもしれない。でも強く後悔しても、泣いてももう遅いのに私はいつもこう考えてしまう。

家族にも、いとこにも、親戚にも、おじいちゃんの友達にも、彼が涙を流す姿を思い出し、「ごめんなさい」という気持ちで溢れている。そして一年経った今でも消えない。


死神を見ることが出来たのならばせめておじいちゃんにもう一度会いたい。

そして笑顔で「大丈夫だよ」とあの時のように握手を交わしたい。

そう願うばかりです。


♪今日の歌

OH MY GOD/小山田壮平

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