産後10カ月の振り返りと世間で議論されたこと
子が生まれてからもうすぐ10カ月になる。
ここまであっという間だった。つい先日生まれたばかりだと思っていたのに、1歳のお誕生日が目前に迫っている。あっという間であると同時に、一日一日が本当に濃密だった。朝から晩まで(子育てには朝も夜も関係ないが)お母さん業、よくがんばってきた。
今日は、子が生まれてからの生活の変化やリアルタイムで感じていること、この期間に世間で議論されたことに対する意見などを書いてみる。
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子が生まれてからライフスタイルはガラッと変化した。端的に言えば、これまでは自分中心だった生活が「子中心」に回るようになった。わかりやすいのは「時間の使い方」だ。
赤ちゃんは多忙で、食事・うんち・おしっこ・昼寝・遊び・散歩・風呂の時間など、過密なスケジュールを日々こなしている。そして、それらすべてをサポートするのが親の仕事だ。
さらに赤ちゃんは言葉が喋れないことから、感情を泣いて表現する。その都度「どうちたのぉー?よしよしぃー」と声をかけるわけだから、とにかく自分のことは後回し。
そんな生活にも慣れてきたが、唯一自分のご飯をゆっくり食べられないのは今だに慣れない。子が生まれる前は一時間くらいかけて、夫婦でいろんな話をしながらご飯を食べていたけれど、今はそれどころではない。お昼については、オートミールに豆乳と青汁粉末をかけて5分くらいで終了することもある。
そういえば女優・石原さとみも産後についてのインタビューの中で「納豆ご飯をかきこむように食べて…」と表現していた。うん、わかる。そうなる。その影響もあってか、ここ数年改善していた反芻症が再発した。治したい。
体調関連で、産後の母体についても少し書いておく。私は安産だったからか、産後の回復は早かったと思う。退院して一週間もしないうちに円座クッション持参して美容院へ行ったし(笑)。産後半年を過ぎたあたりで生理も復活した。
メンタルもなんだかんだ元気な方。これは恐らく、夫が積極的に子育てに参画しているからだろうと思う。実家の両親の支えも非常に大きい。
「産後の恨みは一生消えない」とよく言うが、恨みどころか産後一年の在り方次第で、夫婦を続けるか・夫婦を解消するかが決定すると思う。どんなに二人の結婚生活が長かったとしても、子が生まれた瞬間に関係性はリセットされてゼロに戻る。子育てはやることがてんこ盛りだから、産後一年でどのように夫婦の形や役割を再構築していくのかが問われる気がする。
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毎日が大変だけど、赤ちゃんという生き物はとてもかわいい。かわいいでは足りず、本当に天使のような存在。
良い意味で赤ちゃんは人間らしくなく、なにか別の生き物のようだ。うちにはヤギやニワトリがいるが、それと同じように「赤ちゃん」というカテゴリーが存在している感じ。
そろそろ10カ月を迎えようとしているわが子には、最近以下のようなブームがおとずれている。
正直、私は自分の子が生まれるまで子どもに強い興味がなかった。町で見かける子どもに、心動くかわいさを感じたことはなかったし。それが自分の子を生んでから、子どもという生き物のかわいさやおもしろさに段々と気が付き始めている。単純(笑)。
うちの宿を利用してくれる子どもたちに対しても見方が変わった。YouTubeでは「てぃ先生」や「うたスタ」を視聴するようになるなど、教育への関心も湧いてきた。世の中のお父さん・お母さんたちが抱える悩みや喜びを想像しやすくなったのもある。
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この期間、世間で議論された話題にも触れておこう。
まずは「産休クッキー」。これはかなり議論が巻き起こった。産休クッキーとは、出産を控えた人が産休前に職場の人に渡す、赤ちゃんなどの絵柄入りのお菓子のことらしい。今回注目されたのは「不妊治療中の人に配慮がない」「ふつうのお菓子でいい」「そもそも産休前にお菓子を配る必要がない」などマイナスの意見を持つ人が多かったからみたいだ。
元会社員、かつ高度不妊治療を経験した身からすると、確かにこのクッキーの必要性は疑問。一方で、妊娠や出産は奇跡の連続であり、妊婦だって命がけで戦っているわけで、その点が少しも理解されずネガティブ要素だけを詰め込まれてしまうのは残念とも思う。
似たような問題で議論されたのが、マタニティフォトのSNS公開についてだ。元女性アイドルグループの一人が、SNSに立て続けにマタニティフォトをアップし賛否両論のニュースになった。一次情報をあたってみようと、私も実際に見てみた。率直な意見としては、マタニティフォトに対する快・不快の前に「そんなにお腹出して冷えて早産にならないのだろうか」だった。
マタニティフォトを残す・残さないは各家庭の自由だ。どんなに肌を露出して、アーティスティックな作品にしたって勝手だ。ただ、それを世間に公開する・しないは別の話。気分を害する人が一定数いるのは当然のことであり、その点をよく理解して行動するのがよいと思う。必然的に肌の露出が増えるものだし、不快となり得る要素は多いだろう。ちなみに私はマタニティフォトに一切興味がなく、撮らなかった人。夫も同意見(どちらかと言うと不快感が強いタイプ)だった。
最後に、政府が発表した「子どもが3人以上同時に扶養されている家庭は大学無償化」について。
最初はへーすごいじゃんと思ったが、よくよく調べてみると、1人が社会人になって扶養から外れたら制度は適用されなくなる。つまり年齢が離れた兄弟姉妹の家庭にとっては恩恵が少ないか、まったくない。金額についても全額負担ではなく、上限が設けられている。そもそもなんで3人?とツッコミたくもなる。少子化が進んでいるのは、1人目のハードルがとてつもなく高いからであると個人的には考えている。
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他にもチャイルドシートに関する事故や赤ちゃんポストなど、触れたいニュースがあったが長くなりそうなのでカット。
ここまで書いていて、私は世間で議論されていることを考えるのが好きなんだなと思った。自分の意見が浮かぶから、誰かに聞いてもらいたい。逆に誰かの意見もいろいろ聞きたい。