KADOKAWA Connected 代表取締役社長 退職エントリー

私各務茂雄は、3/31をもちまして、KADOKAWA Connected代表取締役社長を退任する事になりました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000052179.html


メッセージ

先ず、2017年1月に始めたDwangoのインフラ改革から、2019年4月に始めたKADOKAWAのDXを含め、5年間の今の仕事をやり遂げるにあたり、お世話に
なった皆様に感謝を気持ちをお送りしたいと思います。ありがとうございました。(感謝してもしきれないーーーっ)

AWSやMicrosoft、VMware等、20年間Global企業で働く際に得た知見を、トラディショナルな日本企業にぶつけるというチャレンジングなDXという経営改革を、上場企業の執行役員やDX企業の社長として3年間行った際に得られた知見は、多くの日本企業にとって貴重な財産になるのではないかと感じております。

やってきたこと

社長として色々やってきたなー https://kdx.co.jp/news/ ←足跡

2017年1月〜2018年7月 ドワンゴインフラ改革

3度か4度の失敗が続いていたニコニコ動画のバックエンドの改革を行いました。過去の色々な技術負債を解消し20億/年のコストダウンにつなげることができました。クローズ中のデータセンターを含めて3つのデータセンターをクローズし、インフラチームのチームの立て直しや、ニコニコ事業のエンジニアの仕事のやりかたの改革も行いました。特に、マネジメント研修であるサービスオーナー研修、スクラムマスータ研修をオリジナルで作り、サービスオーナー制度を作ったことが大きなマイルストーンでした。

最後はニコニコの事業管理部長と、技術系の副本部長を行った後に、情シスとニコニコのバックエンドチームを統合したICTサービス本部を立ち上げ、B2Cのエンジニアと、情シスの融合を行う事に成功しました

2018年8月〜2019年3月 カドカワ情シス改革

企業の変化や成長と、人の変化を同期させるのは本当に難しく、カドカワ(当時のKADOKAWAの持ち株会社)の情シスは色々課題があり、グループ全体の情シスを統合する事を行いました。これがきっかけとなり、KADOKAWA Group全体のDXが始まることになりました。

2019年4月〜2022年3月 KADOKAWA GroupのDX

KADOKAWAの合併の歴史やドワンゴとの経営統合の後に、マイナス面が残っている部分、プラス面を生かし切れていない部分を経営課題と定義し、DXという経営改革によって解消するというゴールを持ち、KADOKAWA ConnectedをStartしました。

創業時は、ないない尽くし。人事も一人、数十億/年の売上があるにもかかわらず事業管理も一人、いわゆる総務はゼロ人というところからStartしました。
もちろん採用を開始しても誰も応募してくれない状況からStartし、創業10ヶ月後に初のNative採用の方がオンボードするというくらい、苦労をしてきました。
人事制度もオリジナルであった事により1名からStartした人事チームも創業1年半を過ぎて3名体制になった状況になっても簡単な状況ではなく、採用も40名/年の目標にしていたため数千人の応募に対応するという神業を成し遂げてくれました、本当に人事チームには感謝しています。

ところざわサクラタウンの開業、この施設のICTの仕組みは内製化をしており、数億円のコストダウンと、内製化によるノウハウの蓄積を両立することができました。

ABWという働き方改革においては、これも原則内製化を行い、あらゆる手法を取り入れ、おそらく日本でも最高レベルのリモートワークのやりかたをできていると思います。何故ならば、真のスマートワークについて考え抜いて実践した結果、働き方改革の技術について日本で最高レベルの人材が、KADOKAWA Connectedに複数名いるためです。iPaqとか、Exchange Serverとか、VDIとか、Sharepointとか、チャットツールとか。。。私もベンダ側で推進する立場にいましたし、コロナ対応で実践する場もあったりするなど、あらゆる面でレベルアップできる環境が整っていました。

開発投資のガバナンスという改革においては、徹底した購買やシステム企画のプロセスを「柔軟にでき」「ビシッとマネジメントする」という形にしました。この仕組みも日本のTOPレベルである自信があります。元AWS本部長である私とKADOKAWA Connected No2の M神が5年間やりかたを研究してきましたので。

KADOKAWAの仕事の進め方の改革も行いました。
仕事の役割が曖昧、コミュニケーションが曖昧、ゴール設定が曖昧 という逆DXのやりかたから、サクラタウンやABWの活動、ICT投資を通じて、変える事ができつつあります。そのコアはロールアサインリストという、役割を適切に明確にする仕組みです。この仕組みは日本を救うコアな仕組みになると私は考えています。是非皆さんもConnectedに弟子入りするなどをして、その価値を感じてみてください。

セキュリティ&ガバナンスも前に進めました。
絵に描いた餅になりがちなこの取り組みを、私達のお客様である社員や一般消費者、時にはクリエイターの方々が心配ができる限る減りつつ、利便性を損なわない仕組みを作り続けています。
何かあると自分の立場が悪くなるからという理由でコンサバな意思決定をすると、結果的に多くの人にとってデメリットが増えるため、保身になる意思決定をしないように、全責任は社長が取るというアプローチにしていたため、そのような意思決定になることを「ある程度」防ぐことができていたように思います。

人材育成も継続して行ってきました
ロールアサインリストという仕組みを通じて、各従業員のリスク許容度にあった仕事をできるようにする「ロール型人事制度」を作り、5年間運用してきました。この仕組みは「ジョブ型」とは大きくことなります。
そして、人材育成には徹底的に投資をし、教育訓練費もしっかり積み、給与は投資だからねと宣言し、リモートワーク研究費(手当ではありません)も支給し、従業員の自律を促してきました。
新卒にも新卒手当(最大5万円)を支給し、5年後にはゼロ円になるのでそれまでに給与を増えるように頑張ってねというメッセージを出しています。

書く事が色々有りすぎて、、、DXの本の第二弾で色々まとめます。6月までには書き上げたい気持ちです。
成果を出す裏には色々な厳しい決断、難しい状況を乗り越えてきたわけですが、言えない事もあるため、そのような側面はプラスの面から振り返る予定です。

今後の計画

今後の話になりますが、4〜6月は、経営の引き継ぎを行いながら、データサイエンティストとしてプログラミングを再度学んだり、英会話を毎日したり、DXの本の第二弾を執筆したり、加圧トレーニングするなど、己のRebornをする計画です。

同時に、iUの准教授は継続し大学生の育成を行いながら、スリーシェイク社外取締役も継続する計画です。

7月以降のフルタイムの仕事は白紙ながら、それくらいには再開できたらなー と思っています。ですので、4〜6月は上記の活動をしながら多くの方とお話をして、私の経験とスキルを活かせる活動を見つけられたらと考えております。

一方で、スポットの仕事も既に頂いているものが複数あるため、しっかりそれはやり遂げたいと思います。

最後に

Dwangoインフラ改革、KADOKAWA DXでお世話になった皆様、本当にありがとうございました。
そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。

この記事が参加している募集

退職エントリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?