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ひとさじエッセイ:うつ病は良好に向かいつつ

何度か当エッセイでも言及してきたがわたしは「抑うつ」診断をもらっている。
その経過がかなり良くなったので触れておく。

前提としてわたしは家庭環境に由来した筋金入りのうつ病持ちだ。
物心ついた時から両親は喧嘩をしているので入眠障害を患っておりそれはやがて体質となった。
愛想がいいと両親の機嫌も悪くならないので長年愛想良く過ごしていたらそれも性質となった。

社会人になって段々と「疲れているのかな」という日が増えてきた。
ぼーっとしたり、大癇癪を突然起こしそうになったり、ホームガードの無い電車駅にふらり寄るようになった。
心機一転、そんな気持ちを切り替えようと引っ越しもしたが最寄駅はホームガードの無い駅だった。

次第に自分の気持ちに手がつけられなくなった。自殺する手段を探しにインターネットを駆けずり回ったり、サムイサムイマウンテンと題した1人北海道旅行であわよくば置いてけぼりになってどっかで野垂れ死のうとしたり、洗剤をガブ飲みしてみたり(嘔吐したものの口から鼻からシャボン玉出てきた時には流石に笑った)
一人暮らし、裏でコソコソ死のうとしてる人を止める相手も居らず、死にたさには拍車がかかっていた。

とある日に睡眠不足が祟って、死のうとしてる体と愛想の良さから来た人間関係にも限界が来て、ぱったり倒れた。
職場の人には大丈夫です大丈夫ですなんて言っておきながら数日後には、ベッドから起き上がれなくなってしまった。

ベッドの上は最悪だった。眠れないのに動けなくてただひたすらに死にたさだけが脳を駆け回る。
どうにかして死ぬためには体を回復させなくては。
そうしてやっとの思いで動いた体を心療内科に向かわせ、動けるくらいまでに薬をください、と頼み込んだ(逆に先生からは入院してほしいと頼み込まれたが、入院すると自殺できなくなるので断った。)

これが幼少期〜4年くらい前の話。
そして現在。

あまりにもすっかりぱっきりにょっきり心身ともに良くなった。
療養と投薬された抑鬱薬はしっかり効いた。
死ぬ方法を探して100%フル稼働していた脳内メモリは投薬を続けているうちに15%くらいまで落ち着いた。
よほどのことが無い限り、今は死ねない。少なくともPS4で遊ぶ予定のFINAL FANTASYシアトリズムFinalBarLineのDLCを遊び尽くすまでは。Switchで発売予定のピクミン4もある。そのほか色々。

鬱々としている時はきったないドブ沼に揺蕩っているようでそれはそれで気持ちが良かったようにも思えるが、それよりも「ちゃんと活動し、ちゃんと笑えて、ちゃんと眠れる」ことの方が気持ちがよかった。
快適な生活という言葉を体感した。

4種類の抑鬱薬を投与されていた身体もとうとう、1種類のみ。さらには0.25gまでと劇的な回復を遂げている。

前述の通り、幼少期からうつ傾向があったわたしは思考速度が大変遅く、いろんなものに置いてけぼりになってしまった。
それが今や大忙し。
薬が減ってきた頃には遅れた勉強をしたり、これから先どのように生活をすれば愛想の良さの振り撒き方を減らせるか考えたり、後遺症はあるもののきちんと動く身体を維持し続けるには何が必要か学んだりと必死だ。
死のうと必死になっていたのに、生きるために必死になっている。
生存戦略は始まったばかりだ。

今はまぁまぁ元気です。4年前に比べたら死ぬほど元気でやっています。

悠久の風は知らず穏やかに後押ししてくれている。

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