3月

時間が有り余るほどあったからたくさん読めた!!うれしい


1.『往復書簡 初恋と不倫』坂元裕二

久しぶりに読んだ。
初恋、思春期に出会う特別でたった一度の恋。不倫、たくさんの秘密を二人だけの世界で味わう蜜な恋。いつかは消去されてしまうメールに込めた秘密の駆け引きがたまらなく美味しい。好き。

2.『十代に共感する奴はみんな嘘つき』最果タヒ

タイトルに惹かれて購入。
高校時代を青春って言葉で簡単に片付けられるのには反対で、その当時ならではのぐちゃぐちゃしたもの、理解できないもの、都合よく忘れていくけど当時は確かにあった。読み進めるのはなかなか大変だけど、あー、わかる。ってなったり、そこまで言う?って笑ってしまったり、思い出したくない生徒指導室の狭い光とか、同情の目線とか臭い川とか、自分の忘れてた記憶も蘇ってくる。急だけどラストが良い。中途半端に綺麗でも汚れでもない子供で大人な女子高生の思考。

3.『cocoon』今日マチ子(漫画)

戦争ものだけど、タッチが柔らかくてあったかい。私たちと同じように恋をして、手をつなぎたくて、名前を呼びたくて、絵をかきたくて、歌をうたって、当たり前に生きてる。地続きだ。おんなじだ。友達だ。と、思えた。

4. 『ムロ本、』ムロツヨシ

大学の先輩と喋ってて、「もうムロツヨシになるしかないんじゃない?」との謎の助言をいただきそういえばと思って読んだ。が、私はムロツヨシさんじゃないわ、なれないわ。と、思った。それが結論です。
戯曲的な小作品の集まり。これまでの人生の質感と感情の丁寧さが伝わってこういう書き方もありか~~と発見。ぶあついけど文字数少ないから一日で一気に読める。


5. 『坂下あたると、しじょうの宇宙』町屋良平

よかった!不思議な言葉遣いとひらがなのセンスがおもしろい。私が好きな詩と言葉について熱く語ってくれるからもれなく好きだった。
いいなあ。真夜中に一緒に散歩できる友達ほしかったし、友達がキスしたっていうとんでもなく事件なドキドキを一緒に体感したい。特に初々しい恋のきゅーーーーっとなる感情がそのまま書かれてるのが恥ずかしくてくすぐったくてやっぱり恥ずくて布団のなかに隠れた。
生活もなにもかもためらいなく投げだして夢中になれる大切なものがある青春、好きです。



6. 『落下する夕方』江國香織

江國さんはじめましてだったけど、好きだな。起伏が激しいわけじゃなくて静かに絶望してる、ほんのりした寂しさ、小雨が似合う感じ。一気読みがつがつする!って感じじゃないけどゆったり読みたくなる。電車で読むのにちょうどよい。
失恋下手な私的にもすごい惹かれる内容だった。ふつうは理解されない関係の梨香、健吾、華子。まあ、冷静に考えてもやっぱりふつうだったらあり得ないだろ、と思っちゃいがちだけど、特に恋愛において普通なんて存在しないし、心は揺れるし、ものごとは思わぬ方向に運ばれてく。心の内や正直なんて誰にもわからないしつかめない。ってことがそのまま書かれてるのが好き。文学の香り。何かを失ったときにゆっくりまた読みたい。



7. 『時をかけるゆとり』朝井リョウ

朝井さんのエッセイ勧められて読んだら爆笑。このご時世マスクしててよかったよ、電車の中で騒音に紛れて噴き出しまくった。
直木賞をもぎ取った語彙を駆使して繰り出す言葉がアホすぎる。才能の無駄遣いに見せかけた最高の使いまわし。唸る。あまりにバカ、無益、最高。
こんなくだらない大学生活全力で過ごしてみたかった!当時の朝井さんと友達になりたい!!!って思った3秒後に本気で考えたらちょっとやだなと思いました。だれにでも勧められる本。なんの役にも立ちません。
















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