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「街の上で」を観た


※ネタバレを含みそうです。思ったことからバラバラ書いているので読みにくいかも。




ホームビデオかと思うくらい和やかに淡々と、でも一歩ずつすすんでいく。そんな映画だった。日常の延長を撮ったみたいな映画で、「これ映画として流すの?あまりにも普通の会話すぎない?」みたいなところまであった。

なんでもないことが、なんでもないように、流れていく。流れの中で、ぶつかって、まるくなって、紡がれる。


撮るよって言われてがちがちになってしまう主人公に笑ってしまった。その主人公の、あまりにも人間的な優しさに(良くも悪くも)周囲の人間がほどかれていく映画だった。終盤の勘違いと素直になれない中での掛け合いが本当に面白くて、けらけら笑ってしまった。ひとりひとりのどうしようもなさとか、人間らしい汚さとか、「リアル」というよりも「写実」ってかんじがして、とても愛しかった。

少しずつ関係性が(観ている側のなかで)つながっていくこと、「こちらにしか分からない」をとても綺麗に面白く描いていた。あの主人公の巻き込まれ体質というか、「うわ~気まず~」みたいなあの感じ、どこかで共感できるかんじ。

『愛がなんだ』のポスターがバーの壁に貼られていてクスッてなったのと、その映画でも思ったけど、主人公を演じた俳優さんはどうしてこう、「普通の人」を魅力的に演じるのがうまいんだろう。味をじわじわと出してくる。それでもって、友情出演のわりに結構出てくる成田凌に笑った。演じ分けがいつもすごいなと思う。出てくる女優さんがみんなとてもかわいらしくて、特にユキちゃん役の方がすごい綺麗だと思った。

(小劇場のスクリーンの前で、見ず知らずの人が同じことで笑っている。そういうこと自体が今は幸せだと思った。映画の感想とは少し異なるかもなので、かっこ書き。)

誰も知らなくてもそこにあった。確かにあった。それを見届けに来たラストのシーンがとてもよかった。恋愛じゃなくても好きは好きだし、大事は大事だよね。転じる場合もあるけどそれは確かに成立する気持ちなんだな。

あったかくなりたいときに、また観たいなと思う。

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