中本速

詩と短歌が好きです。テニスを始めましたが両手バックハンドに苦戦しています。 メールアド…

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詩と短歌が好きです。テニスを始めましたが両手バックハンドに苦戦しています。 メールアドレス:sknkmt02@gmail.com

マガジン

  • 心の詩歌

    詩や短歌に興味がある方向けです。詩歌の紹介・創作論・哲学・社会問題などが中心です。更新頻度は月六回以上。

  • 【完結】ハンセン病療養者の短詩を読む

    『訴歌 あなたはきっと橋を渡って来てくれる』阿部正子・編(皓星社) という本から、 ハンセン病療養者の短歌・俳句・川柳を評付きで紹介します。

  • 【更新停止中】現代短歌の鑑賞101 を読む

    短歌の詞華集『現代短歌の鑑賞101』を、読んでいきます。 ……ということで書いていたのですが、 「アンソロジーを読んでの評は批判的なことを書きづらい」と気付いて、筆が止まってしまいました。 途中までになっております。

  • えいしょ・評

    • 91本

    メンバーによる評が読めます。

最近の記事

【心の詩歌】短歌の韻律について考える その六 韻律の「弱さ」に着目する

私達はふだん言葉を使う際、韻律のことを忘れています。韻律は、意味のある言葉においてはすぐ力を失います。弱いものです。「イヌ」や「ドッグ」はブーバ・キキ効果を持ちません。しかし、それならば「意味を弱くすれば、韻律を前景化することができる」。

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    • 【心の詩歌】短歌の韻律について考える その五 はっぱふみふみ

      岡井隆『現代百人一首』がとりあげた、韻律の良い短歌があります。 1969年、万年筆のコマーシャルに使われた言葉を、大橋巨泉の短歌として岡井は取り上げました。 この短歌について、おそらくは実際にそういう批評があったのでしょう、「ここには形式だけがあって内容がない」という考えを仮想敵として、岡井は書きます。

      ¥300
      • 自分はまだ、テニスのシングルスはやるのは無理だった でもシングルスって出来るようになったら楽しいと思うんだよ

        • 【心の詩歌】短歌の韻律について考える その四 「べくべから」再考

          この文章の「その一」で引用した評文があります。 これは次の短歌を評したものです。 この短歌は、「意味」が薄い。 「べし」の活用を並べる前半部はもちろんですが、後半の「すずかけ並木来る鼓笛隊」の部分も、「べしの活用について音の印象を語っていて、もしかしたら鼓笛隊は想像のなかのものかも?」と思います。 加藤ちひろの評文には、「意味が分からなくても、心地よい調べならば自然と歌を覚える」とあります。 それはひとつの正しい意見だと思います。

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        【心の詩歌】短歌の韻律について考える その六 韻律の「弱さ」に着目する

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        • 【心の詩歌】短歌の韻律について考える その五 はっぱふみふみ

          ¥300
        • 自分はまだ、テニスのシングルスはやるのは無理だった でもシングルスって出来るようになったら楽しいと思うんだよ

        • 【心の詩歌】短歌の韻律について考える その四 「べくべから」再考

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          91本

        記事

          【心の詩歌】短歌の韻律について考える その三 トレードオフ

          どうして、「ブーバキキ効果」「恣意性」という相反する事柄が同時に正しいのでしょうか。 前回の最後にこう問いかけました。 私自身の考えでは、意味と韻律のトレードオフがこれを説明してくれます。

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          【心の詩歌】短歌の韻律について考える その三 トレードオフ

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          先日。エノキとシメジを買ったのだが、エノキを使いたかった料理にまちがえてシメジを入れてしまった。シメジを使いたかった料理にエノキを入れることで、問題は解決した。

          先日。エノキとシメジを買ったのだが、エノキを使いたかった料理にまちがえてシメジを入れてしまった。シメジを使いたかった料理にエノキを入れることで、問題は解決した。

          【心の詩歌】短歌の韻律について考える その二 ブーバキキ

          韻律について、今度は別の方向から考えてみます。 ブーバ・キキ効果と呼ばれるものがあります。 次の画像を見て、どちらがブーバでどちらがキキか答えてもらいます。 ほとんどの人が左がブーバで右がキキだと答えます。 このように、言葉の音声は言葉の指示内容と関係を持っているというのがブーバ・キキ効果です。 実際、短歌の評でも「サ行音のさわやかな印象」「ハ行音のやわらかさ」といった言い回しはしばしば耳にします。 ブーバ・キキ効果は実際にあるとともに、身近なものです。 ところが、

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          【心の詩歌】短歌の韻律について考える その二 ブーバキキ

          ¥300

          【心の詩歌】短歌の韻律について考える その一 べくべから

          まず一首読んでみましょう。 私自身の読書体験によれば、どの本にどう載っていたというところまで思い出せませんがこの一首は韻律のすぐれた短歌として取り上げられることがあります。 私自身もそう思っています。 「べし」という古語の助動詞の活用が、おそらくは小太鼓の演奏のように聞こえるという一首ですが、前半部をすべて「べし」の活用で埋めていて面白い短歌です。「すずかけ並木」という言葉も、等間隔に配置された木々を思わせて、リズム的な感覚があります。 ただ、思うことがひとつあります。

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          【心の詩歌】短歌の韻律について考える その一 べくべから

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          今月前半あまり書いていませんでしたが、今日から短歌と韻律の話をします。 (うっかり「あした」とつぶやきましたが今日でした) その一 べくべから その二 ブーバキキ その三 トレードオフ その四 「べくべから」再考 その五 はっぱふみふみ その六 韻律の「弱さ」に着目する

          今月前半あまり書いていませんでしたが、今日から短歌と韻律の話をします。 (うっかり「あした」とつぶやきましたが今日でした) その一 べくべから その二 ブーバキキ その三 トレードオフ その四 「べくべから」再考 その五 はっぱふみふみ その六 韻律の「弱さ」に着目する

          【心の詩歌】短歌で「否定」できるか

          最近、短歌で「何かをちゃんと否定できるか」ということを考えています。 ある立場を明快に否定するような短歌が書ける人は珍しい。 一首目は、「だまされるほうが悪い」という意見の人を、 二首目は、野茂の手柄を自分のもののように思う人を、 明快に否定しています。

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          【心の詩歌】短歌で「否定」できるか

          ¥300

          noteのつぶやき機能を使ってると、普通にツイッターやれば?という気もしてきますが、大したことも言えませんしなあ いまは、自分は短歌を韻文だと思ってないかも?ということをぼんやり考え中です。ていうか韻文ってほんとに「ある」のかな ぼんやりぼんやり

          noteのつぶやき機能を使ってると、普通にツイッターやれば?という気もしてきますが、大したことも言えませんしなあ いまは、自分は短歌を韻文だと思ってないかも?ということをぼんやり考え中です。ていうか韻文ってほんとに「ある」のかな ぼんやりぼんやり

          短歌やってる人あるある:パソコンで「営」と打ったつもりが「詠」が出てしまう

          短歌やってる人あるある:パソコンで「営」と打ったつもりが「詠」が出てしまう

          お会いした人に「中本さんのアブラゼミの俳句印象的でした」と言っていただいたが自分がその句のことをほぼ完全に忘れており、「なんか……あったような……きがする……」と冷や汗をかいた。その句自体にとってはいいことかもしれない。たぶんこんな句。 気の早いアブラゼミだなあ死んでゐる

          お会いした人に「中本さんのアブラゼミの俳句印象的でした」と言っていただいたが自分がその句のことをほぼ完全に忘れており、「なんか……あったような……きがする……」と冷や汗をかいた。その句自体にとってはいいことかもしれない。たぶんこんな句。 気の早いアブラゼミだなあ死んでゐる

          【心の詩歌】【公開記事】歌人・岡井隆の本から学んだこと

          短歌を作るための本はいろいろあります。 友人に岡井隆の短歌入門書を勧められて読んでいると、学ぶべき点があることに気付きました。 これは、歌人の多くに当てはまることがらでしょう。岡井は、自分の書くべき題材を離れてしまった人の作品について「平凡で、歌を作るよろこびの感じられぬもの」になったと言っています。 逆から見た言い方もできます。その人の普段の凡作、凡作への努力は、肉親を失った短歌において初めて結実しました。 いまこの日に素晴らしい作品を作ろうとして成功しなくても、いつか

          【心の詩歌】【公開記事】歌人・岡井隆の本から学んだこと

          【心の詩歌】定額減税にシステム改修は必要か

          しばらく前のことです。SNSのトレンドに「システム改修」が入っていて、内容を見ると減税の話でした。 「定額減税」に関する話題ですが、喜びの声ではありませんでした。 岸田内閣が、定額減税を給与明細に記載するよう決めた。 そんなことをしたらシステム改修が必要なのに何を考えているのか。 怒りの声がトレンドになっていました。 人件費が減税を上回るかもしれないと述べている人もいました。 そんなことあるでしょうか?

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          【心の詩歌】定額減税にシステム改修は必要か

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          【心の詩歌】テニスと短歌と競技性

          今度、ウインブルドン歌会というものをやります。 歌会をしたあとテニスをするという催しです。 短歌は、人と比べることが目的ではないのに、歌会をして、しばしば得点を競います。 歌会に参加せず、結社誌やマスメディアの短歌欄に投稿を続ける人もいます。 結社誌は選といって、上級者や師匠に、今月は何首載せてもらえるかという楽しみ方があります。(もちろん、それだけではないでしょう) いずれにせよ、短歌の世界は何らかの形で「選ばれる」「上に行く」「勝つ」ということを仮想的に行っています。

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          【心の詩歌】テニスと短歌と競技性

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