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初めての来客

7月から本格的に民泊を始めた。4月中には県からの承認がおりていて、本当はもっと早く始められるかなと思っていたけど騒ぎがあったから仕方ない。

ご近所さんへの配慮もあって、6月末~7月にかけて予約受付を開始した。

とは言えいつまで騒ぎが続くか分からないし、まだ当分は大きな動きなくお客さんも来ないかなあと思っていた矢先。

「……予約入ったよ!」

ワタワタしながら夫に伝えた。

エアビーの愛称で知られるairbnbは、宿泊施設を提供する人と泊まる人向けのウェブサイトで、外国人も日本人も使える。予約や支払いなどを行える。いまや世界192カ国以上のお宿が紹介されているらしい。

そんなわけで私たちもエアビーに登録している。予約がすぐに入ったので正直びっくりした。きちんと準備しないといけない。ちょっとピリッとした気持ちになった。

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結果から言うと、お客さんは大満足して帰ってくれた。自分たちと同世代の20代カップルで、登山旅行の合間に使ってくれたらしい。女性はお目目パッチパチの可愛いイギリス人だった。

土壇場でいろいろ備品を準備して、掃除して、正直お出迎えするまではヒヤヒヤした。たぶん夫も同じだったと思う。

土壇場で湧き上がる力に「集中力と行動力」がある。お客さんが来る前日の自分がちょうどそんな感じで、今考えると恥ずかしくてお客さんには絶対見せられない。

特に庭の草木と竹を剪定したばかりで、庭が散らかり放題だった。どうにかしたいと思って、日中一人で作業をした。気温高く蒸し暑い時間帯に焚き火をして、草木を燃やす。切られた草木を再び火に運ぶ。その繰り返し。午前中の5時間くらいはこんな感じで作業した。もう汗びっしょり。

その後お昼ご飯を食べ忘れて、着替えて買い物に出かけた。もちろん買い物の目当てはお客さんが使う宿泊用備品の買い足し。自分が泊まる立場だったら「不潔な宿泊施設ではぐっすり眠れない」と思うだろうから、特に寝具系は大事にした。

一日がとても長かった。

「よく一日でこんなに作業できたね。分身したの?」

仕事から帰った夫に言われた。分身はしていないが、腹は減った。

やらないといけない状況に置かれると追い込まれて最大限に動こうとする。改めてゆるゆるときびきびの差が激しい自分の性格にびっくりした。ナマケモノモードの時は靴下を片方脱ぎ忘れて、片方が裸足のこともある。人はいろいろな顔を持っている。

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エアビーにはレビューという制度があって、ゲストとホストがお互いにお互いの評価をしあう。私たちにとって初めてのお客さんは最大限によいレビューをくれた。ホッとした。

バタバタと忙しかったけれど「楽しかった」という感情が一番大きく残った。

まだまだ民泊は始まったばかりだけど、少しずつ慌てないで済むように経験を積んでいけたらいいなと思う。誰かが家に来て喜んでくれるのはとても嬉しい。


そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。