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桃① 桃作りを始めたのは…

「桃作りは、趣味です。」

 農業で生計を立てている人には本当に申し訳ないですが、桃作りについて声を掛けられてときの返事です。

 退職して4年。65歳まで前職の関連職で働くこともできましたが、桃を作るために退職を選びました。

 今は本格的に作っていますし、出荷もしています。当然利益もありますが、すべて妻の収入になります。

 妻の実家は桃農家です。義父が亡くなり農地を含めて妻が相続しました。農業の継承ですので桃などの収益もすべて妻の収入となります。つまり、私には1円も入らないということです。いくら働いても無報酬です。1円も入りませんが、まったく気にしていません。「桃作りは趣味」だからです。
 報酬を出す方法もありますが、手続きが煩雑なのと必要性が感じられなかったので選択しませんでした。

 6年前に他界した義父は90歳近くまで現役でした。桃を手伝い始めたのは結婚してからでした。35年ほど前の話です。
 最初は、早朝(5:00~)の収穫や出荷の手伝いでした。徐々に、袋掛け(桃は一つ一つに袋を掛けます)やシルバー敷(桃に日が良く当たるために畑に反射材を敷きます)を手伝い、10年ほど前からは、義父に変わって消毒を行うようになり、本格的に桃作りを始めました。退職までは、本職との「二足のわらじ」で生活していました。

「別な人生を歩んでみたい」

 退職の数年前から、これからの人生を考えるようになりました。そして、桃作りを選びました。選ばざるを得なかったのかもしれません。でも、桃作りは楽しいです。肉体的に大変なこともありますが、手を掛けただけ「桃」が応えてくれます。やりがいのある仕事だと思います。
 専業農家の人もたくさん知っていますが、農業だけで生計を立てていくことは本当に大変です。しかし、「桃作りは大変だ」と口々に言いますが、皆さん生き生きと農作業をしています。桃作りは楽しい。本気で桃を作っていきたいと思います。

「桃作りは、本気の趣味です」

では、また。

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