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論:Podcastの魅力について

序論:podcast流行の大波 in China

ついこの前の7月7日、South China Morning Post の Youtube公式チャンネルにて、中国でのPodcastの勃興とその動向について簡潔な動画がされていた。

中国のメディアといえば、国家検閲が不可避であることは、3000年以上培われてきた王朝政治の延長線上にある中国共産党の統治哲学に明らかである。ここでも1つ問題として取り上げられていたのは、Podcast も、人口に膾炙していくに従い、中国の厳格なメディア規制を免れ得ないということだった。例えば、新型肺炎流行期間中の失業に関するエピソードは、大いにして削除されているという。

本論:Podcastの魅力

さて、本動画では、北京大学構内でインタビューが行われていた。そこで、取材を受けていた人々の中の声には以下のようなものがあった。

「Podcastは、従来のメディアよりも真面目過ぎない。そして、様々な声や意見に触れることが出来る。自分の考えを発達させてくれるからとてもいい。」

「時事問題について議論しているpodcastを聞くのが好き。(以下略)」

私も以上2つの声にとても賛同したい。個人的には、podcastは、以下の3点でとてもよいメディア形態だと主張する。

1つ目は、外国語能力の上達である。音声だけであるため、自然と聴覚に意識が一点張りする。学習したばかりの新しい語彙や言い回しなどが不意に出てきた時は、感動するのみならず、深く脳内に刻まれる。これにより、語彙力やリスニング力が意識せずとも身に付く。

2つ目は、国外の新鮮な情報の入手容易性である。現在国際関係規範上、ハードパワー・ソフトパワー両面にて大国として取り上げられる2カ国の共通言語:英語と中国語の番組で、時事問題について議論することを趣旨とするものであれば、時宜にかなった情報とそれに関する様々な議論が聴ける。

そして3つ目は、音声編集の多様さである。収録者や編集者が視聴者に魅力を使える唯一の道具は音声のみだ。故に、一分一秒の音声編集が番組の質を左右する。それは、収録者自身の声質や振る舞い、そして編集者の音楽編成技術や折り込まれた仕掛けがモノを言う。

結論:時空を超えたメディアの原点回帰

総じて、podcastは、視聴するメディアすべてを最大限外国語学習のための道具とするとともに、日本の外で何が起きているのかについての情報を取り入れるための上質な媒体として活用することを肝とする私にとっては、至高のチャネルである。

これを書いている途中にふと思い出したのは、JET STREAM。今となっては、50年以上も続く、日本のラジオFMの長寿番組だ。私は中学・高校時代によくこれを聴いていた。50年代、60年代のJAZZを覚えたのもこの番組がきっかけだった気がする。未だに記憶に鮮明なのは、当時、ちょうど第三代機長伊武雅刀から第四代機長大沢たかおへの交代があり、私自身をかなりがっかりさせたことだ。

ともあれ、精神が不安定な疾風怒濤の思春期には欠かせない存在だった。番組冒頭の「Mr.Lonely」を聴いた瞬間、嫌なことは何もかも頭から吹き飛び、不思議と肩の荷が下り、安心して眠りについていたことを今でも覚えている。

近頃は、Youtubeを筆頭に、動画戦国時代とも言われている傍らで、podcast という媒体も盛んになっている。それは隣の奇妙な発展途上大国中国でもそうだ。もしやこれも一種のヘーゲルが提唱していた螺旋的発展の世界規模展開なのだろうか。いずれにせよ、私は一貫して音声派であり続けたいところだ。

付録

私は、動画を見ている時間よりも、podcastを聞いている時間の方が圧倒的に長い。そして、現在私のgoogle podcastでは、計15個の番組を登録している。以下では、私が必ず聞いている番組を紹介する。

English

The Journal (by Wall Street Journal)

Today, Explained (by Vox)

Make Me Smart with Kai and Molly (by Marketplace)

Inside China (by South China Morning Post)

China Geopolitics (by South China Morning Post)

This Is uncomfortable (by Marketplace)

Weekly Economics Podcast (by New Economic Foundation)

Radicals in Conversation (by Pluto Press)

中文

声东击西 (by 声动活泼)

喷嚏 (by 你好 竹子)



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