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初オーディションに参戦してきた

おはようございます。

ベルンで、オーケストラのオーディションに初参加してきました。よくよく考えたら、大学に入学してからはベルンに留学することしか考えていなかったせいで、日本でもオケのオーディションは受けたことがなく、私にとって人生で正真正銘初めてのオーディションでした。家から行ける慣れた土地で初めてを経験できたことは、ラッキーだったと思います。

結果は初日のVorprobe(一次試験?予備予選?みたいな感じかも)であえなく退散することになって、悔しかったり悲しかったりの感情はもちろんあったんだけど、もともと当たって砕けろの心意気だったし、準備の過程と当日の自分の演奏とをトータルして、やることはやった、という気持ちは確かにあったので、わりかし良い最初の一歩だったといえると思います。

結果とは裏腹にすごく幸せな気持ちもあったのは(本来は黙って悔しがって練習するべきだと思うのですが)、ようやくはじめの一歩を踏み出せた、ということが、とにかく嬉しかったんだと思います。クサい言い方になるけど、自分の人生を自分の足で生きている実感、みたいなものがあって。翌日のProbeが終わった後は、日本にいるときからお世話になっている、可愛くて大好きで憧れている先輩にもお会いできて(本当に嬉しかった、、ゆっくりじっくり時間をかけていつか良いお友だちと言えるようになりたいと密かに切望している)、ファイナルやセミファイナルまで残っていた激うまプレイヤーたちとも話すことができて、これからもっと先へ、もっといろんなところへ歩いて行きたいし、歩いて行けるエネルギーをその日一日でもらったような気がしました。

もうひとつ嬉しかったのは、演奏を終えて学校に戻るとき、良いニュースを持って帰れなかった等身大の自分を、両手を広げて受け入れてくれる友だちがいると気がつけたことでした。正直なところ日本にいたときの私は、多少なりとも格好つけて生きていた部分があったんだと思います。良い結果が出なかったあとはいつも、1人になって、人ときちんと話せる状態に自分を持っていく作業が必要でした。でも今回は会場を出たあと、すぐに彼氏と友人に「アカンかった!今から学校行く!」と電話をかけて、彼らに会いに行きました。会う人会う人が「オーディションどうだった?」と聞いてくれることが、「いい経験になったね!」と言ってくれることが嬉しかったし、「全然ダメだったんだよ、でもまた次頑張るよ!」というセリフを何回でも言うことも、嫌ではありませんでした。「そんな経験ができたなんて最高だね!」と言ってくれる人が本当にたくさんいて、素敵な人たちに囲まれて支えられて生きている幸せと、ここでこうして勉強できていることへの感謝で心がいっぱいになりました。英語もドイツ語もあやふやで、恥をかかないと会話ができない場所に来たことが、見栄を張らない自分で、自然に物事に向き合うということをできるようにしてくれたのかもしれない。


応募して、オーディションへの招待を無事もらえてからは、1日1日、できるようになったことを増やしていこう、不安要素をひとつひとつ潰していこうということを、確実に行うことを肝に銘じて練習していました。特に2週間前くらいからは、毎日充実した気持ちで練習を終えることができていたと思います。それができる心の状態を、どんな日でも作って練習に向かうということができるようになったのは大きな収穫だったし、次のチャンスがやってきたときに、必ず繋がる時間になったと思います。人と比べずに、自分のプロセスを自分のペースで、自分で舵を取って進んでいきたいものですね。人と比べないって、実は本当に難しいんですけどね。でもその舵が上手にとれるようになったとき、練習がもっとずっと楽しくなると思います。

オーディションのあとIanに会ったのは今日が初めてで、思ったことを色々と話したのですが、以前に比べて言いたいことや聞きたいことを心のままにぶつけることができて、私のマインド整理とマインドセットを本当に助けてくれました。なんだかんだで、もうすぐ最初の一年が終わるのでね。ここまで想定していた以上に学んだと胸を張れるけど、これからもくらいついて、今まで以上にいい方にいい方に変わっていけたらいいな。

来週は、今セメスターで学校を終える人たちのAbschluss Prüfung(卒試)に、カルテットやオーケストラでちょいちょいと出演してきます。来週だけで3人ほど。バチェラーでもマスターでも、みんな40分くらいのプログラムを組むので、それぞれ聴きに行くのを楽しみにしているのですが、まずはしっかり演奏してきます。声をかけてもらえるのが嬉しくて、調子に乗ってなんでもかんでも引き受けていたら、5月頭にして、あと一回休んだら出席不足で単位がもらえない、ギリギリを責める限界学生になってしまう予定です。セメスターが終わるまで絶対に風邪をひけない。健康にも気を付けながら、ひとつひとつまっすぐ頑張っていきます。





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