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論理設計と物理設計の交差点の重要性

私は今、メガバンクで経営改革というDXを推進している。
なかなかnoteをUpする時間を取れないが、日々感じていることをUpしたいと思っていた。
そして先日凄腕経営者がFacebookでUpしていた記事などを見て、これだけは書いておこうと思った件をUpしたいと思う。

論理設計

ITで仕事をしていると、論理設計と物理設計という事を必ず行う。
データマネジメントでいうと、DFDを作ったりするような作業である。
データのカラムがXXで、インデックスがYYで、そこにはどんなデータが入ってくる、そんな設計である。
ネットワークも論理設計をざっと書く事が多い。
一般的には、利用者にとってわかりやすくする設計である。

物理設計

物理設計は、論理設計を行った内容に対して、最もROI高く実装するという作業である。データマネジメントで言うと、どのようなアーキテクチャのインフラ(RDBか、Hadoopかなど)に、どのようなハードウェア(データストレージだけではなくネットワークも)の実装を行うのか決める、そんな設計である。
ネットワークでは、物理設計が適切でないと、期待通りの性能を出す事ができない。
一般的には、利用者には見せない設計である。

私が考える理想のITに関する論理設計と物理設計は、「可能な限り」同じ人がやるべきと考えている。ここがブリッジできていないと、物理設計が適切にされずにシステムが作られる。
日本のITに関する論理設計と物理設計においては、ベンダ丸投げという事があらゆるところで発生しているため、論理設計も物理設計もわからないITチームがいることが多い。できれば、論理も物理も両方設計できる人材を育成して欲しいと切に願っている。

クラウドは物理設計が不要か?

必要である。何故ならば、クラウドがマルチクラウドになったり、IOTやPCのようなエッジのデバイスとの連携も重要であるからである。
加えて、XaaSで提供されているサービスの、物理設計とその接点となるインタフェースをある程度イメージをして利用するのか、そこは世の中で使われているから安心だというブラックボックスとして信用をして利用するのか、判断が必要である。ちゃんとしたエンジニアがいる会社では、前者の判断をしているように思うが、皆さんの会社には真のエンジニアはいるだろうか。

組織作りにも論理設計と物理設計が重要

最近Job型人材など、色々騒がれている。
私からみると、1990年代から、普通にやるべきことであり、ようやくそれが始まっているが、論点がまだまだ足りないと感じている。
それは、Job型を始めると、組織やチーム作りが変わり、そこについては議論が不十分であるということである。
それは、Job型と言われる(私はロール型が重要だと思うが)時代には、組織の論理設計が重要である。

組織の物理設計と論理設計

物理設計とは、ラインマネジメントである。ラインマネジメントとは、人事評価、経費精算、勤怠承認、ワークフロー承認などの仕事をすることである。論理設計とは、サービスマネジメントである。サービスマネジメントとは、仕事をサービスとして定義し、そのSLOを決めて、サービスのPDCAを回すことである。

組織の物理設計と論理設計は一致させるべきか

結論としてはYes/Noである。
論理設計は、利用者にとってわかりやすい=つかいやすいということであり、物理設計とは、ROI高く実装するということであるため、両立できれば一致させてもOK。一般的には、変化が少なくコモディティ化されたサービスを担当しているチームは変化をする必要がないため一致させるとやりやすい。一方で、変化が激しいがチームワークが重要なチーム、例えば社内ベンチャーのように新しいサービスを作るような場合は、一致させた方がやりやすい。それ以外のサービスは、論理と物理はつねに切り離せるようにしておくことが成功のポイントである。

DX推進には、人や組織の論理設計と物理設計の見直しが重要

私が何故、DX推進にはサービス型チームが重要であると考えているのか、年末年始に考えていた。そこで気付いたことは、ITのインフラは論理設計と物理設計を適切にマネジメントしていて、チームマネジメントもそのように切り離して考えることが重要であるということである。
人間は感情の生き物ではあるが、そもそもの仕組みが良くないと感情面にマイナスの作用が働き、いつまでもプラスの感情になるのが難しいという状況になるのではないかと私は考えている。

エンタープライズアーキテクトの時代が来た

このような論点で物事を考えようとすると、結局経営の目線であらゆる所を論理と物理設計し直す必要がでてくる。
それを行おうとすると、企業のアーキテクチャの変更が必要で、物理でしっかり固めておくところと、論理で変化に強くしておくところを、クリアにする必要がある。これを行えるのは、エンタープライズアーキテクトチームをつくり、会社のOSを昭和時代のものから、令和時代のものにUpdateするということであるのは間違えない。
私も、DX時代のエンタープライズアーキテクトとして、残り少ない全力で仕事をできる時間を使っていきたい。



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