わかりやすい中国経済-note限定記事
こちらの記事でも紹介したように、現在の経済はアメリカと中国のトップ2ヵ国が、突出して大きく、中国がアメリカに、ぐんぐんと迫ってきているという状況です。
なぜ、中国はここまで経済成長しているのでしょうか??
中国はもともとは世界一の経済大国だった
実は、これはあまり知られていないようなことなんですが、中国は最近初めて経済大国になったわけではなく、もともと、世界の経済の約1/3を占める世界一の経済大国だったのです。
1820年と1890年の主要各国の経済力のデータを見てみます。
(※参照)univercity of groningen | Maddison Database 2010
このデータは、購買力平価という指標を使ってます。
(今後、本サイトの方で、購買力平価については詳しく記事を載せたいと思いますが、簡単に説明すると今回のデータは物の値段を基準にした為替レートで測定した経済力のデータを使っているということです。)
このように、1890年あたりでアメリカに追い越されるまで、世界一の経済力を持った国だったのです。
また、中国の経済力が大きいのは、人口の多さです。1人あたりの経済力を見たらわかります。
1820時点では、2位のイギリスに大差をつけていましたが、1820年時点では4ヵ国の中では、最下位です。
つまり、中国の経済力が大きかったのは人口の問題です。
また、日本は、現在経済力が世界3位ですか、もちろん1人あたりの生産性も高いですが、人口の多さが大きく関係しています。
なぜ、中国経済は停滞した?
経済力を高めるためには、「生産性」をあげることと「分配」が適切に行われることが必要です。国を豊かにする方法論として、こちらの記事に詳しくのせてあります。
中国経済の停滞の原因は、鎖国体制により貿易が円滑に行われなかったり、新しい技術が入ってこなかったことや、国の思想による経済体制、内戦や外国との戦争が主な原因です。
中国国内では、国民党(現台湾政府)と共産党とで内戦が起きていました。第二次世界大戦後、国民党の日中戦争による疲弊、ソ連が共産党を後押ししたこともあり、共産党が勝利し中国本土に、中華人民共和国を建設しました。
そして、中国は共産党の思想により、経済体制を計画経済にしました。
計画経済とは、簡単に説明すると、国が生産する物・量を決めて、生産する経済体制で、今年はチョコレートを1万トン分作ろう!とか、服を100万着作ろう!というようなことで、全員公務員状態です。
計画経済では、全員公務員状態ということは頑張っても頑張らなくても給料は変わりません。
つまり必要以上に頑張らないので生産性は上がりません。
なぜ、中国経済は回復した?
なぜ中国経済は回復できたのでしょうか?
中国経済が、上向きになるきっかけは1978年の改革開放という政策です。
改革開放とは、貿易を行うための経済特区の配置、農民に経営権を認める生産責任制などによるの市場経済化政策です。
市場経済については
こちらの記事を参考にしていただくと分かりやすいと思いますが、簡単に説明すると、何を生産するかは政府が関与せずに、市場に任せようという経済体制です。
この市場経済の導入で経済が回復しました。
中国の急成長のわけ
こちらの記事にも載せているのとおり、中国経済は、1991年から2018年までにかけて経済規模は約32.1倍になっています。
市場経済の導入をしたからといって、なぜそんなに急速に経済成長できたのでしょうか。
中国の経済成長のタイプはキャッチアップ型といわれています。
キャッチアップ型の成長とは、先進国の模倣です。先進国のもっている技術や制度を取り入れることでどんどん成長していくというタイプです。
このキャッチアップ型というのは、戦後の日本や韓国などの経済成長もそれにあたります。
先ほどもいったように、中国はかつては世界一の経済大国でした。本来はそのくらいのキャパシティーがあるのに、閉鎖経済や、計画経済などの失策により経済低迷させていたのです。
つまり、先進国の制度や技術を取り入れることの成長の伸びしろがとても大きかったことが急成長のわけです。
また、キャッチアップ型の場合先進国に追いついてきたら、今の日本のように成長の伸びしろがどんどんなくなっていくので、中国の成長は今後どんどん緩やかになっていくことが予測されます。
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