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キッズキッチンレター11月号

 青かった柿が赤くなり、柑橘類も黄色く色づいてきましたね。昔は誰かの家に柿の木が植えてあって、見たり食べたりしていたものです。庭木としてもごく一般的なものだと記憶しています。今は木を植える庭が減り、手入れの関係で果樹はなかなか植えられません。
 柿の木は登ってはいけない木だとご存知でしょうか。小さい頃、我が家にも柿の木がありました。柿の木は硬いけれど、縦に割けるので、絶対に登ってはいけない、と言われていました。柿の実をとるときは、はしごか脚立に登ってとっていました。同じ時期に実る果樹に柘榴がありました。柘榴の木は登っていい木です。かなり上の方、屋根の上まで登って採っていました。当時飼っていた猫が屋根の上に上がって降りられなくなった時も、柘榴の木を伝って屋根の上まで救出に行きました。今思うと怖いことをしていたな、と思いますが。ともかく、柿の木はさくいので登ってはいけない、子どもの頃の記憶です。この他、庭には枇杷もありました。人間が食べられないような高いところには鳥がやってきて食べます。我が家の柿は半分渋柿、半分甘柿という不思議な木でした。剥いて見るまで食べられるかどうか分からないのです。筆柿と言う柿だったのかもしれません。剥いてみて黒い点が見えたらOK、食べられます。鳥は完全に柔らかくなって渋みがしっかり固まってから食べに来ていました。

 柿は意外と生活に密着した木で、葉っぱは包む材料として使うことができます。神戸では5月初旬に花が咲きます。雄花は1cm角ぐらいの大きさで、糸で紡いでネックレスにして遊びました。また家庭では作りませんが、青い状態の青柿は、柿渋という防腐剤・防水剤の材料になります。(現在もホームセンターなどで購入できます)渋柿はグジュグジュに柔らかくして「熟し柿」にするか、酒でさわして渋を抜いた「さわし柿」にするか、干して「干し柿」にしました。熟し柿は柔らかいのでスプーンで食べます。タネの周りのゼリー上になったところが大好きでした。この部分、タネの周りにしかないので、種無し柿はあまり好みませんでした。また柔らかくなってきた柿は洗ってヘタを切り落とし、タルに詰めておくと発酵して、柿酢ができます。たくさん手に入ることがあって、何もかもめんどくさくなってしまったら、甘く柔らかくなるまでヘタをしてにして並べておきます。いつの間にか食べられるようになっています。この熟柿は冷凍ができます。
 柿には筆のように先の尖ったものと、平たいものがあります。また品種で分けるときは、種があるか、種がないか、甘いか渋いか、で分けるようです。種無しは食べやすいのですが味があっさりめ、柿の濃厚な甘さを味わおうと思ったら種ありの柿がおすすめでです。

 このように、家に1本、果樹があれば、四季を感じることができて良いのかなと思います。新しい品種は太秋という柿がおすすめ。サクサクしていて甘い柿です。現在我が家にある果樹はプランターに植たゆず。柑橘類はアゲハ蝶が来るため、芋虫嫌いの方にはお勧めできませんが、虫も一緒に観察することができます。葉っぱが出て、芋虫が来て、そして去っていく、花が咲く、実がなる、自然の移ろいを楽しむことができます。

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