【副業インタビュー】複数企業での副業経験全てが自身のスキルの引き出しになる
千葉県銚子市で60年の歴史を持つ銚子大洋自動車教習所。時代に対応した人事戦略や組織づくりを副業者として担っている野村慎一郎さんに、副業へのきっかけや意義、これから副業を考えたい人へのアドバイスを伺いました。
副業を始めたきっかけを教えてください。
大手情報サービス業で仕事をしてきましたが、40歳になったころ「このままでいいのか」という漠然とした不安が生まれました。会社の看板を背負っての仕事ではなく、自分個人として、どれくらいの実力値があるのだろう、ほかのお客様にどれくらい貢献できるのかということを考えるようになりました。
また、定年退職後の第二の人生を考えたときに、いろいろな人たちとパイプを作って仕事ができるようにしたいと思っていたので、副業は自分の活躍の場を広げる機会だと、ポジティブに考えていました。
当初、本業の会社は副業禁止だったのですが、副業を後押しする国の方針もあり、やがて解禁。自分が動き始めたのは43歳くらいです。
銚子大洋自動車教習所の副業求人に応募した理由はなんですか。
銚子大洋自動車教習所さんは副業2社目です。実は応募の時点で同社近くの食品卸の会社で職場環境構築や人事評価制度を作る副業をしていました。
本業がテレワーク主体になり、往復4時間の通勤時間が浮いたことに加え、土日も使えばもう1社くらいできるかなと考えました。そこでSkill Shiftで検索し、銚子大洋自動車教習所さんの募集を見つけました。
募集のメッセージから自動車教習所は変化しないといけないという危機感を強く感じました。
変化のために必要な人事戦略についてアドバイスを求めている印象を受けたので、採用面や社員の育て方、働き方をどうするかという点についてお手伝いできると思い応募しました。
本業の方で、採用の仕組み作りや人材育成を経験しており、そこが自分の一番の強みだろうと思っていましたし、副業1社目の会社と距離が近く、1日あれば両社とも訪問できると考えたことも、応募した理由の一つです。
業務の内容について教えてください。
まず会社の現状を把握する必要がありました。ですから社長の考え方と、社員の方々の会社に対する期待や不安をヒアリングし、問題点を洗い出すことからスタートしました。
浮かび上がったことは、社長は危機感から、短期的な取り組みだけではなく、中長期的な取り組みをしていかないといけないと考えていますが、一方で現場の社員の方は、まずは短期である目の前の仕事をこなさないといけない実態があるということでした。
そこで、中長期的な視点から新たな事業を考えたり、新たな組織づくりを担ったりできる人を外部から採用することを提案しました。同時に、今、いらっしゃる社員の方がより意欲的に仕事ができる職場環境や仕事の進め方の改善、さらに必要となる制度づくりを進めてきました。
業務を始めて1年余り。2021年はエージェント経由で若い世代を3人採用し、人事評価制度も2022年の運用を目指していると聞きました。成果が出始めていると言えますか。
まだまだ。道半ばです。でも、例えば仕事の進め方でいえば、ゴールに向かってどのようなプロセスで行うのか、マルチタスクの優先順位をどう考えるのかなどについては、社員のみなさんに伴走しながらお伝えしてきました。
また、社長が方向性を示したものを実行に移す際に、経営幹部としてどういう行動をすべきか、どんな覚悟が必要かなどについてもお伝えしてきました。これらについては少しずつ意識、言動に変化がでているのかなと実感しています。
若い人たちには、今まで以上に機会を提供し、社風や組織を変えて頂けるように、また、ベテラン社員には、ご自身の得意な分野で継続的に活躍して頂きたいと考えていて、5年後には今まで以上にワクワクする銚子大洋自動車教習所になれると信じています。
ご自身にも変化はありましたか。
さまざまなタイプの人と接することでコミュニケーション能力が上がり、人としての幅が広がったかなと感じます。
正直、これまで大企業の中でしか仕事をしてきませんでしたが、日本社会の根幹をなす中小企業の人たちの考え方を感じ、学べ、自分の仕事のやり方を見直すきっかけになりました。
また、副業として2社で人事・組織に関する制度を作らせてもらいましたが、まったく違う制度になりました。いろいろなケースを経験したからこそ、自分の引き出しが増えてきたと実感しています。
副業に充てる時間はどのくらいありますか。
銚子大洋自動車教習所さんに割いている時間は月8時間です。実はいまもう1社引き受けていて副業だけで3社あり、トータルで月22時間くらいです。
立ち上がりは、お互いの考えのすり合わせや進め方について決めていく大事なときなので、あまり時間は気にしません。
銚子大洋さんも月10時間以上かけたと思いますが、走りだせばこのくらいの時間で落ち着きます。ゼロから始めたわけではなく、今までの経験や実績をベースに行うので効率的にできると思います。
また、対面とオンラインも目的や場合によって使い分ける、例えば、最初の関係性構築や、立ち上げ時の方針すり合わせの時は対面、隙間時間や、急に「いまから10分話しましょう」といったときはオンラインといったように、使い分ければ効率的に進みますね。
副業を試したことのない人たちへメッセージをお願いします。
仕事を続けてきて40歳くらいになれば、誰でも何かの形で必ず人の役に立つ経験を持っています。自分では当たり前のことでも、違う業種の人に話して「目からうろこだった」と言われることもあります。
今までの経験を提供して喜んでもらえることは、自分を高められるいい機会だと思うので、勇気をもって外に出ていくことでしょうか。
ただ、やはり不安な方もいるので、ベテランの副業者と一緒に相手先との打ち合わせに出てみるなど「副業の疑似体験」をする機会があれば、より副業への門戸は広がると思います。
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