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「大切なモノの大切さ」は比べられないからと、我儘を通せない。

JR目黒駅から東横線の中目黒駅まで山手通が通っている。そこからひとつ外れると目黒川沿に歩道を歩くことができる。中目黒に最近できたらしいスターバックスの新しい店舗に向かおうと、僕らは駅のラーメン屋で会計を頼んだ。

新目黒橋を渡ってから歩道を歩き始める。「新」と付くからには目黒橋がどこかにあるのだろうか、突然「旧」っぽくなってしまったどこかの目黒橋が可哀想だなとか、そんなことを考える。

東京はすっかり猛暑に襲われている。あそこでは何度まで上がった、何度以上の地域が何箇所あった、テレビ・ネット問わずニュースメディアはこぞって報道している。今日は朝からずっと雨という予報だったのだが、お昼過ぎから太陽が堂々と顔を見せている。セミも41度を超すと熱中症になってしまうらしいが、今は鳴くことができる程度の暑さらしい。

今肩を並べて歩いている人と、僕はこれからの人生を共に過ごすと決めている。一方的な思いではない、ちゃんと了承は得ている。数ヶ月前から同棲を始め、多分そこそこ上手くやれている方だと思う。少なくとも今別居はしていないのだから、そう言うことにしよう。

自分と自分以外の人と人生における大事な瞬間に向き合う時、それぞれの価値観の違いというものにぶち当たる。「大切のモノの大切さ」はその一つだと思う。関わり方と言っても良いかもしれない。例えば多くの人にとって家族や友達は大切な存在だけど、付き合い方は人それぞれだ。どちらが正しいというではないが、時にどちらかを優先せざるを得ない状況に陥ってしまう。その時もう一方は何かしらの妥協を迫られることもある。

僕はそんな時、遠慮してしまう。自分が我慢すれば楽だと思ってしまう。相手の大切さと自分の大切さを競わせるのが怖いのだと思う。

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夏の思い出

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